現代アートフェスティバルの盛り上がりは何を意味するのか?
2016-09-21 Wed 04:31
アートフェスティバルが盛況です。過疎と不況の地方都市、小さな町をアートで活性化し復興させる地域おこしが、いくつも人気沸騰中。テレビやラジオでも、ブームの話題になっています。現代美術を核とする楽しいイベント、ぜひ行ってみたいもの。

過去に何度もありました。1950年代は、アクションアートの前衛芸術運動でした。60年代のブームと似るのが、80年代の「美術のまちづくり」でした。こちらは時流や雰囲気が今とも似ています。

その80年代ブームの主役はインスターレーションで、床に砂を敷き家電ゴミを置く環境作品が大流行しました。新聞紙を壁に張り巡らせたり、バケツを200個並べた作品なども。しかも、大都市から地方の町や村まで日本全土を巻き込み、行き渡った盛り上がりでした。同時に全国的となったのが、駅前やビルの公開空地に彫刻を置く運動でした。

急増したアートギャラリーやパフォーマンス広場ですが、しかし88年にはいっせいに消え始めました。いわゆるバブル好景気の数々の社会現象は、アートが去ったその後のことです。好景気の前座がアートという順序があります。

ところが、ブームの置きみやげとして国民が現代美術に開眼したり、買ったりは起きなかったのです。「現代美術はわからない」「抽象はちょっと」は相変わらず。当時のトピックはゴッホの『ひまわり』や、アメリカの高額な版画など、やっぱり具象どまりでした。

今ネットに見る本音「現代と抽象は苦手です」は正直で、あれから30年たっても日本の美術界は繁盛せずじまいなのです。こうした、現代アートイベントブームの過熱と沈静の落差もまた、日本に特有です。熱しやすく冷めやすい。日本で現代美術が空振りし続ける原因を調べて、今度こそ何かを変えたいと考えています。
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