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Category鑑賞者は悪くない 1/1

らしくないジャズのベニー・ゴルソンのようなアート

今日から3日間は東京JAZZ。夏の最後の音楽祭。そこで披露される「コンテンポラリージャズ」の基盤にある「モダンジャズ」は、主に1950年代のジャズ黄金時代の音楽です。現代美術の前身の近代美術みたいな感じ。当時「ハードバップ」の名がつきました。これはダメ用語でした。ハードと呼んでもギンギンでなく、ラッパがのんびり鳴るだるい曲も多いから、語感が合わず。ドビュッシーの印象派音楽よりひどい。そのモダンジャ...

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素人が首をかしげた素朴な意見を発端とした美術本

プロなら誰でも、素人に言われたくないことがあります。サッカーだと「あれなら僕が蹴っても入っていた」「勝っていたのに負けて情けないなあ」など。簡単に言われたくない思いは、たぶん医療や介護業務などでも多いのでしょう。大物画家が素人に言われて一日くさった話があります。「これは全然わからないから悪い絵だ」。それを美術評論家に言われたのなら、相手の限界が知れてしてやったり。なのに、美術と無縁のおじさんにペラ...

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サッカーワールドカップとルミ子二千試合観戦効果

著者はサッカーに関してプロの視点は持たず、素人から出ていません。テレビがないので中継放送とは無縁で、年間二千試合を見るルミ子先生にはるか及ばず、動画サイトでチェックする程度です。だから試合の見え方が異なります。よくある不思議体験は、日本代表が負けた試合です。試合後にサポーターが「全く動けていない」「ボールが入る気がしない」「最悪」「こいつら全員いらない」と、日本チームをけなします。アンチは「日本人...

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芸術の特徴は表現の裂け目であるという新説で増補

本書の第8巻は二度増補し、三度目の題名です。最初は『芸術は手で作らず目で作る』(9編)。『東日本大震災の幽霊と芸術の霊的なもの』(13編)から、『芸術の特徴は表現の裂け目である』(15編)と変えました。この8巻には美術の入門的な説明は減り、比較的新しい事件に芸術の論理を引っかけた読み物ふう問答が増えています。テレビ番組がつまらない、一夜で白髪になる、STAP細胞はあるのか、ブラックボックス展は問題...

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現代アートがアカデミズムの地位に昇進する期待?

本書は最近の作ではなく、はるか昔のバブル好景気より前に始めたもので、当時の懇談の記録が中心です。当時、世の美術評論は威張っていました。極度の上から目線が一般的で。作らない評論家は、抽象画をしきりに叩いたものです。当時の抽象アートは国民の敵に扱われました。議会などの議論。「皆がわからない現代彫刻を税金で置いて、責任を取れますか?」などと。新し物好きの首長さんは追われ、母子銅像などに差し替えられて。や...

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ジダーノフ批判とは誰が何をどうこきおろした批判か

『ジダーノフ批判』なる語を聞きます。ソヴィエト連邦政府が1948年に始めた、芸術の検閲と指導です。国内アーティストたちの20世紀アヴァンギャルド芸術をやめさせ、社会主義リアリズムへ転向させたプロパガンダ。このジダーノフ批判への批判が珍しいのはなぜか。クラシック音楽界のいきさつが記録され、ショスタコーヴィチの作風をソ連政府がヘイトしたプラウダ批判の、続編と考えられます。民族的で伝統的な作風へ戻させ、...

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現代アートのアカデミズム化とカルト化

本書は美術の見方を習得する教科書ではなく、美術がわからない原因を解き明かすミステリー本です。焦点のひとつは、現代美術が日本で特殊化している事態です。現代美術が一般化せず、敬遠の敬意を受ける点。一般化していないから、一般には売れない作品たち。現代美術の見方を教える本や説明記事は、次のような論調です。「現代美術がわからない人は、頭が古くて固くて価値観が後向きなのである」「だから新しい現代感覚について行...

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芸術は人類のロストテクノロジーになっていないか

本書は「現代美術がわかる」系に多い「視野を広げなさい」という説教をやりません。理由は文明の大進歩と並行して、文化がやせ衰えていく背景を感じているからです。芸術の衰弱が、ヒトという種に起きている疑いです。誰も免れないし、著者も含まれるであろうから。時間とともに、よりゆるい作品を作る作者と、よりゆるい作品に好感を持つ鑑賞者が、同時に増えている疑いです。というのは、大昔の作品ほどビシッとキレて彫りが深く...

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抽象画がつまらないと感じる無理もない理由

現代美術がわからない問題の核心は、三大画家タイプの7億ピカソと、ダダ運動タイプの7億トラクターを分別しない混沌もありました。一応は美術界の失敗でした。それとは全く別の問題に、抽象アートがあります。この本の中で、抽象は何度も何度も切り口を変えて説明しています。なぜそこに重点を置くかは、具象と抽象の違いはそれ自体が抽象思考だからです。「抽象」の語も抽象語だし。これは脳のはたらきの問題ともいえて、今世紀...

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世のアーティストたちは本当に芸術をわかっているのか

美術入門者の中で深く考えるタイプは、こう感じたのです。「美術界がわからない」と。作品よりも美術界。業界自体がよくわからない世界だなあと。美術界は何を信条として、いったい何屋さんなのかと。アートの概念とアーティストの定義を広げることへの執着は何か。実はアーティスト自身がピカソがわからなかったせいで、横へ流れているのではないか、という疑惑です。このタブーともいえる疑いが可能になる根拠は、アートの意味を...

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アート作品の理解とはマルをつける意味なのか

「わかる」とはどうなることなのか、本書で少し触れています。少しにとどめたのは、細かい話に向かうと哲学的な突き詰め方になって、日常の感覚から離れてしまうからでした。先進国中で日本の最大の問題は、アートを特殊領域に追いやっている点なのだから。ここで今「わかる」とは別の「理解する」の意味について、本書にない話題を用意しました。作品を理解するというのは、そのまま「いいね」をポチっと押すナイス表明とは限らな...

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出版時にはうまく書けなかった現代美術の閉じた空気

この本を出した時点では、うまく書けなかった話があります。美術特有の閉じた空気です。たとえばネット上にアート専門サイトがあります。画家やギャラリーや美術館へのリンクが並んだ、2000年代半ばに流行った相互リンクサイトなどもそう。その集合体の雰囲気は内向きです。美術界の内向的な気分が伝わってきて。どこで切ってもアート界の内輪、好事家や同人の集いを思わせて。部外の一般読者が立ち寄っても、その空気自体に壁...

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