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Archive2016年10月 1/2

東日本大震災以降に日本現代アートが欧米で注目【ジャパンマネー不足】

最近の欧米国で日本の現代アートの需要が高まっていることは、あまり知られていないようです。絵画や彫刻、書や写真もです。傾向はもっと前からあったのですが、ブレイクさせたのは東日本大震災でした。東日本大震災の津波と原子力発電所の惨事で、日本を支援する輪がヨーロッパ国に広がり、文化交流活動が続いています。サブカル系とアート系とも出番が増えました。日本の特にコンテンポラリーが。日本の美術求むという潮目となり...

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具象絵画はホントに理解されているのか【芸術性自体は抽象成分だし】

「具象画はわかるが、抽象画はわからない」「具象は大好き、抽象はちょっと」という人が日本にとても多いのは、周囲を見てもネットを見ても感じることでしょう。欧米には少なめだから、日本の美術界のハンデになっています。お客がそうだと、アーティストも伸びないし。疑問がわくのは、具象だけがわかる人が支持する具象画は、このハンデの表れがないかという点です。これは調査や実験が必要かも知れませんが、具象だけがわかる人...

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美術作品の解説は作者本人に可能か【本人の支配下にない偶然の創造】

わからないアートといえば、抽象のピカソやポロックの絵がすぐに浮かびます。が、実は具象のルノワールやフェルメール、ゴッホの絵もわからないという声があります。そして、たぶん日本に多いのです。ゴッホやポロックの絵がわからない現象は、本人がどんな気持ちや心境で作ったのか、何を狙ったのかがわからないことが言われます。価値がわからない以前に、制作意図がわからないわけです。「麦畑を描いて、それが何だって言いたい...

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画家の死後価格は上がるか【長谷川町子いじわるばあさんの絵画投機】

長谷川町子の4コマ漫画『いじわるばあさん』に、主人公がデパートで絵画鑑賞する場面がありました。将来性が確実な絵に期待して買うわけですが、それから毎日画家の家に電話をかけるのです。「今日もまだお元気ですか」と。「また」と言わず「まだ」と言うイジワルな主人公は、絵の値上がりが楽しみで、作者が亡くなる日を待っている筋書きです。高騰したら売り抜ける投機目的で絵を買っており、日本のアート市場の素顔をおもしろ...

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信仰から強迫へ現代美術アドバイスの失敗【美が苦のマニュアル人間】

この特集の発端は、「現代美術は簡単」「わかる」「何でもない」「楽しいぞ」と言う世のガイドが、信仰と強迫に向かう現象でした。作品を示して「これならわかるでしょ」「わからないことはないでしょ」と。どうも単純化しすぎているし、説得内容も非芸術的だし。具体例をあげてみると。写実から抽象への教育課程どおりに抽象を理解しようとしても、古代の抽象には歯が立ちません。シュメールやエジプトのアートがカバーできないの...

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ボブ・ディランのノーベル文学賞vsコメント【穏健発言に芸術性なし】

フォークシンガーのボブ・ディランがノーベル文学賞に選ばれ、世界中から賛否コメントが出されました。平和賞がコロンビア国大統領で先決だからとか。世間に飛び交うコメントにも、芸術度は表れます。芸術は普通、高く遠い印象が誰にもあるでしょう。国宝にもなるぐらいだし。でも、こっけい話の桂米朝みたいな国宝もいます。何か言うだけでも芸術性は出るのです。次のコメントが日本に多くみられました。(1)ノーベル財団が悪い...

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黒石よされ写真コンテスト市長賞の内定取り消し【展覧会の権威主義】

最初にニュース記事を見た時、少女が写った写真が受賞して広く顔が知られ、有名になって周囲から迫害されたのかと思いました。そうではなく、迫害は以前からだそう。夏祭りの舞踊を演じる少女をたまたま撮った人がいた。撮影者はその写真をコンテストに応募した。受賞が内定して撮影者と少女家族に知らされた。が、知らせの49日前に少女は自殺していた。それを知った市長が内定を取り消した順序だそうです。公表された取り消し理由...

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112 テレビ番組はなぜつまらないのか

芸能タレントの何人かが、テレビ番組はつまらない、このままではテレビ業界はおしまいだと言い出しました。今のテレビ番組がつまらないという実感は、国民に広く起きている問題のようで、視聴率の低調や全く見ない人の増加にも表れています。これはテレビ以外の娯楽へ客が逃げている問題とは別に、テレビ番組の出来が確実に悪くなっていることを、国民の大勢が感じ始めている問題です。テレビとネットをくらべるのではなく、昔のテ...

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96 写真は芸術か? 1 心霊写真編

写真は芸術ではないという説は、日本に根強くあります。写真をアートとして考える人を一笑に付し、こきおろす意見が以前からありました。ネット時代の今に始まったことでもなく、日本の民意として写真は芸術の仲間外れや二軍扱いなのです。現に売買市場がなきに等しくて。しかしヨーロッパは、日本の写真アートに期待しています。それもそうで、世界中の報道カメラは日本製だからです。自動焦点かつ一眼レフ(ミラーあり)という高...

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84 芸術がわからない人は世に何人いるのか

日本で「自分は現代芸術がわからない」と言えば、国民の多数派に属する常識人宣言になります。現代の芸術作品なんてわからないのが普通とされ、それは日本人が現代アーティストという人種とあまり関わりたくない気分でもあるでしょう。ところが、わかる人には最初から壁がないから、わかるといちいち宣言しないわけです。そこに、わからない派の油断があります。先進国の市民の中で、実は孤立していた。めったにいないだろうとみて...

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65 ダダ運動タイプ、現代美術のちりとてちん

ダダというのは、後発の便器アートに代表されるような、アートの意味を拡張した運動でした。便器アートはレディーメード(既製品)に分類されますが、それが世界的な潮流になったという話題です。ダダ運動タイプが広まると、美術、芸術が苦手な人が世界中に爆発的に増えたのです。美術がわからないのは、気のせいではありません。馬鹿だからではなく、賢いからやられるわけです。アートが社会から浮いていったのは事実です。ところ...

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47 モディリアニとトレードマーク美術

音楽の作曲につきまとうのは、「できることが年々狭まっている」という悩みです。よいメロディーは昔の人たちがやり尽くし、満点の正解曲は先取りされてしまっているからです。後世ほど大傑作が減り、細部をひねった煮え切らないプチ佳作ばかりになっていく理屈です。この悩みは絵画や彫刻にもあって、新世代たちはやり残されている小さなすき間を探し回って、やっとのことで何とかオリジナルといえる作品を成り立たせています。そ...

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42 夢を美術に使えるか 2 幽霊編

幽霊などの怪談話やオカルト系のエピソードが、本書にはいくつか登場します。怪談話と絵画にはアナロジー(類推的要素)があって、親しい関係だからです。多くの人が怪談を誤解しています。怪談話は公式の報告書とは違うのです。怪談に公平公正はなく、逆にあの手この手で読者をだまそうと仕組んだ民話であり、物でいえば手品に相当します。起きた順序を逆に書いたり、部分誇張や壮大な尾ひれ追加と、ネタばれ情報の省略や書き換え...

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20 ヒトラーの絵とポップアート

ナチスの総統アドルフ・ヒトラーは1945年の自決後も、生存やUFOや南極や火星など都市伝説が多くあります。オカルトではなくリアルな話題として、ヒトラーがかいた古い絵が、2007年のオークションで高値で落札されました。国際ニュースが駆けめぐり、しかしどのコメントも一面的で、美術界のスクラムは微動だにしませんでした。「ワルが作ったアートは評価できない」という道理と、「有名人は凡作でも高く売れる」という、少なくと...

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10 子どもの絵、幼児の絵は芸術か

個性的作品が多いショパンのピアノ曲とて、関心がない人はどれも同じに感じます。それは、ビートルズ曲も、ジェット旅客機や結婚指輪のデザインもそうでしょう。誰でも、関心があれば個々の細かい差を感じ、関心がないなら皆いっしょと感じます。当然ながら、関心は買う時に最も高まり、買わないと低いでしょう。日本の抽象画家は、実はたいてい周囲からこう言われたことがあるのです。「ピカソみたいな絵ですね」。どんな絵でも抽...

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ボードリヤール著書の卓見と穴【芸術の陰謀-消費社会と現代アート】

フランスの思想家ボードリヤールの『芸術の陰謀-消費社会と現代アート』は、多くのアーティストが共感したのかと思えば、逆みたいです。世界の美術家はあのエッセーに反発しており、不評の論文のようです。論文のとおりだと、売れている美術家は陰謀でかせぐ立場で、売れない美術家は陰謀成立を目指す立場です。全ての画家や彫刻家は、陰謀の渦中か手前にいるから不名誉な言われ方にもなります。そのことで、怒りを表明した日本の...

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バチスカーフとアポロはなぜ定期便や基地がない【5段変速の自転車】

世の中には、説明が難しいものがあります。人を説得するのに話が長くなったり、報告書を何ページも書いて、方程式の答がバラバラと、最後に一気に解けるような難題さえあるし。昔それを感じたのは、PTAの誰かが問題提起した、少年向け5段変速機つき26インチ型スポーツ自転車でした。時速20キロの自転車は、一番速い5段目のギアで変速すれば100キロ出そうだ。そんな危険な自転車は、校区で禁止すべきと訴えがあったのです。車の免許...

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日本にノーベル賞を受賞した女性がいない理由【その論法おかしいぞ】

日本でノーベル賞を受けた人は、全員が男性です。あるコメンテーターは、この片寄りが起きている最大の理由として、大学の理科系に占める女性の割合が小さい、つまり理系の女子大生、いわゆるリケジョが少ないことを長文で書いていました。その結論に素直に納得する人も多いと思いますが、「ん?、んん?」と感じる人もいませんか。たぶん多いはず。だいたいはわかるが、何か的を射ていない、確かにそんな気は一応するけれど、なん...

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109 名作から出るオーラの正体を追え

名画名作から深いものを受け取り、私たちは心の糧にします。この感銘を指して、本物の芸術作品からは特別なオーラが発信されているという説があります。説というより、大勢に覚えがある強い実体験になっています。大傑作には、五感を超えた何か特殊なパワーがあって、こちらにシグナルが飛んでくるという。「それは美術鑑賞の大きな魅力となって、情報洪水の中で唯一といえるほど信じるに足る本物の真実の体験です。実際に起きてい...

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91 空飛ぶ円盤UFOと、宇宙の芸術 2

ネット時代になって、美術も芸術もエンターテインメントに分類されています。芸術はエンタメだ!。しかしレジャー産業や趣味講座とは次元が違う、何か特別な無償の衝動の存在を信じて、それが芸術の源泉だと考える人は意外にいるのです。芸術は衝動だ!と。「何かを表現したい衝動」は、単に個人レベルの気持ちの問題かという命題です。話を大きくして、地球で人類が発祥したメカニズムは、芸術の衝動と関係があるかも知れないとす...

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