fc2ブログ

-
ネット記事への反応に多いのが「で?」という一言です。記事に対して「だから何?」「それがどうしたの?」という不満の投稿です。内訳は「長い記事だが、かんじんの結論がないぞ」「僕らに何をやれと言いたいかが、どこにも書かれていないぞ」。

僕は記事の欠点を見破ったぞと、やや得意そうな「で?」というリアクションです。しかしよく考えてみれば、よく考える習慣がない立場からの一言とも言えてしまうのです。

というのは記事の機能は、結論を出したり指導するとも限らないからです。たとえば国家間の戦争は、背景も込み入り不条理や矛盾も多い。事情の複雑さを列記したまとめニュースもあり得ます。「こうあるべき」「あなたはこうしなさい」の結論を出さない、ト書き型の資料記事も多いでしょう。

「で?」という反発の裏に「結論だけを僕に伝えよ」「僕がすべきことをはっきりさせよ」という、他力本願が隠れているのです。この心理を美術の分野に無理に当てはめてこじつけると、やはり公募コンクールがその他力本願に合う仕様ではないかと。

美術の大規模展覧会は二つに大別でき、欧米の主流はアートフェアという商談の場です。対して日本の主流は、コンクールという合格発表の場です。欧米では市民が自主判断して買う目的で、日本では優秀作を偉い人から教わる目的です。教わるだけで買わない前提ですが。

アートフェアを日本で開けば、「で?」が観客に起きそうです。「僕が見るべき絵はどれなのか」「僕に優秀作だけを伝えよ」という意味で。実際に日本で開催して、往年の骨董市ふうになったアートフェアがありました。ちなみに欧米のアートフェアは全てが現代美術で、それも日本の壁です。
関連記事
スポンサーサイト



現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?