Archive2018年02月 1/1
ノストラダムスの大予言でもスルーされたあの核心【ネタ本とネタばれ本】
地震や大事故の後で、予言が話題になります。超能力者や占い師が予言していたぞと。予言どおりに地震や事故が起きたぞと。すごーい的中した、本物がいたのだ、神が現れたのだと、テレビに呼ばれ本が出る。ところが常に、ある部分があいまいです。ある核心が常にスルーされ、話題が世間に広がっていく最中も、そこは空白のまま。まるで突っ込み厳禁かのように、触れられない部分を残して駆けめぐる情報。その部分とは、占い師が未来...
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箸袋が凶器になる不思議とイリュージョン【美術作品の謎をタネ明かし】
本書の一話に、手品と美術の関係があります。手品の体験は、演者と観客で大きいギャップがあります。妄想が嵩じ、超常現象や神の世界へ飛躍したケースをあげています。空中浮遊を信じた毒ガステロ支援までは行かない範囲で。ある企業の新年会で、次長が芸を披露しました。ペラペラの紙で木の棒を切断するという、精神集中と気合いの術です。紙製のハシ袋を二つ折りにしてたんねんに角を鋭くし、横に渡した割りバシに振り下ろしたの...
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わからないものは世に多いという理解も大事【絵をわかる努力は必要か】
わからないものは何も美術に限りません。日常の中にわからない物ごとは山とあります。本書には、美術以外のわからない日常問題が出てきます。鏡が左右逆に映る話とか。STAP細胞はあるかとか。たとえば、こういうやりとり。「不倫ぐらいで、国民がバッシングするのはおかしくないか?」「そうじゃなくて、国会議員が記者会見でウソを連発してばれて、叩かれているのだ」「でも、不倫なんてどの有名人もやってるでしょ?」。「温暖化...
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ヨーロッパとアメリカのアートの違いは何か【重厚対無機無味ドライ】
欧米のアートと言えば、イメージは何となく決まります。しかし実は、欧と米に大きい違いがあります。アメリカの現代アートは概してポップで、俗悪な目立ち方の突出が現代らしさを誇っています。アメリカの近代美術史は、具象に執着し続けた日本と似た事情でした。アメリカ移民の保守的な面に起因するものです。アメリカ人は破天荒なリベラルに思えますが、内部ではヨーロッパのコピーにとどまったのが近代まで。マルセル・デュシャ...
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ヨーロッパで売れる絵が日本では排除される?【市場をつくる気概低っ】

この作品はドイツで売れると、簡単に予想できました。どの絵から売れるかは見当がつき、案の定同作者のプリントがベルリンで売れ、パネル画も売れ、現地刷りジクレーも。絵はがきもヒット。ほらねと。その後少し難解な作風へ制作を進められた頃、てっきり日本でも売れていると想像していました。ところが、国内では反応が悪かったそう。別の抽象画を見た画家先生の忠告は、「色数が多くて見て疲れる」「売れたいなら売れている画家...
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日本のプロ画家志望にスカな絵が目立つ理由【販売禁止のコンテスト展】
主因は、日本に確かな美術市場がないからです。日本のアート作者は、公募コンテスト中心に動くことが多く、その展覧会場は販売禁止がほとんど。だから、合否の採点者に合わせた制作に向かい、でも採点者は買う人ほどは真剣に見ることはなく。そこに入ってくる思想が、芸術の無目的性です。目的なき制作を正統とする思想。よく聞く言い方に、「芸術は人の衝動なり」がありますね。ばくぜんと何かを表現したい本能があって、その純粋...
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現代アートがアカデミズムの地位に昇進する期待?【入れ替わる立場】
本書は最近の執筆ではなく、はるか昔のバブル好景気より前に始めたもので、当時の懇談の記録が中心です。当時、世の美術評論家は威張っていました。極度の上から目線が当たり前でした。作らない評論家は、抽象画をしきりに叩いたものです。当時の抽象アートは国民の敵に扱われました。議会などの議論も「皆がわからない現代彫刻を税金で置いて、責任を取れますか?」などと。新し物好きの首長さんはつぶされ、母子銅像などに差し替...
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勝っている人のアートと負けている人のアート【後世に時の審判で逆転】
少し前に著者は美術館で人と会い、作品の差異をひとつ提言しました。それは「勝っている画家の作品と、負けている画家の作品がある」というもの。絵画が多くに愛され期待され、協賛スポンサーもついて売れているのは、勝っている画家です。負けていた画家の典型はセザンヌとゴッホで、多くに黙殺され、期待外れで、協賛スポンサーもつかない。ゴミクズ絵画。印象派のモネやエコール・ド・パリのモディリアニも、もちろん負けていた...
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曜変天目茶碗は贋作かニセモノか失敗作か【大混乱し続けた妄想議論】
テレビの鑑定番組で4番目の国宝級と認定された『曜変天目茶碗』は、最近別の番組で中国の女性陶芸家が名乗り出て、自作品を見せて一致し結論が出たそう。1400円相当だと。最初に出た疑念どおり。内外の陶芸の業者たちで、あれを本物の『曜変天目茶碗』やその失敗作と見た人は、さすがに皆無でしょう。造詣があるなしの大げさな話ではなく、犬と猫を見分けるに似た平易な事例だったからです。しかし大事なことは、あれは曜変天目の...
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