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Category三大画家Xダダ運動 1/1

不気味の谷現象に頼る世界の美術【芸術は不快だ論へこじつけ】

「不気味の谷現象」。著者はこの言葉自体は覚えがなかったのですが、現象はよく感じていました。これは人形などをつくる時、雑な造形からだんだんと本物の人間に近いものになるにつれ、順当に好感度が上がるその途中に起きる不思議です。より本物に近づけると、あるところで急激に嫌悪を感じ、しかしもっと精巧になるとまた好感度に戻る現象です。これは1970年代に出された仮説で、それを2015年に海外の学者が検証し、学術的な科学...

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二種類あるから難易度がはね上がる【美術と経済の関係】

現代美術がわからない理由のひとつが、美術には二種類ある事実です。「三大画家タイプとダダ運動タイプ」です。一種類と違い、二種類あると理解にてこずります。直感も思考も論理立ても二つへ分岐するから、一気にチンプンカンプンに陥るのです。芸術と似た混乱で、より難解にみえるのが経済です。一般論も教科書も学者の説もWikipediaも、全てが間違っています。EU国と日本はそれが直接原因で(間接でなく)貧困化し続けました。...

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経済と芸術の類似するトラブル【資本主義と現代アートの撲滅反応】

芸術と経済のアナロジーのひとつに、過剰反応のパニックがあります。芸術で起きやすいパニックは「現代アートは消えろ」でした。そう主張するサイトがいくつもあります。「アートは自由すぎてわけわからん、だから全部が消えてしまえ」と怒った全否定です。それに対して著書は「まあ落ち着きたまえ」で始まります。「現代アートはある時から二種類に増え、芸術に反芸術をぶつける流行が生まれ、それは芸術とは別の話だ」「一種類だ...

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大阪都構想のメリットデメリットで欠けた語【惨事便乗型資本主義】

「大阪都構想は嘘だらけの詐欺だ」と批判するブログや動画がネットにやたら増えています。一回限りの約束はあっさり破られ、年内に再投票させる予定だそう。イギリスのブレグジットと逆です。数々の否定的な動画にも、実はある重要な国際トレンドのキーワードがありません。「ショック・ドクトリン」(惨事便乗型資本主義)です。多くが「なぜコロナの最中に投票なのか」とピンとこないこと自体、すでに術中にはまっています。取り...

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集合体恐怖症頼みの現代アート【トライポフォビアとハスコラ】

著者の個人的な制作流儀の話を少しだけ。たとえばCG画に、同じ形状をいくつも並べた部分があります。しかし並べる個数は少なくしています。同じ部品をあまり多く繰り返しません。理由は、絵がダダ運動タイプにならないようにするためです。「フジツボが怖い」と女性から聞いたことがあります。「フジツボは鋭くてケガしやすいけど毒はない」などと言ったら、「そうではなくて、びっしり並んだ状態が気持ち悪い」。そこで後日浜辺で...

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表現の不自由展はダダ運動タイプの反芸術【あいちトリエンナーレ】

『あいちトリエンナーレ(3年ごとの定期展)』の『表現の不自由展』の論争で、ある性質に気づいた方がいるでしょう。批判と擁護の主張が平行線で、常に次元が食い違い続ける不思議です。アンチ民族プロパガンダに対し文句を言えば、「不当な取り締まりだ」「自由の束縛だ」「差別だ」と際限なく突かれ、この圧力は何なのかと疑問でしょう。1995年の地下鉄サリンより以前の、「憲法が保証する信仰の自由を守れ」「宗教弾圧反対」の...

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アートが身近な街を目指してもね【現代美術展はサプライズ競争】

美術展覧会の展示物は、世界的に現代美術です。欧米に限らずアジアでも、出し物は現代アートが普通。その美術展が普通に開かれて、人々が普通に見て買えば、アートが身近な街が実現しているのです。それだけのことが、しかし日本では死ぬほど難しい。日本で開催すると「美術展」「アート祭」とは呼ばず、「現代美術展」「現代アート祭」と呼びますよね。「現代だ」と断る。正規と非正規の差みたいに、現代モノを区別するのが日本で...

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パワーポイント的な現代アート【造形の中味より表示手段が見せ場】

1995年にWindows95が発売された時、オフィス95というアプリスイートのパッケージも発売されました。そこに含まれた気になるソフトがパワーポイントでした。プレゼンテーションソフトという、日本にとっては目新しいジャンルでした。企業で使う会議用資料は、従来はプレゼンボードという大型パネルに紙を貼り込んで立てかけるか、または部屋を暗くしてスライド映写機や、オーバーヘッドプロジェクターで壁に映したものです。それに...

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びっくりする音楽でお客を驚かせたプロコフィエフの創造性

1953年没の作曲家プロコフィエフは、『ピーターとオオカミ』が小学校の音楽鑑賞で知られます。作風には顕著な特徴があり、メロディーとハーモニーの関係がねじれるように動きながら、劇的に展開します。らせん階段みたいに。『ピーターとオオカミ』のピーターのテーマ自体がそうで、明朗なメロディーのバックを押さえた和音が意外な方向へ転んでいき、光景が次々ひっくり返りながら開けるドラマ性です。そのプロコフィエフが生前に...

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アートは自由のスローガンで芸術性は低下【トンチ美術へ流れる現代】

現代美術は好き勝手やり放題だとして、制作側も鑑賞側も不安になり、または逆に感化されてハイに浮き足立つ光景があります。わけのわからない奇妙な表現物に、翻弄される被害の声が多くあって。たとえば市販のキャンバスをバキッ、ビリビリと二つに割り、「絵画を破壊しました」「破壊的創造です」式がダダ運動タイプ。こうしたトンチ表現が集中した時代に私たちは居合わせ、しかもそうした自由表現を認めよと、同意させるリベラル...

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わからない現代アートに消えて欲しい切なる願い【二つの話がごっちゃ】

現代アートは消えろという、真剣な主張を見たことがあります。20世紀以降の美術を、世の中から全部なくしたいと、切なる願いを込めた長文でした。現代アートはわからんと感じる、サイレントマジョリティー(声なき多数派)の本音なのでしょうか。指摘された現代美術の大罪は、「自由はもうたくさん」。近ごろのアートは、自由すぎておかしくなった。自由に振る舞いすぎて大混乱して、理解しがたい作品の山。もう堪忍袋の緒が切れた...

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日本で絵画の値段が高い理由【アート全般が特殊化した珍世界だから】

日本で絵画を買うと、欧米より高いのが普通です。ざっと2~4倍の価格。ぼったくりではなく、需要の細さによる自由主義経済の必然です。あまり数が売れない地では、一個が高くなる理屈。ちなみにデパートだと、ギャラリーのさらに2倍説があります。美術が一般化している国と、特殊化している国の違いは、値段にも表れます。しかも画材や額縁やプリント料も同様で、日本のアート関連物価は高い。日本で絵を買おうと思い立っても、価...

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現代アートの今の主流作品はどちらのタイプ?【三大画家とダダ運動】

ホームセンターで買った砂利を展示して、既成の概念を超えたと訴え、釣られた美術館に数千万円で納入するアートビジネスモデルが流行りました。日本に限らない話です。「暗闇の展示室で客に何かが起きたら、それが僕のアート表現です」という方法論もその類例です。現代アートはその手のとんちばかりだと、軽蔑する人もいるでしょう。あれで現代アート嫌いになった人が多い。ところが今も、新作の中心はとんちではなく物づくりです...

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ブラックボックス展とアート無罪への批判は失敗【現代美術は二種類】

ブラックボックス展は、密室のお化け屋敷型イベント。中で起きた出来事がアートだという表現です。女性客が暗い室内へ入ると、男性らしきに体に触られた事件だそう。評論家はブラックボックス展を批判して、アートと呼べば何でも許される「アート無罪」も批判しました。しかし批判論は、ほとんどが不発でした。敗因は、表現の自由奔放ぶりを危険視し、過剰を戒めた点です。その批判は、人の表現はアートだとした自由主義の尊さと衝...

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芸術の話題が必ず難しい話になるのはなぜか【二種類に分けないから】

このブログは、難しいと感じる方が多いかも知れず。意味がよくわからない回もあったことでしょう。それは説明のし損ねも含めて、芸術分野に難題が多い反映もあったでしょう。厳密度もそうで、円周率は3より3.14と詳しくした方が難しいこともあり。その昔、現代美術展へ行った人から、「全然わからなかった」と不満を耳に入れました。どうリアクションすべきか迷いました。一口で答えられなかったから。その人をかばえばよいのか、...

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現代美術は自由すぎるから問題か【三大画家タイプとダダ運動タイプ】

現代美術への批判で多い言い方が、「自由過ぎるのはよくない」です。「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」だとして。程度の問題、というやつ。控えめな自由は好ましく、行き過ぎた自由は好ましくない意味。自由過ぎた作品で美術界が荒れて、庶民と切れてしまったのだと。この文脈で、ピカソの抽象画は自由過ぎてまずかったと言いたげです。ピカソがもう少し不自由で型にはまった絵にとどめていたら、現代美術のわけわからん状態も...

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現代アートが新興宗教みたいに言われる【内向き愛護や身内批判禁制】

現代アートを普及させる活動が国内にいくらかあります。制作ではなく紹介する役目。こちらの味方になる親しさも感じますが、何に苦心しているかで「うーんちょっと」となる点があります。それは、現代アートを愛護している点です。現代アートは良品の前提。現代アートの良さをわかってもらう意識で、もっともっと多く広く市民に紹介して、大勢に触れてもらって楽しんでもらう方向です。その際に演出される、善玉扱いの部分が引っか...

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世界のアートが大きく二種類に分かれる謎【中味がない物の展示が流行】

「難しい、わからない、ちょっと」が普通になっている日本で、鑑賞者が悪いのか、それとも作者が悪いのかを、厳密に調べてみる人は少ないようです。これは「わからない」という意味の内訳が、常にあいまいにされていることと関係があります。ネットに並ぶ「美術がわからない」についての記事は、互いの攻防にもなっています。見る側は「何が描かれているかわからない」という不満の大合唱です。ところが逆の側は「こう見たらわかる...

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ボードリヤール著書の卓見と穴【芸術の陰謀-消費社会と現代アート】

フランスの思想家ボードリヤールの『芸術の陰謀-消費社会と現代アート』は、多くのアーティストが共感したのかと思えば、逆みたいです。世界の美術家はあのエッセーに反発しており、不評の論文のようです。論文のとおりだと、売れている美術家は陰謀でかせぐ立場で、売れない美術家は陰謀成立を目指す立場です。全ての画家や彫刻家は、陰謀の渦中か手前にいるから不名誉な言われ方にもなります。そのことで、怒りを表明した日本の...

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