Archive2018年03月 1/1
古代のアート類の鑑賞はなぜ難しい【現代人は偉いとの見込み】
本書に何度か出る話題に、現代人の意識の高さがあります。ピラミッド建設やアポロ宇宙船など過去の偉業は、今の僕らにも難しいのだから、当時は不可能だったと感じます。人類にできる日は、まだ来ていないのだと歴史認識しやすいのです。偉業の裏にからくりがあるのではと。そこには、僕らは人類の最高峰だとの思いがあります。一番上に僕らが君臨している自信。この話は現代人の耳に痛いもので、無遠慮にそこを突く本書は嫌な情報...
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愛のため息と007で魅せた他人の編曲【音楽界は協力態勢で傑作】
ネットの間違い情報に、ソウルミュージック『フィール・ライク・メイキング・ラブ』(邦題は愛のため息)の作者があります。大ヒットさせた歌手ロバータ・フラックの作曲と書くことが多いような。昔からあるトリビアで、作曲者はユージン・マクダニエルです。ところがこの曲、作曲した当人が歌うバージョンは実にショボい。絶対ヒットしない保証がつくほど、本人のアレンジはさっぱり。最初の自演は全くだめで、他人が大ヒットさせ...
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材料費に魅了される鑑賞【黄金、ダイヤ、象嵌、ワシントン条約】
日本でデザインした中国製の腕時計は980円です。スイス製で80万円の腕時計もあり、600万円の高額製品もあります。80万円にくらべ600万円は何が違うか。文字盤に宝石が輝いています。価格差の520万円は、ダイアモンド代です。この時ほとんどの人は、その上がった分は材料の値打ちだと気づいています。メカやデザインではなく宝石の値段を意識し、時計本体が優秀だとは思わない。80万より600万の方が創造的なのではなく、520万円分の...
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芸術を語る言葉は魔物【正反対なのに共感させる話術の議員】
国会議員のあるあるは、立候補前と当選後の著しい変化です。論客時代に鋭い意見をずばずば言い、国を救おうとする熱意と見識を発揮。いかにも信じられる人が登場します。この人が総理大臣になれば最高だと、テレビスタジオは盛り上がります。ところが当選すると、首をかしげる事態に。誰のための政治なのか、その方向の日本改革だったなんて。そんな人だと知っていれば票を入れなかったよと。うまい言い方にやられたあ。話のわかる...
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ご飯を食べる文化を壊した自滅の日本史【米を食べると馬鹿】
日本で今、ご飯を食べる量が年々減っている統計があります。日本国民の米離れ。しかし若者の車離れや、飲み会離れ、読書離れ、デート離れとは違い、ご飯離れはデフレ不況の所得減とは無関係です。生活困窮でおにぎりが食べたいと言い残した、あの餓死とは別の理由。女性の視点では、パンやパスタはしゃれて、めしといえばオヤジみたいでダサい。所帯じみて年寄りふうで、ちょっといや。これは今に始まった心情ではなく、50年以上も...
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美術制作のプロ意識とプライド意識【自由奔放路線に創造なし】
世間のビジネス現場では、信念は二つに大別されます。プロ意識とプライド意識です。顧客中心と自分中心のこの分け方は、先輩たちの見解の受け売りですが。プロ意識とプライド意識は、逆方向とされます。お客からみた印象も逆で、結果の吉凶も逆だという。社会人なら普段から職場内で、プロ意識の社員とプライド意識の社員を見分けているのかも。創作表現の場でも、プロ意識とプライド意識の差は出るでしょう。おそらく音楽は、プロ...
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どっきりカメラのテレビ番組は本物かヤラセか【見分ける方法がある】
どっきりカメラというテレビ番組は、早くから一般名詞として広まりました。あのスタイルは日本独自ではなく、アメリカのテレビ番組を参考にしたと思われます。そして、視聴者の議論が続いてきました。どっきりカメラは果たして本物か、ヤラセかの議論。脚本があり仕込んで撮った回もあるのではと。実際には、世界の本格的などっきりカメラ番組は全てつくりものです。フィクションが100パーセント。でも、本物もある気がしませんか...
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コンビニの24時間営業は深夜が無駄に思える理由【人手不足より不景気】
24時間365日営業しているコンビニエンス・ストアーを、夜は閉めてはどうかという意見が急増しました。買う客も少ないし、電気も無駄だし。この意見はたいへん重要です。なぜなら店舗の深夜営業は、景気そのものだから。24時間営業を支持する意見が多いその時は、好景気です。24時間は時代に合わないという意見が増えたら、不景気の最中です。深夜営業はやめようという意見が続出する2018年3月現在は、日本の不景気がなお進行中とわ...
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僕は主張する作品が嫌いですという日本的主張【逆に他国は沈黙が嫌い】
ネット発言は、内容がいくらウソでも動機にはウソがありません。テレビだと、プロダクションが決めたキャラづくりで、心にないことも言いますが、匿名のネットだと他人からの圧力を免れているから、心にあることだけを書くものです。アート鑑賞ブログにみる「主張する美術は好きでない」という記述も、この原理どおり真っ直ぐです。ところでこの気持ちは、日本に多い感覚です。世界のみんながそうかと思ったら、日本で目立つ傾向だ...
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日本の美術問題は作品が売れないこと【並べもせずに市場は生まれない】
「日本では美術は売れない」と言うと、反論も来ます。「売れるやつは売れる、売れないやつは無能と知れ」と。しかし、日本のギャラリストに美術を売る話をしても、関心がないものです。「まずは見せて」とならず、前向きの反応とは違う。この実態をどう説明するか。国内の商機の乏しさが、前提とされてしまっています。作品が何であれ売るのは無理と、専門家は決めちゃっていて。美術販売を虚しい徒労とし、内容どうこうの問題では...
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子どもを生んだ女性はなぜ性格が悪くなるのか【本能が動かす芸術と同じ】
ネットで幅をきかせた迷信の一例です。質問サイトや相談窓口に、出産後の女性から寄せられるある相談。以前は穏やかな人柄だった自分が、出産後に悪い性格になったという悩みです。ギスギスしたきつい性格に変化し、何かと悪口を言う自分に変わってしまった。自覚があるという。実は夫からも相談が寄せられ、妻がこんな性格だと知っていれば結婚しなかったとか、離婚の相談さえあります。離婚したケースもあったのでしょう。この悩...
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