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Category美術ワンポイント知識 1/2

著作権の理解には学校教育も必要であろうという証明

著者はかつて、音楽の著作権を全く勘違いしました。歌手がお金を放送局に払い、レコードを置かせてもらっていると思ったのです。小学生の時、リクエスト番組で耳にした言い方。「番組で知った曲をレコード店で探して買いました」でそう思ったのです。国民はラジオで聴いて曲の存在を知るのだから、放送局が宣伝してくれたその謝礼を、歌手が払うと思ったわけです。「放送局様、曲を流してくれてありがとう」と。実際は逆で「歌手様...

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美術という美しい言葉自体が大間違いならどうなるか

美術館などに税金を使う意味はあるのかと、文化行政コストの無駄がしばしば言われます。芸術やら美術は、そもそも人間に必要なのか。特に今のようなデフレ不況の時代には賛否が分かれるでしょう。「僕らの収入から税金をまきあげた、不要な箱モノ行政なんかやめろ」「天下り目的だろ」の怒りもみられ。先にやるべきは、保育所の建設や貧しい児童への学資援助だと。それに対して「美しいものを見ることも大事な情操教育です」と、教...

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ポピュリズムアートとはルノワールやマイヨールなのか

近年ニュース報道で、ポピュリズムの語をよく聞きます。あの大統領はポピュリズムだ、あの首相が、あの党首が、委員長がと。政治の現場に大衆ウケする人気リーダーが登場した時、よく言われます。ところが、支持者の多さは民意の反映です。民主主義では数の力を正義とします。支持者数が多いほど、良好だとしてOKをつける主義。だからポピュリズム批判は民主主義の否定だと、常に裏で言われます。同様に、日本で一番人気のルノワ...

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ゴッホを買わなかった19世紀の人は何を買ったのか

133年前のゴッホは引きこもらずに、作品をがんがん市場に出しました。公募コンテスト展やアンダパンダン展で、存在は知られていた説もあり。例のあいつを今度も笑おうと、市民に変な話題性ができて。ゴッホの生前に絵を買った人は、知人であった詩人の姉だけでした。縁故であれ売れたゴッホの成績は、作品を市場に出さずにいた著者よりは高い。しかし二作目が出ず、奇行に走り早死にすることに。そこで気になる謎があります。当...

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本物の芸術作品が気持ち悪いのはどういうことか

芸術作品の特徴に、気持ち悪さがあります。違和感があり、かすかに不快で、少し気味が悪い。強い不快ではなく、軽い不快。現代人が本物の芸術にイマイチなじめない大きい理由は、作品の独特の感じ悪さです。たぶん贈り物には使えないでしょう。「芸術は気持ちがよくて快適感があり、心すっきり気分ウキウキ、明るく陽気で、よどみなくハッピー」と期待した人は、本当の芸術に接してがくんとマイナス方向にショックを受けます。こん...

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画家や彫刻家はシンデレラになれるのか

外国の美術展に参加するアーティストに、大事な注意事項があります。美術にシンデレラ現象はないというのも、そのひとつです。一晩で出世はできません。シンデレラ現象は、他のジャンルでは実際に起きています。ジャズ音楽ではキャノンボール・アダレイ、ロックではオールマン・ブラザーズ・バンドやサンタナ。ミュージカルでも、一夜でスターというアメリカンドリームがたまにありました。しかし絵画や彫刻では起きません。世間の...

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絵画は実験であるとはどういう意味なのか

「絵画の実験と言うが、実験ではなく本番を見せて欲しい」という意見があります。言葉尻をとらえた中二病的な言い方にも聞こえてしまい、どこまで本気なのかはわからず。実験アートという言葉。これは既成の概念から外れた、突飛な作品を連想させます。たとえばお客が美術館の展示室に入ってみると、清掃員がまだ掃除中だった。あれっと思って外に出ようとしたら、そこでの一部始終が実はアートなのだという。清掃員を見ると、現職...

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ヨーロッパとアメリカのアートの違いは何か

欧米のアートと言えば、イメージは何となく決まります。しかし実は、欧と米に大きい違いがあります。アメリカの現代アートは概してポップで、俗悪な目立ち方の突出が現代らしさを誇っています。アメリカの近代美術史は、具象に執着し続けた日本と似た事情でした。アメリカ移民の保守的な面に起因するものです。アメリカ人は破天荒なリベラルに思えますが、内部ではヨーロッパのコピーにとどまったのが近代まで。マルセル・デュシャ...

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芸術論はイデオロギーなのか違うのか

大学生は思弁的、観念的な語に接する機会が増えます。新たに耳にした知的な言葉を、現実社会に当てはめたくなるものです。今ふうに言えば大二病みたいな感じで、人生のワンステップなのでしょう。大学でちょっと耳にした話で思い出したのは、芸術とは何なのかの論争を、イデオロギーの闘いだと解釈してしゃべる者がいたことです。そうならば、「絵画芸術の本質はデッサンの腕である」という考えは、果たしてイデオロギーなのか。イ...

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ゴッホの美しい絵を黙殺した当時を恨むのは正義か

「あれほど美しい絵をかくゴッホを認めなかった、当時の人たちを恨みます」。ゴッホ展へ行った人に多い、感動の第一声。同じ思いになった人は、昔から非常に多かったのです。演劇のテーマにあったほど。これほど優れた絵を、なぜ誰もが無視したのか?という憤りです。2枚の写真は、1887年に描かれた絵です。両方とも同じ年の作品。上がムーア作、下がゴッホ作。仮に2枚とも同じ公募展に並べば、どちらに金賞を授与しますか。...

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世界で一番理解されていない現代アートはこれだ

日本に限らず、最も誤解されている現代アートは『泉』でしょう。あの便器。「現代美術を理解できるサイト」の題材に、便器アートがよく出てきます。「アートは何でもありだと、いいかげん認めなさい」「時代について来なさい」と、説き伏せるための切り札が便器作品だという。あるアーティストが美術の既成の概念を超えようと、市販の便器を彫刻作品に仕立てたという、一般に流布する創造物語は一応つくり話です。動機も違うし、訳...

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公募展の大賞受賞作を外国へ持参しても売れない原因

欧米の大規模美術展覧会のほとんどは、アートフェアです。美術を売買する見本市やバザー。対して日本で圧倒的に多いのは、公募コンテスト展です。フランス語でコンクール。予選通過を入選として展示し、そこから入賞や特賞を出す合格発表の場。落選作はすぐ返品して。内容はアートフェアの方が充実しています。その理由は、出品する作者たちの対戦相手が違うからです。何と戦うかの規模に、実は大きい差があります。戦いの規模に。...

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シュールレアリスムで出尽くした現代美術のアイデア

「キャンバス画はもう古いから排除して、これからの時代はガラクタを積み上げよう」と叫んで、インスターレーションが日本のギャラリーを席巻したのは1980年代でした。好景気へと少しずつ向かうあの頃。日本中が明るくて夢があった時代。今とは違う雰囲気。ビギナーたちは粗大ゴミに斬新を感じ、美術の最終形キターと大感激。現代の創造が、従来の小難しい美術を駆逐したぞと。まさかすたれるとは思わず。潮目が変わったのは、...

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電子書籍の定額読み放題サービスが割安でお得

電子書籍はクラウド方式でサーバー配信する電子データで、体積や重量はありません。家に置き場所が不要で、引っ越し荷物にならない利点。しかも本を一冊単位で買う以外に、定額で読み放題のサービスも用意されています。昔の貸本屋よりもずっと豊富な品ぞろえで。紙製本の時代よりはるかに安い金額を払えば、PCやスマートフォンで百万冊を片っ端に読めるから、巨大な図書館の会員みたいな感じ。立ち読みもできて、少し読んで難し...

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絵になっている絵は非創造的という理屈が行動にならない悲哀

頭でわかっても、ついて行けない現実。「絵になっている」と好感を持つ絵は、記憶にある絵です。パターン認識が脳内で一致するイメージの親近性。既視感が縁故となり、作品に親しみが起きるのが、既成の概念の本来の意味です。脳は元来オリジナルが嫌い。絵になっている感慨は後向きであり、創造性とは逆方向です。古い部分がウケて、新規の部分がウケない脳の宿命というか。音楽コンサートでニューアルバムの曲を演奏しても盛り上...

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芸術論に客観性や主観性はあるのか

ネットに限らず、主観を悪とする言い方を目にしませんか。たとえば、「それは単に君の主観にすぎない」「その意見は主観的すぎて許されない」という言い方。他者の主張を退ける時に、内容が主観的だとして失格にする。日本に特有の感覚で、いわゆる事大主義と表裏一体。主観と客観に触れた章が本書にあります。芸術の価値で最大のツボは、価値が固定しない点だから。「客観的にみて正しい」は論理学的に不正です。「主観的な考え」...

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売り絵という名のちょっとおもしろい世界

美術ギャラリーの展示の合間や空きスペースで、キャンバス画の小品を在庫販売していることがあります。そこで見た同じ絵が、よそのギャラリーにも置いてあることがあります。同じ絵があちこちにある。画家が同じ絵を2枚以上まとめてかいて、複数のギャラリーで委託販売しています。これがいわゆる「売り絵」です。『ヨットが浮かぶ海』や『草原の小屋と大木』など、日本人好みの風景画が多いようです。手作業なので、同じ絵でも少...

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具象と抽象のどちらともいえてしまう素材質感絵画

前に「具象画の正体は、実は抽象画でした」という、達観したような結論を出しました。話を一般常識に戻すと、具象画と抽象画の両方にまたがる絵もあります。具象ともいえて、抽象ともいえる、両論が成り立つ絵が現実に存在します。代表例は、素材質感絵画です。これは土壁みたいな絵。たとえば古い家があるとします。その家の外壁が風雨で傷んで、ガサガサ荒れて崩れ始めている、その質感や肌触り感を再現したような絵です。画材は...

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どこからどこまでを現代美術と呼ぶかは範囲が二つある

現代美術という語は、範囲が二とおりあります。日本ではモダンアートは近代美術、コンテンポラリーアートは現代美術です。1960年前後のポップアート以降を、現代カテゴリーとするのが日本での一般論。ところが、英語でモダンアートは現代美術、コンテンポラリーアートは今の美術です。整理すると、モダンは日本で近代、英語では現代。コンテンポラリーは日本では現代、英語で現今。完全一致しないから、日英の翻訳で調整が必要...

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ゴッホに無理解な19世紀の人々は情けないやつらだったのか

ゴッホの絵に感動した人に、よくある声。「これほど美しく素晴らしい絵を、なぜ同時代の人たちが評価しなかったのかが、僕には理解できません」「ゴッホの時代の人たちは情けない」。もっと昔には、「ゴッホと同時代の人を憎みます」と語り出す舞台演劇もありました。しかし、今はそれほど違うのかという視点もあります。百年以上過ぎた現代にも新作展は盛んで、絵画や彫刻や環境作品が並びます。今の新作をリアルタイムに見る現代...

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