科学への反感はなぜ生まれやすいのか、夢占いのケース
2017-02-25 Sat 01:12
芸術と反対の分野は科学ですが、こちらも誤解や曲解にさらされます。たとえば夢。「何かが見つからなくて焦っている夢をみるのは、将来不安や自分探しの意味」などの、夢解釈や夢占いがよくありますね。二つとも人類の全員が常時必ず持っている深層心理である点、つまりフリーサイズ言葉なのは今は無視しましょう。

実際にこんな夢がありました。夢の中の自分が「鉄の爪」の話を出します。相手は目を丸くして「そんな物があるのですか」と驚く。実物を見せてやろうと引き出しを開けると、いくら探しても見つからずカッターナイフがあるだけ。仕方なしにカッターナイフを見せて、鉄の爪なる工具をどう説明するか考え始める自分(2017年2月8日の夢)。

「見つからない夢は自分探しです」と夢占い師が言っても、そうである裏づけはありません。解釈しようと思えば、「活躍できていない焦り」「準備が悪くスベッた後悔」「人間の引き出しが小さい悩み」「旧友と再会したい思い」「最愛の人との離別の予感」「武器を取れとの神のお告げ」など、様々に解釈できます。

占う側は「そんなのウソだよ、だってこうじゃん」と突っ込まれないよう、誰も証明できない領域で話を広げて破綻を防ぎます。肯定できない代わりに否定もされないように、論理の壁の向こうへ脱出してグレーに持ち込む。この反証不能な領域へ出る行動を指して、「科学ではない」「科学の態度と違う」「オカルト」と言うわけです。

だから科学を悪く言って否定する人が、世界中にたいへん多いのです。たとえば「病気が直る水」が商法違反で警告された時、「全世界の誰も一人も絶対に直らないことを、科学で証明できているのですか」と独特の理屈で反発が出てきたりします。科学は欲望や人情とぶつかるから、目のカタキにする人が絶えません。

怪現象や大規模陰謀も反証不能の領域で、「この説は完全否定できないから、真実と考えてもよい」の信念で回っています。たとえばSTAP細胞では、バイオ学会からの科学的な発言に対して、「宇宙の全てを知り尽くしていない者に何がわかる」「日本人を肯定しない者は日本人ではない」と知識人は批判し、科学への反感の輪が広がりました。
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