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芸術は難しい現代美術はわからない抽象絵画はちょっと・謎を理解する質問回答

美術がわからない原因を解き明かす世界初の試み。作品の意味とは?。価値とは?。画家は何を考えているのか。誰がアートをわからなくした?。ネットの理解法は正解か?。一番役立つ情報は何か?。芸術は人間に必要?。現代アートとは何?。人類の文化に何が起きている?。高度情報化ハイテク文明と芸術の関係は?。

絵が上手でも世界の巨匠に遠い理由【ロックギターの神に聞く】

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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
動画サイトにギター教室の先生の演奏がたくさん出ています。エレクトリックギターで、色々な技法のお手本を示しています。ハーモニックスとか、両手の指で同時にはじくとか、ものすごい速弾きや、細かいバッキングストロークも説明してみせます。

何でこんなにうまいのかと意見が集まります。ここまで弾けたら夢のようだという声。世界一だという声。一方同じ動画サイトに、往年の英国ロックギタリストがデモ演奏する映像がありました。「僕はこんなふうに弾いてきたのさ」と技を披露してみせます。

「ずいぶんへただなあ」というリスナーの声。この程度の人だったっけと。世界の十指に入り、三大ギタリストと称賛されたスーパースターが雑に聴こえて、行き届かない演奏にがっかりした声が続きます。これはいったいどういうことでしょう。

往年の天才が歳をとって衰えたのか。伸びてきた後輩に抜かれた世代交替か。実は簡単な話で、彼らは演奏が上手でスターに君臨したわけではないのです。作曲と編曲がおもしろくて充実しているから、レコードがヒットしてスターになったのです。

つまり曲の充実と、演奏技術の高さは別です。世界のロックギターの原点、アメリカのジミ・ヘンドリックスも、上手なイメージではありません。作編曲と革新的な新技法が評価されたのです。正確に音を出す教官並みの模範演奏ぶりを評価されたナンバーワンではなくて。

絵画教室の先生の絵と、ゴッホの絵の差が似ているでしょう。ゴッホは絵が上手だからではなく、絵が変わっているから巨匠とされたのです。ところが現代人は、絵が上手な順番で巨匠になるのだろうという先入観を持って鑑賞に挑むから、首をかしげ続けてしまうわけです。
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高級筆ファンと油彩画制作画材へのこだわり【セーブルって何?】

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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
画家は筆や用紙などの画材にこだわるイメージが、世間にあるかも知れません。逆に、弘法は筆を選ばずだろうと思えるかも知れません。実際には、誰もが一度は画材を色々試す時期があり、色々こることも多いのです。画材店に行けば、おもしろグッズの魅力もあります。

筆の購入時に、穂の毛がのりで固められていることがあります。油彩画ではゴワゴワした白い豚毛の筆もありますが、液状の絵具を塗るなら、油彩、アクリルとも、軟らかい馬の毛が多いようで。サイズの号数があり、おろしたての穂の直径が8号筆なら8ミリ弱、18号なら18ミリ程度です。平筆は毛の量が同じ。数字の意味がそうかは不明です。

高級筆の世界があります。8号筆で普通は1200円程度なのに、セーブル筆は19000円以上だった頃があります。そんなに高価なのはなぜか。毛皮と同じです。高級な毛皮といえば、まずミンクを浮かべるでしょう。それより何倍も高価な最高級品は、テンです。

ミンクもテンも胴長の小動物で、肉食で強じんな牙を持ち凶暴です。テンは別名がいくつもあり、マーテン、ストウト、アーミン、そしてセーブルも同じ動物の別名です。フィッシャーはそっくりの大型の別種で。最高級の毛皮の毛を使った筆が、セーブル筆というわけです。

昔画材店でたずねて、セーブル筆の根強いファンがいると聞きました。著者が絵をかいてすぐに気づいたのは、筆が普通よりも安物だとまともに描けないことでした。安価な筆は毛の太い細いが混じり、穂がすぐにばらつきます。書道のハネやハライの線が伸びず荒れます。

安価なナイロン筆も増えていますが、馬の毛にくらべて使えなかった覚えがあります。人工より天然が支持されるのは、性能に大差があるからです。画材は音楽の楽器に似て、フィーリングだけでなく結果も大きく左右します。製品がピンキリだから、弘法は筆を選ぶハメになります。
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高校より大学の数学が難しいのはなぜ【因数分解、線形代数、統計】

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大学の数学や物理を履修する人は少ないと思われ、その理由はおそらく文科系科目にくらべて難解だからでしょう。大学の一般科目の数学といえば、まず微分積分に、因数分解、線形代数、統計などです。

このうち微分積分と因数分解は高校の科目にもあるから、トンデモな公式などは新たに出現せず、見覚えのあるものが出てきます。ところが教科書の中味はけっこう複雑で、説明の後に出ている問題も容易に回答できない難問ばかりです。

同じ感覚は物理でも起きます。原理は難しくないのに、計算するとやたら難しい。チームの中で各人の答をくらべると、皆数字が違っていたりするのです。高校で学んで覚えたことの延長にすぎないのに、なぜ難易度が大きく上がるのでしょう。

大きい理由は誤差です。高校物理のテストでは、正解は12メートルとか、7.5グラムなど簡単な数字で出ます。そうなるよう最初から問題がうまく仕組んであります。これが大学の物理だと、14.5691など無限に数字が続きます。循環はせず、単に割り切れないのです。

高校では割り切れる数字が出れば「これが正解らしい」とマルの予感があり、達成感や爽快感で気持ちが上向きます。もし割り切れずに端数が続けば、どこかで計算を間違ったと自己診断できました。その勇気づけのヒントが、大学の科目ではありません。計算作業に追い風が吹かないのです。

現実の世が似ています。プロ業務もまた割り切れず、意欲低下しやすい。端数ばかりが出まくり、心理動揺してやりがいも薄れ、行動が止まります。選挙も似て、自分と完全一致する候補者を求めれば投票拒否しかありません。美術鑑賞でも、割り切れない作品がその体験をもたらしているでしょう。本当は割り切れなさが芸術なのに。
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古典美術の鑑賞は現代アートより難しい【昭和歌謡は懐古趣味か】

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昭和の歌謡曲や懐メロを耳にすると、古い時代を感じます。懐かしい面もあるし、古くさいともいえます。この現象についても、わかっていても混乱が生じやすい部分があります。当時の人が古風な曲を愛していた印象を、何となく持つからです。

実際には当時の人の耳には、新鮮で画期的で今ふうだったのです。言われてみれば誰もが納得します。昔の人はあえて古い感覚を好んだわけはないはず。後世のテクノ音楽とくらべて、昔ふうを故意に選んだわけでもなく。当時の最新鋭がその歌謡曲だったわけで。

むしろ当時の人々の実感では、「新しいだけのちゃらちゃらした音楽は取り締まれよ」「良き日本の伝統を壊す音楽には反対」ではなかったでしょうか。「新しがりも、ほどほどにしてね」と。

しかし今の人は、自分の時代感覚と混線します。「こんな古くさい曲が好きな当時の人は、懐古趣味的な後向きの性格だったのだな」と、事実と合わない実感を何となく持ってしまいやすい。

「そうじゃない、2020年に出たJポップは、1950年に出た歌謡曲と同じポジションでしょ」と理屈でわかっても、実感は伴いません。「昔の人の古い感覚」という言い方に、「今の人は古い感覚など卒業している」「今の人はパーフェクト」という誇りがあるみたいで。

それぞれの時代の先端クリエイターが、以前はなかった音楽を送り出しています。なのに後で振り返ると、「当時の人は古典をつくって愛好していた」という間違ったイメージを私たちは持ちやすいのです。時間をめぐるこの溝は、今日でも作品鑑賞の根幹に関わります。
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日本とドイツで上昇中の抽象フラッグシップ【吉祥寺の美術ギャラリー】

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東京の武蔵野市吉祥寺(きちじょうじ)で浮かべるのは、音楽のジャズバーの集中でしょう。老舗も含めて、吉祥寺駅近くに10軒前後が集まっています。今ではプロのライブ演奏も増えているようで、酒類が中心のジャズバーというわけです。ニューヨークふうの気分。

前身は1970年代のジャズ喫茶で、コーヒー一杯でレコードから一曲をリクエストするあれ。モダンジャズの名曲や新曲を、大型スピーカーシステムで聴く趣向でした。アメリカJBL社の15インチ低音用2発と、4インチ中音用が鳴らす、ゴリゴリした厚いサウンドが当時は一番人気でした。

その吉祥寺にある画廊で、個展がよい手応えだったと聞きました。銀座より少ないお客でもよい感じで、「難しい絵」も売れたらしい。昭和の「アートの街づくり」を思い出しました。今の現代アートフェスティバルと少し違い、美術が日常化を目指していた頃です。

現代アートがハレの場を前提として、日常には顔を出さない傾向が日本美術の特殊化です。「美術は普段は不要で、たまに特別イベントに行く程度」と、殿堂のハイカルチャーに高止まりしている状態です。これだと、日常的な市場を求めて美術家は海外へ出てしまいます。

欧米のアートは日常的に売買されていて、日本の街もそうしなければと思い。23区の外にある吉祥寺もいいねと感じました。

最近この絵画を手にしました。ドイツでは好評で「日本では売れないがドイツでは売れる」の好例と思いきや、日本にも買う人が増え始めたそうです。となれば、後は景気を上げる財政出動で、節約疲れを脱するのみか。
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昔の人は芸術作品を理解していた?【ゴッホを難しく感じたのは誰か】

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よくある言い方。「僕は凡人だから難しい芸術はわかりません」。この言い方の裏には、普通でない超越した世界が芸術だという見立てがあります。そんな面もあるのですが、作品の超越にはじき飛ばされたと自分で感じた人はまれです。

例によってゴッホ絵画で考えると、周囲も画壇も画商も「わけがわかんない」「ぶっ飛んでる」「僕はついて行けねえ」の反応ではなかったのです。「ゴッホとかいうやつの絵はどれだって」「あ、それがそう?、全然だめね」「へたすぎ」。「しょうもな」で終わっているのです。

「僕の理解を超えている」と、ぶっ飛んでなんかいません。むしろ反対に、ゴッホは話にならないと、当時見た人はしっかりと理解しているのです。「理解を超えていたゴッホ」の指摘は人々の実感と違う。周囲は理解した自分を体験しています。

ピカソのように大勢があぜんとした絵画でさえ、「難しくてわからん」の反応ではなく「狂っている」でした。鑑賞客は自分のふがいなさを実感はしません。理解力のない僕ではなく、変な画家と感じたまでの話です。「芸術は理解されない」という言い方は、何か違うのです。

全ての一部始終は、後世になって解明されるわけです。今になって昔を見返した感覚は、今現在に対しては全く応用できません。今出てきた新興作品を見る時に、やっぱり私たちは排撃して終わるのです。その排撃する人は、「芸術がわからない僕」を自覚はしたりしません。

それを裏づけるように、日本でにぎわうのは古典美術です。もう終わって答が出た分野に人が集まります。現代美術で人を集めるには、特別な話題性が求められ、タレントのゲスト出演などに依存しがちです。結局はわかるかどうかは売れ行きに表れ、売れない国はわかっていない国と想像します。
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グレタさんの国連低炭素社会演説【対ジェノサイドの正義漢ヒトラー】

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善悪の区別は難しいという芸術的な悩み。スウェーデンのグレタさんの「経済優先を捨て、二酸化炭素をゼロにしたまえ」。少年少女は大賛成でも、大人たちが続かないのは金だと言っても意味が違っていて。お金イコール命である現実を知るせいもあります。地球は間氷期で、寒冷化対策が先決との科学知識は別にして。

経済成長を止めれば当然貧困化しますが、人類が等しく貧困化はしません。弱者にしわよせが集中します。経済がマイナス成長だと人口が減りますが、被害国は片寄ります。ジェノサイド(民族消去)が浮かんだ大人もいるでしょう。

経済縮小して世界70億人を50億人に減らせば、地球の汚れは明確に減るでしょう。ただ地球を汚すなと言う者は、自分は生き残る側にいる前提と思われます。「僕は今日遺体となり、命を捧げて温室効果ガスを削減します」と言わない身で、経済を止めろと言いにくいのです。

他人の生命が削減されるのはかまわないのでは、「今だけ、カネだけ、自分だけ」と変わりません。闘争や共食いをけしかけて、わが身はぬくぬくはだめ。飛行機に乗っても許される地位を決めるなら、結局は優生思想です。19人刺殺が優生思想の典型でした。

優生思想へ傾斜したナチスのヒトラーも、やはり正論をぶって国際社会から拍手を受けたスタートでした。ヒトラーは役に立つ人間と立たない人間を分ける、きっちりした正義の人でした。変態的な美術を集め焼却するイベントを開催し、ゴッホも含まれました。

戦後の日本は、資源エネルギーを費やし工業力で儲けました。そのお金を国連など国際団体に拠出し、アジアやアフリカへの政府援助で子どもの死を減らしてきました。日本が途上国に贈ってきたお金を、先進国が欲しがる時代なのか。元は原発推進目的だった二酸化炭素ビジネスが、どう変転するかも気になります。
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振り込め詐欺と日本経済のおもしろい、くない関係【国の無駄づかい】

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勘違いしている人の浮きっぷりはすさまじいもので、平成以降の日本は二つの現象が浮き立っています。ひとつは振り込め詐欺です。筋書きの一切が虚構で、事実は一カ所もないのに、当人は必死すぎて周囲はどうしてよいやら。

銀行でまとまった大金を下ろした親がいました。振り込め詐欺の特徴を見抜いた銀行員は、それは息子でなくニセ者だと疑ったのです。しかし親は疑われた怒りと息子への思いで、銀行員に殴りかかって結局振り込んだ実話がありました。親の実感としては「あんたは思い込みが激しい銀行員だよ」「ったく失礼な」。

別のケースで、パトロール中の警官が「それは怪しいから少し話を聞きませんか」と言い寄ると、警官を突き飛ばして入金しようとした人もいたそう。「何も知らないポリ公が」「権力の横暴」と怒り心頭。勘違いした人の思い込みは、勘違いしていない人の予想を超えます。

結局だまし取られた親は、ふさぎ込んでうつ病や認知症となり、精神科に入院したり自殺や急病死しているとの統計がありました。だまされている最中の人たちが本気で地獄へ突き進む力強さは、日本の経済停滞でも同じことがいえるでしょう。

「日本の貧困の解決には、もっともっと経費削減して、国の無駄をなくせ」と国民は殺気立ち始めました。お金を使わないせいで貧困化したのに、振り込め以上の哀れな笑い話です。国の出費(国債発行)が民間への貨幣注入となる基本原理を知らない人たちが、本気で地獄へ突き進む力強さ。勘違いしている人の浮きっぷりはすさまじい。

これは足の凍傷が悪化した人に、「冷水では手ぬるいからドライアイスで冷やせ」と同じ。とことん無駄を減らしたから、とことん貧困化したのに、事実と統計数字に殴りかかり、突き飛ばして悪化させるよう叫ぶ人の顔は怖すぎ。勘違いしている人の浮きっぷりはすさまじい。
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経済と芸術のミクロとマクロ【個性はミクロ、表現の裂け目はマクロ】

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ミクロ経済では、お金は使えばどんどん減る。マクロ経済では反対に、使えばどんどん増える。この違いを知っていれば国は発展し、知らないと衰退します。現状はもちろん後者。「日本で僕はどう浮上できるか」と「日本を僕はどう浮上できるか」。ミクロとマクロは大違いです。

ミクロは利己的ミーイズム、マクロは公益的ソーシャリズム。個と全体は、とるべき行動がしばしば逆です。典型は節約で、出費を削減すれば自分は守れても、社会全体は縮小して崩壊します。著者はテレビを持ちませんが、他の全員が真似すればテレビ放送文化は崩壊します。だから他人にすすめません。

「消費税で生活が苦しくなる」「いや自分は益税で儲かるから賛成」。これがミクロ経済の議論です。マクロ経済の議論はこうです。「消費税を上げれば経済縮小し、国力が低下し国際地位が低下し属国となる」。国力が低下した結果の一例に、拉致被害の単独解決不能がありました。核に立ち向かえたのは、札束を生む工業力でした。

貧困化して、沖縄県の税収が減りピンチになる。首里城の件ではなく。他国が沖縄県への出資を提案すれば、知事は日本から離脱を考えます。出資国が沖縄を領土として得るわけで、アラスカはそうしてロシアからアメリカへ移籍済みでした。貧乏国は面積が減る。これもマクロ経済。

「消費税が2、3パーセント上がっても、大差はないし死にはしない」がミクロ現象です。「消費税を上げるたびに他国が日本企業を買う」がマクロ現象です。不況への対策で「若者は人一倍勉強して上を目指せ」と政治家が言えば世も末。それミクロの論理だから。他人を倒して万歳がミクロ視点。倒れた数だけ国が傾くのがマクロ視点。

美術にもミクロとマクロの違いがあります。個性の創出はミクロの課題ですが、時の審判を経た名作の「表現の裂け目」はマクロの特徴です。ミクロとマクロ、部分と全体で異なる行動原理は、社会的な生物に特徴的であり、区別すれば物ごとの観察がおもしろい。
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映画の名画にもある偶然のハプニング【絵画芸術の表現の裂け目】

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最近は減った見方かも知れませんが、一昔前の画家への賛美で多かったのは「作品の全てに考えが行き届いている」。巨匠画家は全知全能で、作品の一切をコントロールしきっている前提だという。超人的な才人への敬愛ですが。んなわけないでしょ。

制作中のハプニングで、偶然傑作へと転んだ歴史名画が多くあります。画家はそうしたくなかったのに、不本意でそうなったから歴史に残ったという結末です。もし思ったとおりに作れていれば、平凡に流れていたと思わしきケースです。セザンヌの名画にもありました。

名画といっても、映画でもそれが意外にあるみたいです。海外でつくられたおもしろ動画に、映画撮影時のたまたまのNGシーンが、本番に採用された例を集めた映像がありました。「あれか」と思われるかも。

俳優が物を取り出して相手に見せるシーンで、オットーと落としそうになり、画面の下方でつかみ直して何とか見せたとか。美女が挑発的な踊りでバランスを崩して転び、見つめる男の俳優が一瞬立ち上がったプチ事故とか。集団で笑う場面で止まらず、本物の爆笑になったとか。

脚本から脱線した失敗映像ですが、「こっちがおもろい」と監督が判断してOKテイクになったのです。演技ではない本物の実録場面だから、迫真性が割り増しされた効果で名場面になりました。これも一種の表現の裂け目といえるでしょう。

絵画でも「変になってしまったが、かえってよい結果だ」という判断はよくあります。失敗を直すこと以上に、失敗を採用する判断力に創造性が出やすいのです。自分の思うとおり、納得するとおりに作りきれば、かえって特別な領域には届かない。芸術家は全知全能の神などでなく、偶発を味方につける柔軟性でやりくりし、だから失敗も多いのです。
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シロアリとオレオレと日本の借金1100兆円【詐欺被害者の自信満々】

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ありもしない危機で騒ぎ、相手の不安をあおり手玉に取る。だましやすいのは「シロアリ詐欺」「オレオレ詐欺」「日本の借金詐欺」の三つ。ひとつめは、業者が持参したシロアリをお客の家の床下にまいて、拾い上げて家人を焦らせ、高額な土台工事の契約を迫る手口です。

二つめは高齢者に電話をかけ、息子の俺は会社の小切手を紛失し、賠償しないと会社をクビになるからと親を焦らせ、送金を迫る。三つめは、一人870万円、合計1100兆円という国の借金を早く返さないと、子孫が地獄に落ちるぞと国民を焦らせ、所得を吐き出させる。

シロアリやオレオレにくらべて、1100兆円に簡単にだまされる最大の原因は、事大主義の国民性です。シロアリ業者や息子より、国会議員は地位が高い。偉い人が嘘をついたり詐欺をやるわけがないと見込む、その身分差別意識を狙って、つけ込むうまい手口です。

事大主義は美術展覧会の方式にも表れ、世界で日本だけがアートフェア方式よりコンテスト方式が圧倒的に多い。市民同士の横の声より、上から降りてくる天の声に指導的役割を期待し、好感と信頼を抱き依存する行動規範です。世界は日本とは逆で、コンテストでなく販売会です。

国の借金とは政府負債を指し、その規模が国民の財産規模にほぼ等しいのです。偶然の数字の一致ではなく、お金がぐるぐる循環しているから当然です。政府負債が大きいほど経済大国です。国の借金?、ではない政府負債は順調に増やし続けるのが正しく、もし返すと国民のサイフは空っぽとなり餓死する理屈です。

政府が国民にウソをついて、資産を巻き上げポイ捨てする。その動機としてよく言われるのは国際金融コンツェルン、俗称ディープ・ステートの国家買収取引です。一国を衰退させ、土地や企業や技術や特許を国際ファンドに安く売らせるプログラム。空港や水道から美術名画も。日本国民は貧困を清貧ととらえ、喜んで衰退に応じるありさま。

→ レントシーキングという隠れ流行語
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教育と洗脳の違いは何か【聖徳太子と縄文時代と国税財源論】

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教育は洗脳と同じです。わずかな違いさえなく、完全に同じ。たとえばある世代以上の日本人は、聖徳太子という人物がいたと思っています。そう学校で教わったから。教科書で覚えたから。しかしこれとて、永遠の真理でもありません。

今日では聖徳太子は、天武天皇が厩戸王(うまやとおう)を付加価値で超人化した、架空の人物とされます。物語化された賢人である蓋然性が高いらしく。こうして昔の常識が後で変わることは多く、世代で常識が異なります。神隠しは昔は天狗。今は幼児性愛者による誘拐も多い。

日本史で縄文時代は狩猟採取で、弥生時代は稲作と習った国民が多いはず。ところが縄文時代が稲作文化だとはすでにわかっていて、荒々しい原始人のイメージは薄れています。新しい研究成果を知るか知らないかで、歴史認識は全く違うでしょう。

一方、社会科教科書の間違いで、税金を誤解した国民が多いそうです。著者は習っていないから「国税は財源ではなく、物価変動の防止が目的で集める」と聞けば、「そうでしょ、円は日本政府が増刷できるから、お金がない訴えは狂言でしょ」。しかしひとたび洗脳されると、理屈を受けつけないのが人間の悲しさ。カルト教団のケースと同じ。

学校の科目の中でも芸術系、美術、音楽、書道などは、なかなか教育になじまなかった過去があります。知的好奇心へ向かう以前に、高尚さが刷り込まれました。先生も生徒もアートを見上げる心構えが強いのは、業界の重鎮を賛美する教科書を目にした洗脳効果か。

音楽ではコンサート鑑賞やバンド演奏で、教科書の堅苦しさから出る共通目標がみられます。しかし美術だと、課外活動でもやっぱり高尚になる傾向に注目できます。音楽より美術の方がより堅苦しいのはなぜか、古くから首をかしげられてきた疑問です。
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法人税の誤解を著名人も広めていた【所得税の経費と消費税】

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国民の99パーセントが完全に誤解しているのがお金(貨幣、マネー)の機能で、96パーセント程度は消費税を全く誤解。では法人税の誤解はどうか。少し前に法人税の説明を完全に間違った動画が人気でした。「よく理解できました」という読者の声が怖い。それ誤解だから。

皆さんも払う所得税と、縁のない法人税。二つはかなり違います。簡単に言えば、所得税では家族が食べるケーキ代は経費計上できないのに、法人税では社員が食べるケーキ代は経費となるのです。法人税は負担がとても小さく、企業の痛みになるわけがない。

家庭では、所得税をとられた残りのお金でケーキを買います。ところが企業では、ケーキを買った残りのお金に法人税がかかります。法人税は企業活動に要した経費を何もかも支払った、最後の最後の最後の最後に残った純利益にかかるからです。だから次の指摘は全く間違いです。

「法人税を払うために社員の給料を減らすはめになる」「法人税が上がると小さい社屋へ引っ越すはめに」「シャープペンやカッターも社員の自腹で買うはめに」「商品価格を上げるはめに」「使えるお金が少なくなる」。全部ウソ。所得税とごっちゃにした勘違いです。

企業が社員給料、家賃、文具、新聞雑誌、家電、お菓子に多く払えば、法人税は0に近づきます。家庭でいえば、車や冷蔵庫やビールや枝豆や本箱や画集を買えば、所得税が0で済む仕様。経済産業省のアンケートで、外国へ脱出する理由に法人税を選んだ回答がわずか9パーセントでもいたのは、勘違いしている企業人がそれだけいたから。

法人税もまた芸術の誤解釈と似ています。ウソを広めて国を危うくする隠れ悪役は、発言権のある超有名人たちです。消費税を廃止したら財源がないぞと勘違いを続ける層。通貨発行権がわかれば財源の心配が頭に浮かぶわけがない。結論。度を超えた不勉強は妄想の肥やし。

→国家財政の調整法入門の本格解説ページへ
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日本の会社内で日常的に事故が目立つのはなぜ【消費税の害】

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統計で増えたかは不明ですが、様々な事故のニュースをみると、もしかしてあれかなと思うフシがあるのです。作業者が点検で機械内部に入ると、外にいた誰かがスイッチを入れて、機械が作動した悲惨な死亡事故が続いています。ホラー映画みたいな現実。

何かを分解する指示に従えば、壊すのはそれでなかった。書類を大量にコピーすると、別のページだった。出張で行けば、違う日だった。職場でのこうした事故は、意思の疎通がないからですが、著者が思い当たるのは不況が生むブラック会話です。

デフレ不況で大勢の金回りが悪くなります。2019年10月1日零時に、国民の所得は110分の108に落ちました。増税による見かけのスタグフレーションで実質賃金低下です。下がる金額以上に人々は心的ダメージを受け、デフレ圧で出費削減が激しくなります。景気がよいのは、富裕国からの観光客たちだけ。

ふところが寒いと、人間関係もギスギスします。一人一人が傷心を取り返そうと、他人にきつく当たる。八つ当たりのいわゆるブラック現象です。ブラックの動機は、人権侵害する享楽や征服感と同じで、生物学的に解釈すればエサ不足が招いた共食いです。

たとえば会社で上司にたずねます。「明日の集合は16時でしたね?」「そうだよ午後4時ちょい前に来てね」。これはインフレ好況での会話です。デフレ不況だと答え方が変わります。「明日16時でしたね?」「君は先週の説明の時に、何を聞いてたの?」。

すると部下は、確認や念押しする声かけをやめます。やがて毎日毎日、食い違いと行き違いの連続、連続、連続。そんな中小企業を見かけませんか。不仲で空回りする組織たち。上司や部下がやたらむかつくのは、お金が大事になりすぎたデフレ不況のあるある現象なのです。美術業界にもないか、確認や念押しを。
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商品レビューと口コミを信じるか【サクラ役のフェイク詐欺仕事】

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レストランや定食、ラーメン店など、全国の飲食店の情報サイトが人気です。ところがそれらを公正取引委員会が調査するそうです。きっかけは、サイト側にお金を払った料理店は採点が上がり、払うのをやめると下がった苦情です。恐喝かも知れない疑いです。

また「この店はまずい」とやぶから棒に書かれた店が、契約もない掲載を外してもらおうとしても、外さないという。これでは、デマを広めて他店を倒産に追い込めてしまうわけで、風評テロの温床になるとしても苦情があるのです。アメリカ大統領選挙のフェイク競争と同じ。

似た話は最近、NHKラジオでも伝えました。ネット通販店の口コミやレビューです。サクラを動員して星五つを山と投稿したり、ライバル店に星一つの批判レビューを連投して、業績悪化させる不正が盛んだという報道でした。買わなくても投稿できる通販大手もあったし。

実は著者に、そのサクラ役の仕事が時々来るのです。この製品をあげるというから関心ありにYESと返すと、レビューを書いてくれとの条件が追加されます。「製品を使ってから書きます」と返事すると、失格の通知が来ました。作り話の使用感想を書く仕事の依頼だったのです。

後の手口は、まずサクラが製品購入します。作り話のレビューを投稿すると、不良品扱いで返金されます。しかし製品は返さないで、開封せずにオークションに流して換金する段取りです。デフレ不況ニッポンで、詐欺で食いつなぐ国民が激増した闇社会の定着といえるでしょう。売春で食いつなぐケースと似通ったパターンです。

「僕は製品レビューを話半分に受け取るから関係ない」と、情報強者は自慢します。でも、半分もだまされているなら大きい。だまされていない自信が強いほど、より完ぺきにだまされた状態なのかも。風評に染められない賢人なんて、もう存在できないほどの情報化時代です。
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環境大臣のセクシー発言とメタファー暗喩【国連会議の気候変動】

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メタファーの語はデザインの分野で割とよく使われます。日本語で暗喩(あんゆ)と言えば難しいイメージですが、メタファーのわかりやすい例は、あの下ネタです。電気や電子関係の配線をつなぐ接続プラグ。

多くのコネクター類でオスとメスと呼びます。USBケーブルは両端がオスとオスが接続用で、オスとメスは延長用です。他のどんな言い方に変えるよりも意味が確実に伝わり、ミスや事故が防げます。操作も押すと召す。

国連の国際会議で、日本の環境大臣が「気候変動のような大きな問題は楽しくクールでセクシーに取り組むべき」と言い、世界で「何それ」の反応になりました。日本では怒った人が多く炎上状態でした。

セクシュアルな何かで、頭がいっぱいになっている個人的な事情かと思いきや、国連気候変動枠組条約機構の前事務局長が「セクシー」の語を連発していた、その反復引用が真相だそうで。直前に気に入った彼女の言葉を、すぐに使ってみたらしく。

英語圏でのセクシーはクールと似て「いかすじゃん」の意味に広がっているそうで、このスラングに乗じた環境大臣の発言でした。しかし多くの人が、何とか意味がつながるように一度は解釈に頭をひねった、これがメタファーの効用です。メタファーは連想ごっこに広がりやすい。

メタファーのブームは1970年代のポストモダン運動で、デザインモチーフの手がかりとして、意味表現から記号論へ広がりました。記号論とは、セクシーの語が入るだけで連想がなだれ込む、一発ヒントの効力です。連想するものが日本国内の方がよりセクシー方向となり、それで日本の反応はクールよりもホット気味でした。
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ユニクロ会長と重鎮タレントは皆がスルー【日本企業が低調な理由】

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芸能界のベテランや重鎮が、テレビやラジオのキャスターとして、孤立している様子がしばしばみられます。ラジオ番組でよく聞くのはこれ。「マイケル・ジャクソンがプリンスをフューチャーした曲」「あれは次の作品のシュミレーションだった」。

若手は正しく言っているのに、大物に限って間違いが直らず、何週か後でまた言っている。「先輩、フューチャーは未来です。前面に目立たせる意味ならフィーチャーです」「先生、シュミレーションじゃなくて、シミュレーションじゃないですか」。

なぜ誰も指摘してやらないのか。たぶん、時間がたてば不利益になるかも知れない心配でしょう。他人の誤りを正すのは、先輩が後輩に対してならできても、下がやると角が立つ。だから上は放置されます。

最近ユニクロの会長が、驚くべき意見を語りました。「国の歳費(年間予算)を半分に減らさないと、30年間落ちた日本はおしまいだ」。これは体重29キロに落ちた大人へ「カロリーを半分に減らさないと死ぬぞ」と言う警告と同じ。死が近いのは確かでも、解決策は180度逆。この誤解どおりに逆走した日本の30年でした。

予算が小さい種目ほど、五輪で弱いのと同じ。強くするなら予算を減らすのでなく増やす。30年間落ち込んだ原因は、貨幣プリンターを使い惜しむ特殊な宗教です。その正体は、基礎的財政収支均衡。国民資産を減らす新自由主義経済の宗派です。財界向けに人件費カットが主目的。

日本企業が低調なのは、客が人件費カットされて貧困だから。で、高級ファッションが落ちてユニクロが伸びたわけ。解決は政府が歳費を増やして徴税を減らし、差分の貨幣新造を巨額にすれば、貨幣量が増え商品が売れ出す。だがこの仕組みを後輩も知らず、なので指摘も不可能。
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井上陽水『傘がない』の歌詞はそんな意味?【君の家に行かなくちゃ】

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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
井上陽水のファーストアルバムの曲『傘がない』は、歌詞を誤解釈した人が多かった疑いがあります。「都会で若者の自殺が増えて新聞で報道されるが、僕の最大関心事は今日の雨であり、君の家へ行こうにも差す傘がない」という内容。

知られた曲ですが、この歌詞を批判する意見を読んだことがあります。「社会問題そっちのけで、一人の小さな恋愛感情を最優先し、自己中心に生きている新感覚の宣言である」「自分大好きを高らかに歌う、勝手気ままな若者たちのシンボル」「よくない風潮だ」。

違うでしょ?。当時も驚きました。この程度の歌詞がわからないとは。法律みたいに活字を追いかけた硬い感覚。かくも創造が通用しないのかと暗い気持ちになりました。フォークソングや歌謡曲やJポップが芸術的かは賛否もあるとして、この歌詞は芸術に多い反語表現です。

歌詞の本意は「社会を見よう」です。傘がないけど行かなくちゃと言いながら、若者の自殺が増えている件が主題です。自殺だけの歌も、雨具がないだけの歌も、ありきたりで芸術性が低い。両者を対比させた落差で、社会問題を若者と共有する意図です。反語表現を使って。

男女とも、高校以降には詩的な感覚が鋭敏になります。その層へ向けた自殺の問題提起です。学生運動時代の直後だから、プロテストソング風を消してラブソングにしたわけで。「自分中心に生きるべし」と若者に呼びかけてはいない。そもそも、自殺者と傘がない者は同世代です。

この手の解釈ミスは現代美術にも多く、ガラクタ収集作品に「ゴミをきれいと感じる美的センスはいかがなものか」などの批判がありました。違うでしょ?。美術の堅苦しさを壊すショック療法です。高尚な天上のアートを下界に降ろす意図で、殿堂にゴミをぶちまけた反語表現です。
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中国と日本の経済破綻説は何が違う【金融バブル崩壊と消費税増税】

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ネットニュースには、中華人民共和国の経済が近く破綻する記事がよく出ています。いったい何年そう言われてきたのか、いまだ破綻せず続いています。破綻という語はバズワード(定義があいまいな語)ですが、債務不履行を指します。借金が返済できないデフォルトの意味。

たとえば「ギリシャが破綻した」という、ギリシャショックは何が焦点だったか。EU加盟国は、死刑制度の廃止などの参加条件がいくつもあり、統一通貨加盟もそのひとつ。各国は自国通貨を廃止して、欧州中央銀行が発行するユーロを通貨とするルールです。

EU国内のギリシャ県というべき存在となり、ドイツ都、フランス府、スロベニア県と並びます。公務員が多すぎるギリシャは加盟時に粉飾決算していた欠格が発覚し、立て直すためにドイツからユーロを借りて、返せず破綻しました。日本でいえば夕張市が近いような。

ギリシャショックとは、ユーロ国に通貨発行権がない欠陥を知ったEUのショックなのです。自国でお金を生めない経済属国にすぎず、金欠に陥る可能性をゼロにできません。ギリシャに続きフランスやイタリアが金欠になる将来不安が、ギリシャショックの正体です。

ギリシャと違いイギリスや日本は自国通貨を発行でき、国の金欠が原理的に絶対に起きません。日本はデフレ時に減税せずに増税して22年間コケているだけ。では中国経済の破綻は、どういうコケ方か。各種デリバティブやジャンク債など、賭博金融バブル崩壊が言われます。リーマンショックと同質。

バブル後も経済成長した日本は、1997年の消費税増税でデフレ不況へと暗転。一方中国首脳は経済を理解し大型減税と人民元の大増刷で、日本が届かない月着陸やスマホ通信5Gで世界をリード。お金を宝とみて縮んだ日本と逆に、中国は投げ銭とみて生産力を高め破綻を回避。
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消費税の上げ下げと芸術の表現の裂け目【場合分けして理解】

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「場合分け」は理解の壁です。著者はOA化時代に企業でパソコン利用を指導しました。当時よく受けた質問は「何をやれば正解か」でした。「常にこうやるべし」を相手は求めてくるのです。つまり丸暗記。ドットプリンターへの用紙セット方法とか。

ところが「その場合はああやって、逆の場合はこうやる」と対処が分岐すると、理解のハードルはぐんと上がります。「要するに何をすりゃいいの?」と、ワンパターンの指示を皆さん期待するから。二パターンだと理解が遠のき、訓練期間が延びます。説明することが増えます。

消費税もそうで、物が売れすぎる時は増税し、物が売れにくいなら減税しという、場合分けした対処が万人の理解の壁です。「上げるか下げるか永遠の正解はどっち?」と「正解は一個きり」へ人々の思考は走り、条件が逆なら逆を行うという臨機応変をかみ砕くのが難しい。

絵画鑑賞法でも、具象か抽象かで見方が異なる従来方式は散々でした。具象画なら「人が馬に乗っている絵でしょ」と見破り、絵がわかる人となる。でも抽象画なら誰が何をした絵か説明できず、「僕は絵がわかりません」「芸術なんて関係ありません」と縁切りになってしまう。

具象と抽象の中間的な絵画も多いから、分岐は際限なく複雑化します。従来のこの鑑賞法は難しい以前に、着眼がおかしいと著者は考え、歴史名作に共通する特徴「表現の裂け目」を新たな着眼点としました。馬だと見破ろうとしないで、裂け目を見るべきだと。

表現の裂け目の典型例は、希望と絶望の対立です。ひとつの絵に希望と絶望の両方の表現があり、割り切れない絵になります。「きれいな絵」「ちゃんとした絵」ではなく、不穏な絵になります。嫌いとも好きともいえる、謎めいた存在になります。実例は『モナリザ』。
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