芸術家とはいったいどんな性格の人なのか
2017-01-14 Sat 01:14
芸術作品を理解するよりも、それを作る芸術家の方を理解すれば何とかなろうと、先回りして考えるのも有効です。しかし実はそこでも、作品を見る時と同じ先入観がじゃましています。

芸術家とは非常に細かくて、神経質な人だと思っている方は多いでしょう。普通の人が特に感じなかったり、気づいても見過ごしてしまう微妙な美に敏感だとすれば、きっと繊細な人なんだと。違うんですよ。芸術家は、細かいことに気づくタイプではなくて、おもしろいことに気づくタイプです。

たとえば街に電柱が立ち、電線が張りめぐらされて景観がとても汚い。電線を地中埋設してきれいにしなければとの信念は、芸術家の感覚とは違います。ごちゃごちゃした電線は迫力があるぞ魅力だぞと感じ、混沌とした汚濁の中に新しい形を見出すのが芸術家タイプです。気をつけて欲しいのは、これは画家ではなく芸術家の話だということ。

思ったように物ごとが運ばず道からそれた時に、その間違った道へ立ち寄ってみるのが芸術家です。予定どおりに進まない、失敗しちゃった、失敗させられちゃった、うわあひどいと損害計算と復旧に必死なのは、たぶん創造には遠いタイプ。

店員がいつもと違う料理を間違って作って来たら、作り直させることを考えるタイプは芸術じゃない。今日はそっちだと考えるタイプが芸術家肌です。画才ではなく創造才。それなら性格で美術の去就が左右されるのか?といえば、神経質タイプはやはり途中でやめやすいのです。何しろ、すれ違う相手とやっていく世界ですから。

細かい人だとする芸術家像には、職人芸のイメージが混じっています。字も共通だし、ものを作る点も共通だから、特に日本では芸術と職人芸は常に混同されます。この固定観念が現実と食い違うから、鑑賞が暗礁に乗り上げるのです。セザンヌもモディリアニも、職人の匠のわざとは違うせいで、鑑賞者はどうにもわけがわからず。
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