Category芸術おもしろ話 1/2
コオロギと生魚のさしみの違いを考える【民族の先祖の研究成果】
レントシーキングのコオロギ食が異様に浮いている理由は、生魚の論理でも十分推測できます。にぎり寿司や旅館の夕食に出る魚介のさしみ類は、限られた魚種ばかりだと気づいている方は多いでしょう。魚介図鑑に出ている魚も、生で食べないものがずっと多い。先祖があらゆる魚を生で食べてきて、問題があったものを食べる対象から外してきたからです。食べてすぐ毒にあたり、寄生虫にやられる場合はともかく、長く食べ続けて支障があ...
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なぜ陰謀説への批判はうまくいかない【アートの謀略作戦】
陰謀説がおかしい話ではなく、陰謀説批判がおかしい話です。陰謀説をアホだと批判するブログや動画に、納得できない部分があります。謀略や虚で人々をはめる工作活動は、人の世に多くみられます。陰謀と陰謀説の違いや定義も含め、著者は疑問を感じてきました。そう難しい話ではなく。「陰謀説アホか」と一笑に付されるタイプは、縁遠い者の主張です。たとえばNYの9.11テロは芝居で、ジェット機でなくアメリカ軍が小型水爆を仕掛け...
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ビートルズ『ラブ・ミー・ドゥ』3種類の芸術性【ピート・ベストも】
1962年10月5日のビートルズ、デビュー曲の謎は今も語られます。『ラブ・ミー・ドゥ』のドラムが、リンゴ・スターではなくアンディ・ホワイトというスタジオミュージシャンだった点です。これは初のアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』に入ったバージョンです。シングル盤はリンゴ・スターが叩いています。二人のドラムはよく似ています。ところがこれらは第三と第二のバージョンで、第一がピート・ベストのバージョンです。ピー...
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チャイコフスキーはキリスト教の掟で死刑になった説【最初から時代錯誤では】
音楽のチャイコフスキーの死因に突然異論が出されたのは、1978年でした。チャイコフスキーは旅先のレストランの水で、コレラにかかったとされます。新説は、同性愛の罪で有罪となり、判決に従って毒を飲んだ死刑というもの。これを聞いた著者は、だんだんと新説はおかしいと感じました。というのも、チャイコフスキーにとって世界は、すでに地球規模だったからです。チャイコフスキーはモスクワに住んでいましたが、フランスやイタ...
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芸術ではないと法律で決まっているアート【球・キューブ・幾何学立体図形】
素人のアート彫刻の中で比較的しゃれて見えるのが、球形や立方体などのオブジェです。アートしてますって感じに見えます。ところがボール形やキューブ形は、芸術作品ではないのです。芸術ではないことを法律できちんと決めてあります。芸術表現の法的な要件として、独創性があるので、作者の著作権が保護されます。その独創性がないもののひとつに、幾何学立体があります。長方形や立方体、円柱や球体などです。それらは数学的な定...
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高級筆ファンと油彩画制作画材へのこだわり【セーブル筆って何?】
画家は筆や用紙などの画材にこだわるイメージが、世間にあるかも知れません。逆に、弘法は筆を選ばずだろうと思えるかも知れません。実際には、誰もが一度は画材を色々試す時期があり、色々こることも多いのです。画材店に行けば、おもしろグッズの魅力もあります。筆の購入時に、穂の毛がのりで固められていることがあります。油彩画ではゴワゴワした白い豚毛の筆もありますが、液状の絵具を塗るなら、油彩、アクリルとも、軟らか...
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映画の名画にもある偶然のハプニング【絵画芸術の表現の裂け目】
最近は減った見方かも知れませんが、一昔前の画家への賛美で多かったのは「作品の全てに考えが行き届いている」。巨匠画家は全知全能で、作品の一切をコントロールしきっている前提だという。超人的な才人への敬愛ですが。んなわけないでしょ。制作中のハプニングで、偶然傑作へと転んだ歴史名画が多くあります。画家はそうしたくなかったのに、不本意でそうなったから歴史に残ったという結末です。もし思ったとおりに作れていれば...
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環境大臣のセクシー発言とメタファー暗喩【国連会議の気候変動】
メタファーの語はデザインの分野で割とよく使われます。日本語で暗喩(あんゆ)と言えば難しいイメージですが、メタファーのわかりやすい例は、あの下ネタです。電気や電子関係の配線をつなぐ接続プラグ。多くのコネクター類でオスとメスと呼びます。USBケーブルは両端がオスとオスが接続用で、オスとメスは延長用です。他のどんな言い方に変えるよりも意味が確実に伝わり、ミスや事故が防げます。操作も押すと召す。国連の国際会...
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未来の戦争絵画はどうなる【ソフィア王妃芸術センターのゲルニカ】
スペインのソフィア王妃芸術センターにあるピカソの『ゲルニカ』は、日本の新世代に理解者が多い絵です。牛や馬や人の絵だと判別でき、「それは何?」に答が出せる絵でもあるし。基本的にピカソの絵は抽象的な具象画であり、抽象画家の中で最もわかりやすい。『ゲルニカ』を戦争の表現法で考えると、ナチスの戦闘機にスペインの町が空爆された被害状況です。あの場面は実際にあったわけではなく、具象を崩したわけでない空想画です...
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リーディング・ミュージアム先進美術館の貧困【国内資産を切り崩す】

5月に出た政府の案。「先進美術館」(リーディング・ミュージアム)という構想。公立や私立美術館が「先進美術館」を名乗り、作品を売り買いするディーラー役となる思い切った案です。背景は、デフレ日本国で続く美術館のマネー不足です。GDP横ばいで文化が縮んだツケ。異常に小さい日本の美術市場をでっかくする、という政府の理念はマルです。ただし美術館の収蔵品を金額査定し、アート市場に流す策は微妙だと感じます。著者は建...
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スポーツドーピングの黙秘とアートの理解【冤罪を見分けるロジック】
刑事裁判の場で、裁判官に対して黙秘した容疑者を、冤罪だと思う人はいないのではありませんか。第三者からみると、「この人は真犯人か、または犯人を知って隠している」とわかるからです。法曹界の弁「黙秘は罪に問われない」とは、全く関係がない話です。黙秘は事実を伏せる行為なので、発覚すると困る立場である道理です。濡れ衣で黙秘はあり得ない対偶のロジックです。真犯人が今も逃走中だから詳しく話したくなるはずなのに、...
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スメタナとチャイコフスキーのハッピーエンド【長調と短調】
スメタナ作曲の『わが祖国』の一曲で知られる『モルダウ』は、チェコ(かつてスロヴァキアと一体)のモルダウ川をモチーフとした管弦楽曲です。さだまさしが歌詞をつけて歌ったことがありました。『モルダウ』は短調の悲しげなメロディーから、途中で何度か長調に変えて、幸福感で締める展開です。マイナー曲をラストにメジャーに転調し、ハッピーエンドで終わらせるクラシック曲は多くあります。ポピュラーソングやロックにも多く...
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ロダンの考える人で美術鑑賞は暗礁【ヘンリームアは考えるな、感じろ】
美術鑑賞する脳のはたらきは、思考とは違うと疑ってきました。今日よく聞く言い方「考える力が大事だ」が、アート鑑賞には通用しない問題です。現実はどうか、理想はどうあるべきか、という二つの点で。疑うひとつの根拠は、天才的な頭脳を持つ人でも、芸術に言及する時は凡庸な認識にとどまる傾向です。頭脳優秀だと自他ともに認める人が、芸術がわからないままなのは不思議です。芸術鑑賞は思考では解決しないということでしょう...
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ビットコイン投資と絵画投資は同じだけ危険か【仮想通貨は暴落期待】
ビットコインはいつかはきっと暴落するという解説を、あちこちでみかけます。これは奇妙な訴えかも知れません。というのは購入者は暴落を織り込み済みで、マネーゲームに加わり楽しんでいるからです。暴落を願って買う人こそが本格プレイヤーであり、いわゆる仕手筋たる攻撃側にあたります。限られた人数。一方、暴落なき安定志向を持つ大多数はカモ役。ビットコイン価格には物価の優等生的な面があり、売買の動きが価格に反映する...
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夜爪を切ると親の死に目に会えない【ことわざも実はおもしろギャグ】
ネット質問相談サイトで早くから人気の話題に、ことわざの真偽があります。「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」などへの疑問です。皆さん、守っていますか、破っていますか、単なる迷信ですか、と疑問が寄せられて。必ず出る意見は、灯りが暗い時代に爪を深く切る危険や、切った爪が床に落ちて足の裏に刺さる危険です。やがて、昔の人に従えば間違いないと、確かな根拠なしに賛成する意見も出て、迷信に迷わされる現代人。夜の...
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芸術の夜と呼ぶドイツのアート展【美術が市民の日常生活内で一般化】
欧米先進国では美術が一般化し、「難しい、わからない、ちょっと」と敬遠する連帯の空気はありません。そういう人がいても胸張らないし、現代アート作品は日常生活の中に普通に加わっています。それが美術の一般化という状態です。一般化を背景としたイベントに、ドイツのライプツィヒ市の一本の道沿いで行われる「芸術の夜」という展覧会があります。夜がハイライトなのはわかるとして、展示会場は街路沿いにある民家やオフィスの...
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映画『モンパルナスの灯』の悪徳画商は実在した?【モジリアニ伝記】
モンパルナスとモンマルトルは、よく間違います。著者も、あれ、どっちだったっけと、迷うことしょっちゅう。何しろどちらもパリにあり、どちらも芸術家が集まっている地区だったから。『モンパルナスの灯』という、モディリアニの伝記映画のお話です。映画に出てくるキーマンは、リノ・ヴァンチュラ演じる超悪徳な画商でした。モディリアニの才能を見抜いて、しかし彼の絵を安く仕入れて転売益を高める策略を考えます。飲みすぎで...
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音楽のオブリガートって何、美術にもある?【宇宙戦艦ヤマトが有名】
音楽のオブリガートとは何か、ネットでよく質問に出ました。助奏と訳される技術です。ジャズ、ロック、ポピュラーでは簡単な話で、マイケル・ジャクソンの曲でも多用。が、回答は頭が痛くなる固い説明で、質問者が疑問を解消できていない様子です。実例をあげた方が早い。宮川泰(みやがわひろし)作曲、阿久悠(あくゆう)作詞の『宇宙戦艦ヤマト』のこの部分。「うちゅうーーうせんかん」「ジャジャジャジャジャ」「やーーまーー...
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プログレ音楽で成り立った見当違いの作品深読み【ピンク・フロイド】
ロック音楽の表現で若さと並んで多いのは、超常世界や魔界でしょう。より複雑で難解な物語性といえば、プログレッシヴ・ロックが浮かびます。クラシック似の壮大な曲に、壮大な歌詞。イギリス出身グループの四強か五強が、全世界的に有名です。中でも最も成功したグループが、ピンク・フロイドとされます。『ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン』の日本盤は『狂気』とタイトルされ、70年代のオリコンチャートに出るほどの大ヒットで...
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超有名作品が別人の作と発覚すれば何がどうなる?【ゴヤの名作巨人】
交響曲の数は、ベートーベンが9曲、マーラーは10曲、ショスタコーヴィチ15曲。1曲の規模は違うものの100曲以上あるハイドンは、「交響曲の父」と呼ばれます。最大級の人気が、『おもちゃの交響曲』です。キリキリキリ、ピヨピヨピヨと玩具の効果音が印象的なあれ。しかしとっくに、ハイドンの代表曲ではなくなっています。ある頃に、レオポルト・モーツァルト、つまり超有名なアマデウス・モーツァルトの父親が作曲したと判定され...
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