fc2ブログ

Archive2017年12月 1/1

ゴッホの美しい絵を理解しなかった昔の人を恨む?【19世紀の写実画】

「あれほど美しい絵をかくゴッホを認めなかった、当時の人たちを恨みます」。ゴッホ展へ行った人に多い、感動の第一声。同じ思いになった人は、昔から非常に多かったのです。演劇のテーマにあったほど。これほど優れた絵を、なぜ誰もが無視したのか?という憤りです。2枚の写真は、1887年に描かれた絵です。両方とも同じ年の作品。上がムーア作、下がゴッホ作。仮に2枚とも同じ公募展に並べば、どちらに金賞を授与しますか。どち...

  •  -
  •  0

さわりという語の意味は何か?【報道フェイクニュース2017年第一位】

文部科学省が「国語に関する世論調査」2016の結果を2017年9月に発表し、誤用されやすい語に「さわり」もあげました。「さわり」の意味を国民にたずねると、53パーセントの回答が「出だしの部分」「物語などの冒頭」だったという。正解は「あらすじ」ですと言うと、街の回答者たちは「へえーそうだったのか、知らなかった」と。「小説のさわり」とは、「小説の最初のくだり」ではなく、「小説のあらすじ」だとの正解発表が全国ニュ...

  •  -
  •  0

世界で一番理解されない現代アートはこれだ【ピカソよりデュシャン】

日本に限らず、最も誤解されている現代アートは『泉』でしょう。便器です。「現代美術を理解するサイト」の題材として出てくる便器アートです。「アートは何でもありだと認めようではないか」「時代について来なさい」と、説得する切り札によくなるのが便器作品です。一般に流布する創造物語は「あるアーティストが美術の既成の概念を超えようとして、市販の便器を彫刻作品に仕立てた」です。これはつくり話で、動機はいやがらせで...

  •  -
  •  0

夜爪を切ると親の死に目に会えない【ことわざも実はおもしろギャグ】

ネット質問相談サイトで早くから人気の話題に、ことわざの真偽があります。「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」などへの疑問です。皆さん、守っていますか、破っていますか、単なる迷信ですか、と疑問が寄せられて。必ず出る意見は、灯りが暗い時代に爪を深く切る危険や、切った爪が床に落ちて足の裏に刺さる危険です。やがて、昔の人に従えば間違いないと、確かな根拠なしに賛成する意見も出て、迷信に迷わされる現代人。夜の...

  •  -
  •  0

フュージョン音楽は青空スムースジャズに限らず【日本のお寺の影響】

フュージョン音楽はジャズ出身で、出世魚のように呼び名が変わりました。1960年代にジャズロック、70年代にクロスオーバー、80年以降はフュージョン、90年前後にスムースジャズ。全てにまたがる典型は、スティックス・フーパー率いたアメリカのクルセイダーズ。フュージョン音楽を語る一般的な枕ことばは、さわやかで心地よく青空でハッピー。その顔役たちも軽くて影がないタイプです。好感を持たれつつも軽くみられる理由は、むろ...

  •  -
  •  0

わからない現代アートに消えて欲しい切なる願い【二つの話がごっちゃ】

現代アートは消えろという、真剣な主張を見たことがあります。20世紀以降の美術を、世の中から全部なくしたいと、切なる願いを込めた長文でした。現代アートはわからんと感じる、サイレントマジョリティー(声なき多数派)の本音なのでしょうか。指摘された現代美術の大罪は、「自由はもうたくさん」。近ごろのアートは、自由すぎておかしくなった。自由に振る舞いすぎて大混乱して、理解しがたい作品の山。もう堪忍袋の緒が切れた...

  •  -
  •  0

食べ物と美術のうまいまずいを考える【火山噴火でタイ国の米を輸入】

1993年の日本は米不足で、急きょタイ国から大量に輸入しました。そのタイ米がまずかったのです。当時のレストランで、ごく大味だった覚えがあります。親切なタイ国に対して、日本側が遠慮気味に備蓄分の古米を要望していた裏事情を、日本国民は知らなかった。食べた日本国民は、長粒種のぱさつきや雑穀ふうの香りに幻滅し、家でも国でも最後は捨てました。火山の噴火が原因の不作だったので、タイ国でも米が不足し餓死も起きたとい...

  •  -
  •  0

美術のグローバリズム対ナショナリズム【左翼右翼と違う次元の軸線】

ネットでは政治、経済、社会の論争の対立軸に、左翼対右翼の区分が長く使われました。たとえば日本国内に外国人を増やしたいのが左翼思想で、減らしたいのが右翼思想という分け方です。ところが近年、グローバリズム対ナショナリズムの対立軸が表面化しました。グローバリズムからの最初の提言は、株主の利益を最優先せよというあれ。国境をなくし、人、物、金の移動を自由にして、国の差をなくして地球をひとつにする思想です。言...

  •  -
  •  0

公募展の大賞受賞作品が外国で売れない【展覧会の方式が内外で違う】

欧米の大規模美術展覧会のほとんどは、アートフェアです。美術を売買する見本市やバザー。対して日本で圧倒的に多いのは、公募コンテスト展です。フランス語でコンクール。予選通過を入選として展示し、そこから入賞や特賞を出す合格発表の場。落選作はすぐ返品して。内容はアートフェアの方が充実しています。その理由は、出品する作者たちの対戦相手が違うからです。何と戦うかの規模に、実は大きい差があります。戦いの規模に。...

  •  -
  •  0

団体展覧会を鍛え直す異種格闘技方式【類似絵画の同人会はオワコン】

具象系の公募団体展やグループ発表会展へ行くと、作品に決まった傾向を感じませんか。油彩画やアクリル画に共通の雰囲気があり、細部も似ていて。この現象は何でしょうか。絵画団体に「絵とはこういうもの」の方向や範囲ができることがあります。まるで、地域ごとにしゃべり言葉のイントネーションが似て、なまりや方言ができるみたいに。中にいるとあまり気づきませんが、文化がつくられるのと同じ作用でしょう。団体展で突飛や奇...

  •  -
  •  0

ピアノマンのおもしろ社会実験とアートの評価【現代のベートーベン】

表現物は話題性で評価が上下します。前に音楽でこういう事件がありました。自分が誰なのか、過去の記憶を失った男が海岸で保護された。男はピアノがとてもうまくて、謎の経歴とピアノの腕で人気が出た話題。日本にも支持者現る。後に、ウソが発端の芝居と発覚します。ピアノが大変うまい人は、世界にも日本にもとても多いわけで。事件のポイントは、何かのハンデを持つ訳ありで、ピアノ演奏の伝説化が始まる現象でした。もし記憶喪...

  •  -
  •  0