Category現代に多い反語表現 1/1
松岡充「長く続けているロックミュージシャンにろくなヤツはいない」【反語】
日本国民は反語表現が苦手で、それが芸術にとけ込めない大きい一因です。だから国内に反語ネタがほとんど見当たらないのですが、たまには出てきます。松岡充いわく『長く続けているロックミュージシャンに、ろくなヤツはいない』。ロックとろくを引っかけたんじゃなくて。これに対して、「このやろう生意気な」「ならば名バンドXXもろくでなしなのかよ」「先輩へのリスペクトがない」「何様だと思っている」「おまえの方がろくでな...
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ファクト・ハラスメントとは何【虚偽情報を愛し事実を嫌悪する運動】
ファクト・ハラスメント、略してファクハラという、新たなハラスメントが少し前に提言されました。虚偽情報を信じている人がいて、それに対して事実はこうだと反証されると不快だ。そこで虚偽の快感を正義に位置づけ、事実を突きつける者を有害とみる権利の主張です。ニセ情報こそ自分にとっては真実で、対する事実を悪とみなすという。何かデフレ国ニッポンの象徴みたいな。ネットには昔から、事実情報への反感がみられました。「...
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井上陽水『傘がない』の歌詞はそんな意味?【君の家に行かなくちゃ】
井上陽水のファーストアルバムの曲『傘がない』は、歌詞を誤解釈した人が多かった疑いがあります。「都会で若者の自殺が増えて新聞で報道されるが、僕の最大関心事は今日の雨であり、君の家へ行こうにも差す傘がない」という内容。知られた曲ですが、この歌詞を批判する意見を読んだことがあります。「社会問題そっちのけで、一人の小さな恋愛感情を最優先し、自己中心に生きている新感覚の宣言である」「自分大好きを高らかに歌う...
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AT車のペダル踏み間違い事故【ギアシフトレバーの謎ポジション】

コンビニへ突っ込むAT車の事故ニュースが、まだまだ続いています。日本に限らず、動画サイトの海外映像でもよく見ます。本書ではAT車の事故を芸術のある一面で解明し、反語を誤解釈するように踏み間違う脳のはたらきを説明しました。その伏線は周辺にもあり、ひとつはギアシフトレバーの操作体系です。最近T社製P車で踏み間違い暴走が続いていると話題です。内外のP車オーナーが、事故につながりそうな間接要因を解明する動画を作...
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大学アメリカンフットボール傷害事件【言葉の多義性が引っかけ】
大学アメリカンフットボール試合の傷害事件。加害者は「相手を壊せ」「つぶせ」の指令を受け、故意に負傷させたと認めています。上司は、「壊せ」「つぶせ」は思い切り当たる積極性の意味だと反論しました。「比喩なのに、まさか言葉どおりに受け取るとは」と。その釈明は、実はロジックに難があります。「壊す」「つぶす」は隠語だからです。隠語は言葉どおりとは異なる意味を持つから、隠語を言葉どおり受け取るドジは意味不明。...
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AT車の暴走事故は運転ミス以前の問題【反語表現と価値の相対性】
AT車の暴走事故は続いていて、2018年の新たな原因分析も間違っています。この停滞を指して、反語的思考が苦手な人類の運命と指摘しました。しかし人類が最も苦手なのは、「価値の相対性」です。相対性といえばアインシュタインの相対性理論を連想しますが、相対の反対語は絶対であり、価値に普遍性があるとする思想がそれです。善は善で悪は悪と、決まっているとするのが絶対主義思想。この思想が移民難民をめぐる摩擦によく表れま...
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反語表現が現代美術をつまらなくしたのか?【造形なきとんちアート】
反語は結局ここに話が落ちてきます。美術の太古と現代をくらべると、太古の方が太くてたくましい「ザ・造形」ぶりが著しいものです。傾向というより不朽の法則です。対して現代アートは概して線が細くて味が薄めで、反語や裏話に広げた副作用で存在感が後退しています。テレビ番組にたとえると、20分の情報で90分持たせたような、上げ底の印象が現代美術に多いのです。何かを百個以上ずらり並べた羅列型の大規模作品とか、ひねった...
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AT車暴走をメーカーが防げない理由【設計ミスが飲み込めない謎解き】
前回に続いてAT車の暴走事故を、芸術的に解析した話題です。AT車が暴走する原因は、ドライバーのペダルの踏み間違いです。MT車だと起きません。だからといって、主流をMT車に戻すわけにもいかず。運転免許のAT限定は、女性の取得向けに設けたいきさつがあります。また、MT車は加速中のギアチェンジで一瞬減速するので、同乗者は軽くつんのめって乗り心地が悪い欠点もあります。クラッチカバーの偏摩耗でジャダーも起きるし、他人の...
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AT車の暴走事故を原因究明できない芸術的な壁【反語表現の理解が壁】
AT車の暴走事故がなぜ起きるかの正解はネットにはなく、また当局が発表した「正しい原因」もありません。ペダルの踏み間違いまではわかっていても、なぜ踏み間違うかの理由はたった今も、都市伝説が流布し続けています。暴走は理解でき、踏み間違いは理解できずの状態。実は本書にはおそらく世界で初めて、なぜ踏み間違うかの原理を書いています。しかし、著者は設計分野の出身ではあっても、車の設計にはたずさわっていません。人...
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ウルトラシリーズに反語表現が出てくる【ウルトラマンが敵になる巻】
「現代美術なんて簡単さ」と言い出すサイトに、作品を額面どおり受け取れば簡単で手っ取り早いとの主張が多くあります。便器の磁器素材の真っ白さを指して、よく見ると便器も美しいでしょと。美といえる便器も美術としてありですよ、と導くガイドが多い。そうした簡単な落とし方に対して、このブログでは論点ずれを指摘します。確かにこちらの目的も難しい芸術を平易にし、わからない現代美術をわかることです。しかし取るべき手は...
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京都の伝統的な反語表現も現代は活字のまんま【ぶぶ漬けどうどす?】
美術に限らず、小説や映画にも反語表現はひんぱんに出てきます。気づかずにいたり、逆の意味に受け取ったままだったりもあるはず。作者の実力を測り損ねたりもあるでしょう。同じ映画の評価が日本人と外国人で違いすぎたら、反語の解釈で分かれた場合もありそうな。そんな反語表現は、一般には難解といえます。だからここでやっている反語解説も、はっきり言って難解です。反語の正体を一口で言うなら、「空気を裏読みする」になる...
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ゴミを集めた現代アートの反語表現【戦争と平和の絵画も誤解される】
「理解する」とあるのに「理解しない」意味になったり、「いない」が「いる」の強調だったり。そうした反語表現は、言っても書いても言語のマジックです。ならば言葉でなく、絵図や造形物で行う反語表現は、いったいどんなマジックかという不思議があります。わかりやすいのは戦争と平和です。反戦をどう描くかの方法論の広がりです。前に企画した外国での日本現代美術展に、軍服を着て銃を持つ女性の絵が候補にありました。軍事色...
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日米戦争映画の反語表現【太平洋の地獄:リーマーヴィン×三船敏郎】
第二次世界大戦は、欧州大戦と太平洋戦争の激戦で、世界を大破壊しました。戦況が傾いたのは、それぞれノルマンディー上陸作戦と、ミッドウェー海戦とされます。その太平洋戦争では太平洋南部の島を奪い合いました。当時のプロペラ機で、日本を空爆して帰れる距離だから。登場国のうちアメリカは、欧州大戦と太平洋戦争(大東亜戦争)の二股かけました。日米開戦は75年前の今日です。後につくられたアメリカ映画に、南太平洋の孤島...
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ネット掲示板によくみる反語表現のすれ違い【皮肉や当てつけの方法】
英語で「最後に理解する人」なんて言い方がありました。これは努力してついに理解に達する人の感動的な物語ではなく、永久に理解しない人の話です。救いようのない無理解な人間に、さじを投げた言葉。こうした反語的な言い方は、日本人は苦手です。どうも活字を字面で追いかけ、額面にべったり沿って受け取る傾向があります。「理解すると言ってるから、理解する話だな」と。ネット時代にこの手の誤解釈が明るみに出やすくなり、意...
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ポップアートはコンセプチュアルだとタネ明かし【マリリン・モンロー】
前回の百円とポップアートの話。何のこっちゃと首をかしげ、一晩考えた方もいるかも知れません。日本人の大半は、ポップアートをコンセプチュアルアートだとは思わず、庶民レベルに落とした、くだけた感覚の具象美術だと思って鑑賞しています。そういう説明も多いし。「モンローって美人」「画家は漫画もうまいんだ」「ビール缶がスタイリッシュ」「落ち葉は心なごむ」。全然そんな話じゃありませんから。モンローも漫画も他人作品...
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楽しいポップアートは難解さの原点【どういう意味かで悩ませる美術】

芸術の定義をめぐる内戦が、美術を無駄に難解にしてきた日本の事情。しかし現代美術の謎の数々は、そんな事情以外にたくさん存在します。芸術の内情は実に色々とあって、実におもしろいのです。日本に限らず世界的に、ポップアートはたいへんに誤解されている形式です。マリリン・モンローの顔とか、マンガを拡大した絵とか、スープやビールの缶、落ち葉もそうです。しかし実は、これらのポップアートを理解した人は世界的にも少な...
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