この絵が好きか嫌いかで斬るのは、果たして芸術的なのか
2016-11-24 Thu 01:01
現代美術のガイド本によく出てくるコツに、好きな作品を見つけて相手にせよというのがあります。作品説明も読めば一点ぐらいは好きになろうから、そうして一歩ずつ進もうというアドバイスです。これは実は、典型的なアンチ芸術主義です。

昔から言われていることですが、芸術は好感が持てない領域に集中しています。「いいね作品」は芸術性が低いのが常で。これは偶然ではなく創造の性質による道理です。芸術作品は突飛や異様だったり、暗い怨念だったり狂気の沙汰で、愛される作品とは異質なものです。

日常生活でも、これと似た分岐点はあります。たとえば国会議員の選挙で美女やイケメン候補者に投票するとか、口に甘い薬だけ飲むとか。好き嫌いで斬る行動は有益な場合と逆の場合もあって、芸術の成り立ちからみるとグレーゾーンです。

つまり、本気で芸術を相手にしたいなら、許し難い作品に着目するのが正解なのです。そしてその行動は人類にとって普通に壁だから、だから芸術は難しいねという一定の結論が存在するわけです。難しいとされるものには、それなりの理由があります。

「芸術なんて簡単ですよ」が真理なら、世界的にこんなにも引っ張ることはできなかったでしょう。現実には一筋縄ではいかないから、多くがこのカテゴリーに挑戦して苦心しているわけです。変てこで感じ悪い絵をかく画家が多いのは、理由があるのです。

ヨーロッパのルネサンスの頃にも、「芸術がわかる人は限られる」というクリエイターたちのため息発言がありました。大昔から、同じすったもんだを延々と続けてきています。芸術を楽しむ意味は、美食にひたることではないのです。
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