曜変天目茶碗の玉虫色の鑑定、作品を見るだけでわかるのか
2017-02-19 Sun 02:25
「作品を見れば、良さがきっとわかります」という言い方は、アートの色々な場面で出てきます。でも物を見る時に、何が目に入りどこに着目するかは、人によって異なる問題があります。

骨董品を鑑定して価格を決めるテレビ番組で、『曜変天目茶碗』が新たに発掘認定されました(ようへんてんもく、耀の字も)。中世時代に現中国の福建省の窯でつくった、偶発的な焼成釉の茶碗。逸品は、世界にある3個全てが日本の国宝だそう。4個めが個人宅から出た国宝級発見の朗報でしたが、放送後にニセモノだと疑われています。

番組どおり本物なら、オークションで推定20~100億円でしょう。制作や研究の第一人者たちの主張どおり偽物なら、1万円で2~11個買える現代の品です。本釉の窯変ではなく、色釉の混合説も。中国側の専門家は贋物とはせず、推定した現地みやげ販売業者名をあげました。

ここで注目したいのは、真贋以前に物をくらべる目のあやふやさです。何が目に映っているかが、人によって違いすぎる不安定さです。今回も「見ても僕にはわからない」「実物でない映像だけで何がわかるのか」と、見分けがつかない告白がすぐにネットに続々と書かれました。

たとえばの話ですが、映像で「犬と猫はほら違うでしょ」と言っても、「僕には同じに見える」とか「どこが違うのかさっぱり」「違うと思い込めば違って見えるのでしょ」「実物を見ないとね」と言われたような感じ。そこまで慎重になるほど、微妙な違いの話ではないのでは。

優劣以前にルックスの差も感じないのは、高尚さに緊張して気持ちが固くなったせいかも知れません。古美術の一切を嫌う声の多さは、それも関係があるのかも。近年の贋作は科学検査への対策をこらすから、目視比較する優先度は下がっていません。まあ確かに冷静に考えると、犬と猫にも決定的な差はなく、ほぼ同じなほど似ていますが・・・
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 制作インサイダー情報 | トラックバック:0 |
この記事のトラックバック
トラックバックURL