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Categoryココが大事な焦点 1/2

芸術や美術がわからない現象を時々再確認

本書は「美術がわからない人に美術を教える本」ではありません。そうではなく「美術なんてわからないやと思ってきた人が、なぜそうなったのかを今からでもチェックできるガイド本」です。「これが原因だったのか」「それなら今すぐわかるぞ」と。「自分は美術やら芸術やらが難しくてわからない」と思っている人に、「それはたぶん、ここに引っかかるせいではないか」とヒントを出します。本当は大勢がわかっているのに、わかってい...

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美術家と鑑賞者が常に衝突する抽象表現

ネットによく出てくる美術ニュースは、内外の絵画に起きた事件です。絵が白昼堂々と盗まれたとか、オークションの高値記録だとか、名画の由来が解き明かされたおもしろネタなど。そんなニュースのコメント欄に意見が集まると、次のような対立がよく起きます。「現代アートがわからない日本人は多いね」「わかるように作らないから当然でしょう」。これがよくある、わかるわからない論争です。ところが多くの場合、わからないアート...

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ゴッホの兄弟愛は絵の理解に必要な知識なのか

「知識は力である」の格言をみかけます。「時代に何が起きているかを知らされたなら防げた」「知らなかったせいで後の祭になった」「無知で国がさびれた」「戦争になった」などの結果論も歴史に多いのです。必ず儲かる話は必ず詐欺だと知っていれば入らなかったが、知らないから入って財産を失ったケースもあるでしょう。連続殺人犯が拘置所で本をたくさん読み、「僕に知識があれば殺人していない」と過去を嘆き、犯行時には無知だ...

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矛盾がある表現は芸術的には大成功?

矛盾の語の意味を考えます。何でも貫く鋭いヤリと、何物にも貫かれない丈夫なタテを、同じ商人が売ると、説明が同時に成り立たない不合理です。好例は「丸つぶ模様が一個もない曜変天目茶碗」でした。丸つぶを天目と呼ぶから。「丸い四角」や「黒い白馬」と同じ。矛盾の語の使い方で、よくある間違いはこうです。「あなたは前に日本はもうだめだと言った、今は日本は伸びると言っている、矛盾するではないか」と。これは一人が警告...

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日本美術のグローバリズムとナショナリズム

世界の重要トピックは、イギリスのEU脱退やアメリカファーストなどナショナリズムです。テーマは、グローバル主義経済の曲がり角です。しかし現代世界史が苦手な日本のエリートたちは、人種問題や民主主義が軸線だと信じています。本当の軸線はマネー奪還の階級闘争です。グローバル主義は、国境をなくし物、金、人の移動を好きにさせる思想です。世界混乱で所得が伸びる立場が推進します。迎え撃つナショナリズムは、フランス革...

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絵を好きなように描けば芸術の創造に至るのか

「気の向くまま、好きなように、力まず絵をかいています」と一言添える画家が日本に多くみられます。作為的でない、等身大の自分を表現したとのアピールでしょう。これは一面、自然体を尊ぶ日本の伝統かも知れません。禅の無為自然とも関係するかも知れず。「印象派その後」のゴッホ時代に、人々が感動した絵は印象派ではありません。それより前の写実具象の焼き直しが好まれました。人々の愛好対象は常に前時代的です。印象派をリ...

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一番大事な情報がスッカラカンの爪切り事件と美術報道

事件ニュースの中に、理解できないものが時々あります。近年は爪切り事件がそうでした。介護の現場で、高齢者の足の爪を深く切った虐待があった事件。どういうことかが最後までみえない事件でした。介護職員の女性が、爪切りで高齢女性の足の爪をうんと深く切り、痛い思いをさせ感染症も起こさせた容疑です。入所者の家族が告発し、職員は否認し続けましたが、ニュース報道はもどかしいばかり。最大のカギとなる情報「爪を深く切る...

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美とはノスタルジーであるという本質論

「美とはノスタルジーである」は誰かが言った言葉で、著者が感心したひとつです。たとえば著者の絵は、世界中の美術とつながりがありません。「フォーブが好き」「アンフォルメルなら知ってる」「ポップ命」など、学んだ知識の応用はききません。人々の脳裏になく、連想できるものが存在せず、理解の糸をたぐれないわけです。言語にたとえるなら、英語だと少しはわかるとしても、ロシア語だと断片もつかめない感じ。脳内に暗号カギ...

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作品を分析する鑑賞法がいつまでも続くのはなぜか

美術鑑賞者に向けたアドバイスに、「絵の分析はやめて、とにかく何かを感じればよいのさ」を聞きます。そう説く人は意外に多いから、一応古ネタです。だからこの結論の論文を書いても、「新発見じゃないね」と評価されないでしょう。今さらわかりきった話なのに、絵を見た人々は「これは何?」「何を描いたの?」と、モチーフ当てクイズに向かってしまいます。今さらなはずなのに、あまりうまくいかない。この本では、わかりきって...

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古代のアート類を鑑賞するのはなぜ難しいのか

本書に何度か出る話題に、現代人の意識の高さがあります。ピラミッド建設やアポロ宇宙船など過去の偉業は、今の僕らにも難しいのだから、当時は不可能だったと感じます。人類にできる日は、まだ来ていないのだと歴史認識しやすいのです。偉業の裏にからくりがあるのではと。そこには、僕らは人類の最高峰だとの思いがあります。一番上に僕らが君臨している自信。この話は現代人の耳に痛いもので、無遠慮にそこを突く本書は嫌な情報...

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材料費につい魅了されやすい芸術鑑賞

日本でデザインした中国製の腕時計は980円です。スイス製で80万円の腕時計もあり、600万円の高額製品もあります。80万円にくらべ600万円は何が違うか。文字盤に宝石が輝いています。価格差の520万円は、ダイアモンド代です。この時ほとんどの人は、その上がった分は材料の値打ちだと気づいています。メカやデザインではなく宝石の値段を意識し、時計本体が優秀だとは思わない。80万より600万の方が創造的なの...

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子どものような絵が何億円で落札されるのはなぜか

アートへの疑問で、多いのはこれ。子どもの落書きみたいな絵がなぜこれほど高額なのかという。回答の多くは、自由主義とリベラルで説明され、でもあっちが二億円でこっちが二万円という、価格差までは説明されません。つまり疑問点は最初から複数あります。それらは実験絵画です。子どもの落書きに挑戦する実験として、極論のデモンストレーションでした。モロに子どもの絵を目指し、その運動の新しさと話題性が評価されています。...

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芸術を理解するには優秀な頭脳が必要なのか

頭のよさの指標に、知能指数IQがあります。公務員試験に出る思考力テストが似て、図形や文章の論理などが中心のあれ。他に、総合指標となる中学高校の席次なども。企業が高学歴を採用したがるのは、読み書きそろばんや、比例配分や三段論法などを心得ている前提で、早く現場に投入できる期待でしょう。学閥に価値を置くケースもありますが。実社会ではお客をもてなす頭や、人間関係を調整する頭もあります。上手なウソや悪知恵、...

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作品説明は美術鑑賞に役立つか無駄かじゃまか

「美術鑑賞の場に説明なんかいらない、作品を見るだけでよい」という意見は根強くあります。美術家の意見に多いようです。作品に説明があると言葉に引っ張られて、個人の感覚を妨げてしまうことは簡単に想像がつきます。一方で、こういう意見もあります。「地元の郷土博物館で説明員から話を聞くと、見過ごしていた書や器に関心が持てました」。言葉の説明があると、作品の見どころに注目でき、興味がわいて他にも色々と見たくなっ...

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食べ物のうまいまずいと美術のうまいまずい

1993年の日本は米不足で、急きょ大量に輸入しました。その味がまずかったのです。当時のレストランでごく大味だった覚えがあります。親切なタイ国に対して日本側は備蓄米を要望し、とにかく量をそろえた事情を、日本国民は知らなかった。古米を頼んだのは日本側でした。それを食べた日本では、長粒種のぱさつきや雑穀ふうの香りに幻滅し、家でも国でも最後は捨てました。火山の噴火が原因の不作だったので、タイ国でも米が不足...

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ピアノマンという評価のおもしろ社会実験

表現物は話題性で評価が上下します。前に音楽でこういう事件がありました。自分が誰なのか、過去の記憶を失った男が海岸で保護された。男はピアノがとてもうまくて、謎の経歴とピアノの腕で人気が出た話題。日本にも支持者現る。後に、ウソが発端の芝居と発覚します。ピアノが大変うまい人は、世界にも日本にもとても多いわけで。事件のポイントは、何かのハンデを持つ訳ありで、ピアノ演奏の伝説化が始まる現象でした。もし記憶喪...

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芸術なんて日常に転がっていますという意味は?

「芸術は日常に転がっているから、見逃さずに発見しよう」なんて言い方。どういう意味か。暗い部屋に男女を入れると何かが起きて、起きた事件が芸術だという黒箱セオリーではなさそう。部屋に同居することを指して、日常的と言うのではなさそう。それなら日々目にするもの、道にある石や草木、錆びた鉄板や、地震で生じたアスファルトの亀裂などから、芸術的な造形美を発見して、撮影して発表する、そんな意味でしょうか。それも一...

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ゴッホはゴッホを本当に認めていたのだろうかという問題

日本語の乱れでよくあがる語。悪いと知りつつわざとやる犯行を、過失と区別して確信犯と呼ぶあれ。正しくは故意犯であり、政治家の領収書詐欺は確信犯ではなく故意犯です。確信犯とは信仰などに基づく一途な犯行を指し、養護施設のナイフ襲撃が確信犯でした。正義だと本人が信じているのが特徴で、概して黙秘しない。ドリルで証拠を消さない。19世紀にゴッホが全く認められなかったのは、人々の過失や故意ではなく確信によるもの...

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自由であることがマイナス効果にもなるアートの不思議

一般に芸術性とは、具象画ではデッサンの腕前とされます。抽象画では自由な造形。まるで逆です。インスターレーションは既成の概念超え、ボックス系なら事件性。表現物ごとに芸術の意味はバラバラで、これは多様化なのか芸術を見失った状態なのか。現代アートのウリのひとつに、自由があります。芸術の本質は自由奔放だとするもの。しかし著者は芸術の本質は自由ではなく、表現の裂け目だと考えました。表現の裂け目なら具象でも抽...

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実物を直接見ないと作品の芸術性は伝わらないのか

画集などで絵画を見て、後で実物の絵を見ると印象がかなり違います。差分が芸術性だと思いがちですが、そうではないと著者は考えます。印刷物にしたからといって芸術性は消えたりしない、という考え。写真や印刷で伝わる範囲内に芸術性は宿る、という仮説です。写真もまた芸術の一種だからという、そんな理由ではなくて。今の人が西洋の名画を見て驚くのは、デカさです。横長どころか縦にも高く、圧倒されます。たとえばレンブラン...

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