盗作絵画の受賞騒動が、内部分裂でも説明できてしまう件
2016-11-28 Mon 20:33
日本の絵画コンテスト展で、盗作事件が時々あります。大賞や金賞などの取り消し騒ぎ以外にも、盗作は頻発しているとも言われます。これは同じ日本で、「芸術は難しい」と言う声が多いことと関係があります。「何だって?」「どうつながるの?」と思われることでしょう。

一般論からすれば、許可なしのパクリは刑事犯罪だし、賞を盗もうとしたあつかましい悪いやっちゃと、モラルを疑う声も出てくるでしょう。盗作者の方も、元ネタ作品の撮影写真や画集を持っていても、見たことがありませんとかオマージュですと答えたりして。

そうした事後のゴタゴタはともかく、本人には悪気や罪悪感はさしてないものです。ここが大事で、悪の道に踏み込んだり魔が差した認識は希薄です。絵をかく悪い人間が、そんなに大勢いるわけもないのだし。

これは、前述した「お手本に似ていることを芸術と呼ぶ派」の行動の延長です。盗作画家は、よく聞くあの格言「芸術は模倣から始まる」を忠実に実行しています。現に普段から画集を参考に絵をかくことも多く。その世界では、優れた絵にどこまで近づけるか、そっくりに描ける確かな腕を価値とします。それを上手と呼び、地位も高いのです。

だから盗作が発覚しても、干されたり追放はありません。逆に筆の実力が証明されて、得することさえあるのです。批判や敵視にあうのは、むしろ人と違うことをやるタイプです。独自色や主張が強い画家の方が、わがまま勝手を理由に干されたり追放されるものです。

お手本を模写する力量を「芸術の創造力」と呼ぶ傾向が強いほど、盗作する風潮ができやすいメカニズムです。ちなみに芸術の内戦は20世紀フランス美術界にもあり、芸術家の身とともに創造の機運もアメリカへ流出しました。アート創造の発信源がニューヨークへ移った流れには、パリ画壇の分裂もあったのです。
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