日本人の物づくり哲学とは
2017-02-13 Mon 01:35
日本の文明と文化を他国とくらべ、ほめそやす話題が何年も前から増えました。新幹線がすごいとか、コンビニのパンが最高だとか。テレビのコメンテーターは、これらは日本人が閉鎖的なナショナリズムに向かう悪い兆候だと警告しました。一方ネットでよく言われるのは、自虐史観の反動で起きた日本ヨイショだと。

素直に考えれば、不景気の日本を応援しただけのような。「景気は気」という群集心理を打開しようと、明るい話題になる日本の美点を並べてみたのでしょう。不景気は賃下げで冷えた気持ちが最大原因だし、日本は内需主導型の国だし。失われた20年の平成大不況を、話題から外して解説する評論家が多いのがむしろ問題です。

その新幹線もパンも、日本人が作る物にはある哲学が加わります。お金より大事とする理想追求です。使役で新幹線を設計し、ノルマでパンを製造するのとは少し違って、何ごとも職人ふうに。採算を考慮しながらも、より良い物をつくろうと自動的に向かう趣味みたいなもの。

富を追って、仕事を足場や踏み台に利用して上に出ようとする人生は、日本人には希薄です。ごく普通の人も仕事の中で理想を追い求め、没頭していく傾向がみられます。おそらく江戸時代からそうで、自然風土にも合った国民性でしょう。

「うどんにノーベル賞はないのでしょうか」というCMが昔ありましたが、お笑いギャグには思えません。オーバースペックが彼岸にある前提があるのです。割り切りや妥協で使い捨てて利益優先のグローバリストとは、逆の価値観でしょう。新幹線もパンも、パンを入れる袋も良くしようと。凡を安く売り抜けるのは苦手で。

身近なものを優れものに作るから、外国の人は日本に行き届いた製品が多いと感じるのでしょう。世界の上限がたくさん見つかる日本の日常。ならば身近ではない美術は世界の上限なのか、日本全体から隠れた新興の芸術作品を探しているところです。歴史名作の探訪よりも、明日生まれる新作に期待しています。
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