Archive2017年08月 1/1
東日本大震災の現場に出る幽霊が次回テーマ【深夜のタクシーに注意】
暑かった夏休みも終盤となり、怪談話も下火です。その幽霊関係の掲示板で、あるパターンの書き込みを目にします。短く一言「それでも幽霊はいる」「幽霊の存在はもう常識だ」。根拠や事情も何もなしに、ポツンと一行だけの書き込み。いったい誰が書いたのでしょう。業者さんです。除霊や開運の壷ショップなど。海外旅行帰りで体調不良の人向けに、悪霊退治の作業。堕胎後のうつ症は、水子の霊の供養。難病にも対応し超高料金。その...
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東京のコミックマーケットの根本的な問題はひとつ【会場建物があれ】
固有名詞で『コミケ』と略したコミックマーケットは、42年も前の昭和に始まった漫画同人オタクの祭典です。その2年前に『宇宙戦艦ヤマト』のテレビアニメが放映された気運によるもの。大学の漫画研究サークルやアニメ同好会が集まった、作品発表展示即売会です。そこに出てくる短編漫画雑誌や劇画イラスト、コスプレは、海外の日本祭でも花形になっています。ジャパン・エキスポ、ジャパン・フェスティバル、ジャパン・デーなど各...
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プロ美術家たちはピカソをわかっているのか?【理解の壁に壁はなし】
こんなふうに想像しませんか。プロはピカソなどわかりきっていると。現代アートを作る美術家たちは、みんなピカソなんて初歩として心得て楽勝だと。ピカソは素人には難解だけど、プロたちには何でもなくて、とっくに卒業済みだろうと。それはたぶん甘い見込みで、ピカソは想像以上に現代人の壁です。実際にピカソわからんという人は、美術家と鑑賞者で近い割合ではないかと感じます。その判定にたどりつくヒントは、たとえば日本で...
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実物を見ないと作品の芸術性は伝わらないのか【レンブラントの夜警】

画集などで絵画を見て、後で実物の絵を見ると印象がかなり違います。差分が芸術性だと思いがちです。が、そうではないと著者は考えます。印刷物にしたからといって芸術性は消えたりしないと考えます。写真や印刷で伝わる範囲内に芸術性は宿る、という仮説です。写真もまた芸術の一種だからという、そんな理由ではなくて。今の人が西洋の名画を見て驚くのは、デカさです。横長どころか縦にも高く、圧倒されます。たとえばレンブラン...
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プログレ音楽で成り立った見当違いの作品深読み【ピンク・フロイド】
ロック音楽の表現で若さと並んで多いのは、超常世界や魔界でしょう。より複雑で難解な物語性といえば、プログレッシヴ・ロックが浮かびます。クラシック似の壮大な曲に、壮大な歌詞。イギリス出身グループの四強か五強が、全世界的に有名です。中でも最も成功したグループが、ピンク・フロイドとされます。『ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン』の日本盤は『狂気』とタイトルされ、70年代のオリコンチャートに出るほどの大ヒットで...
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地震雲のエンタメ度は美術よりも高いらしい【美術よりずっと人気者】
気象庁の資料では、日本で起きるマグニチュード5以上の地震は年に741回。一日平均2回以上という多さです。あまりに多いから占い師や予言者には天国なのに、現実にはさっぱり当たらず地震予言は非効率な出世法です。むしろ、気象庁職員の方が当てているのが実態。日本で地震雲がささやかれます。進行する地殻変動が電波を発生させ、上空の雲に異変が生じるとする俗説です。ネットにもたくさん写真が出され、多いのは「のろし」のよ...
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現代アートのカラ主張も理解できなくはない【主張しないことが主張】
昨今の美術家のあるある問題として、主張の意味の空転がみられます。「作品の内容で主張しないで、思いで主張する」という主張。わかりにくい言い方になってしまいました。作品の造形面の内容がそもそも薄く、鑑賞者に対して主張が不発な時。それを「主張しない作品こそが、作者の主張なのだ」と言う。存在感のなさが主張になっていると主張するパターンで、いわばカラ主張のようなもの。その手の作品を欧米へ持って行くと、目を引...
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UFOの真の謎を知ると、宇宙の哲学まで変わる【地球外の知的生命体】
謎の円盤UFOが飛び回り、僕らの暮らしを監視しているという訴えが世界中にみられます。外国には宇宙人に体を触られた女性がかなり多いという。空飛ぶ円盤の中に連れ込まれて、脳内にチップを埋め込まれて解放された訴えも山のよう。宇宙からリモコン電波であやつられる話。日本でもUFOを見た通報は、気象庁に何度もありました。「UFOが飛んでいました」「確かにUFOをこの目で確認しました」と、市民から電話が次々とかかったことも...
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京都空襲をアメリカ軍が避けたのは本当か【文化財の保護は都市伝説】
むろん嘘で、京都は大戦中に4度か5度空襲を受け、意外に大勢が亡くなりました。著者が知ったのは、たぶん1990年頃です。新聞トップコラムの「米軍は古都京都の文化財の価値を知り、空襲の対象から外した」と記された記事を、先に読みました。直後に京都の読者からの指摘で、何年何月何日と4度の具体的な爆撃日が後日新聞に記載されました。京都の郷土史に記録されていたそう。今ネットに出ている爆撃回避説は、空襲の直前に終戦が...
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芸術論に客観性や主観性はあるのか【日本人は客観を信じ主観が嫌い】
ネットに限らず、主観を悪とする言い方を目にしませんか。たとえば、「それは単に君の主観にすぎない」「その意見は主観的すぎて許されない」という言い方。他者の主張を退ける時に、内容が主観的だとして失格にする。日本に特有の感覚で、いわゆる事大主義と表裏一体。主観と客観に触れた章が本書にあります。芸術の価値で最大のツボは、価値が固定しない点だから。「客観的にみて正しい」は論理学的に不正です。「主観的な考え」...
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