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テレビ番組で第4の国宝級『曜変天目茶碗』と鑑定された茶碗は、今も宙に浮いています。このもやもやは、美術全般のぼやけた雰囲気と同じです。ここで、事件を元にした脚本を考えました。映画化決定。

『モナリザ』は、実は2枚あります。レオナルド・ダ・ヴィンチは2枚描きました。最近、テレビ番組がもう1枚の『モナリザ』を見つけました。3枚目の大発見です。評価額は2500万円。「んっ、かなり安いぞ」と専門家たちは首をかしげます。ルーヴル美術館の『モナリザ』は1兆円なのに。4万分の1。

直後に『モナリザ』研究家で、その復刻づくりがライフワークの画家が現れ、訴えます。番組の絵は『モナリザ』に見えない。チャチだし、本物の2枚と顔が違い別女性に見えると。それは、近年のアクリル絵具の偽物であろう。ならばフィレンツェで3千円で買えると。

一方で国宝級発見のニュースが新聞雑誌に出たから、文科省筋から本格鑑定を誘われます。が、絵の所有者は断ります。疑惑が出たから、今後は絵を見せないと宣言します。その所有者は縁ある化学者に検査させ、アクリル絵具の成分がほとんど発見されなかったと公表します。フィレンツェ産のみやげ品とは違うと。

「真贋は真で決着した」「やはり本物のモナリザだった」「番組が全て正しかった」「反論した画家こそが偽物でした」「本物と信じた自分はうれしい」「3枚目の国宝級に大感動」「一目で美しくて本物だと僕は最初からわかっていた」「顔が似ない失敗作だからルーヴルよりも安い簡単な話さ」「国に見せないのは国宝認定を回避する税金対策さ」。

この映画で伝えたかったのは、話のわかる人がいない業界の悲哀です。権威者や識者も出てこず、国民の雑言が国民に浸透するだけ。ミステリーを期待したのに迷宮入りして知識も増えず、絵の世界は何なんだとやるせない思いになる結末。世評にて、クソ映画決定。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?