FC2ブログ

Archive2017年11月 1/1

横綱のビールびんとケネディ大統領のライフル弾

モンゴル出身の横綱が、後輩の力士を叩いた事件。証言者が次々現れ、どんどん混迷しているところです。「事実が全然わからない」「本当は何があったのか」「この男が仕組んだ」「主犯は意外な人物だ」と。これが、1963年のケネディ大統領暗殺を連想させます。狙撃事件ではなく、後の調査のゴタゴタが似ていて。どうやら物語を創作する思考順序のせいらしく。美術鑑賞でもやはり生じる、各自にとっての真実。事実は一個、真実は...

  •  -
  •  0

シュールレアリスムで出尽くした現代美術のアイデア

「キャンバス画はもう古いから排除して、これからの時代はガラクタを積み上げよう」と叫んで、インスターレーションが日本のギャラリーを席巻したのは1980年代でした。好景気へと少しずつ向かうあの頃。日本中が明るくて夢があった時代。今とは違う雰囲気。ビギナーたちは粗大ゴミに斬新を感じ、美術の最終形キターと大感激。現代の創造が、従来の小難しい美術を駆逐したぞと。まさかすたれるとは思わず。潮目が変わったのは、...

  •  -
  •  0

情報弱者でいいやと引き下がりやすいアート

情報弱者、「情弱」の語は1998年頃から話題に出て、元はインターネットと疎遠な人の意味でした。意味は広がり、事件ニュースの裏を知らない人に向けた言葉にもなりました。たとえば「野生動物にエサをやるな」の批判が出ると、ネットで対立が起きます。「腹をすかせた動物にエサをやる優しい気持ち、生き物と交流する愛護精神がわからないのか」と。野生動物にエサをやる人たちはかなり不機嫌。その愛護論が専門家から情弱扱い...

  •  -
  •  0

ピラミッドやアポロにアートまでロストテクノロジーか

フランスのナポレオンの記録では、当時の軍はエジプトのピラミッドを偉大な先人の偉業と認識していたようです。「はるか昔の人たちは頭と体を使い、未来人の我々を驚かせる成果を出した。諸君もピラミッドの頃に学ぼうではないか」と。今の人は、ばくぜんとこういう感覚。「昔の人は知恵も力もないから、ピラミッドをつくれっこない。建造したのは、当時地球に来ていた宇宙人だろう。その証拠に、ピラミッドのつくり方は今も不明の...

  •  -
  •  0

芸術の夜というドイツの美術展の何がどう一般的か

欧米先進国では美術が一般化し、「難しい、わからない、ちょっと」と敬遠する連帯の空気はありません。そういう人がいても胸張らないし、現代アート作品は日常生活の中に普通に加わっています。それが美術の一般化という状態です。一般化を背景としたイベントに、ドイツのライプツィヒ市の一本の道沿いで行われる「芸術の夜」という展覧会があります。夜がハイライトなのはわかるとして、展示会場は街路沿いにある民家やオフィスの...

  •  -
  •  0

五千万円の絵に五千万円分の価値はあるのか

国内の鉄道駅から盗まれた絵を売買した人たちが、最近有罪になったニュースがありました。盗品として押収された絵の写真もありました。読者の反応は、やはりというか金額に振り回されるばかり。「この絵が五千万円とは自分にはピンとこない」「素人の僕にはわからない価値があるらしいけど」「絵一枚より昼飯一回分の方が貴重だし」「芸術の世界ってわからないね」「抽象画だからわかるわけないし」。昔ながらの疑問が噴出。まず、...

  •  -
  •  0

日本で絵の値段が高いのもアートが特殊化した表れ

日本で絵画を買うと、欧米より高いのが普通です。ざっと2~4倍の価格。ぼったくりではなく、需要の細さによる自由主義経済の必然です。あまり数が売れない地では、一個が高くなる理屈。ちなみにデパートだと、ギャラリーのさらに2倍説があります。美術が一般化している国と、特殊化している国の違いは、値段にも表れます。しかも画材や額縁やプリント料も同様で、日本のアート関連物価は高い。日本で絵を買おうと思い立っても、...

  •  -
  •  0

かつお節とドラ焼き、本物美術は欠点も多いから本物?

美術の本物や偽物を言うには、真物か贋作か以外に、芸術的に本物か、芸術ふうニセモノかという論点もあります。創造か非創造か。本書でも何度か出てきますが、芸術上の本物は完ぺきとは感じさせず、むしろ欠点が目立つものです。たとえるなら、鰹節。かつおぶしは日本のスーパーでは、重さの割に価格が高い商品です。だいたいが乾物は意外に高額で、浅草のりなども量の割に高くて、実質はぜいたく品です。本物のかつおぶしは石のよ...

  •  -
  •  0

精神病患者や犯罪受刑者の絵がウケるのはなぜ?

日本に限らず世界でもしばしば話題になる展覧会に、特殊な一群の絵画があります。心療カウンセリングを受けた人の絵、精神科病棟に隔離中の入院患者の絵、非行少年少女の絵、刑務所にいる受刑者の絵。それらの展覧会は大入りで、来場者は特別な感慨でうわさし合います。特集した記事もみられ、関連書籍もあります。彼ら彼女らの絵は普通の人とは違うぞ、尋常でないぞ、ぶっ飛んだ絵だぞと。異常性、狂気性、心の闇を感じる特異性が...

  •  -
  •  0

芸術なんて日常に転がっていますという意味は?

「芸術は日常に転がっているから、見逃さずに発見しよう」なんて言い方。どういう意味か。暗い部屋に男女を入れると何かが起きて、起きた事件が芸術だという黒箱セオリーではなさそう。部屋に同居することを指して、日常的と言うのではなさそう。それなら日々目にするもの、道にある石や草木、錆びた鉄板や、地震で生じたアスファルトの亀裂などから、芸術的な造形美を発見して、撮影して発表する、そんな意味でしょうか。それも一...

  •  -
  •  0