日本人形の髪が伸び、夜に涙を流す怪談シリーズ
2016-11-03 Thu 00:54
関西の外資系テーマパークで、日本人形がお化け屋敷のホラー小物に使われ、苦情が出た不思議な事件です。家庭で不要になった日本人形を供養するために、奉納を受ける神社があるそうな。その神社が、テーマパークに日本人形を大量に貸したのが発端とされます。

この事件で初めて知ったのは、テレビスペシャル特集番組で日本人形が怪談に使われるたびに、人形を製造する業界人たちが業を煮やしていた事実です。前は聞いたことがなかった話。

1970年代から、日本人形の髪が伸びたり、涙を流した証言を再現する怪談番組が高い視聴率を誇りました。その陰で人形が嫌悪の対象になって、売れゆき不振になっていたそうです。テレビによる風評被害。たとえるなら、テレビで「わけわからん」「難しい」と言われるたびに、落ちていく現代美術みたいに。

70年代は、手品師ユリ・ゲラーを超能力者へ格上げしたテレビ局が、国民から信頼された時代でした。当時は心霊現象の謎解きはKYどころかタブーで、立ちはだかってじゃまする科学者をかわして真実を伝えるテレビの力強さに、国民が拍手喝采した時代。漫画『うしろの百太郎』『恐怖新聞』の時代。映画は『エクソシスト』や『ヘルハウス』。

古い日本人形の髪をクシでとかすと、中折りされた人毛やナイロン線がずれて、長短ふぞろいにばらつきます。郷土玩具にも同じ仕様があります。そんな構造だとは所有して初めて知るから、そこを突いた都市伝説でした。無駄に首をかしげる迷信は、真相を知らない人が支えるという一例といえるでしょう。

現代美術もまた、「難しい、わからない、ちょっと」を卒業する早道は作品実物の所有で、現に欧米はそうなっています。日本のように、わからんわからんと無駄に首をかしげません。日本人形も現代美術も、遠くから見るだけの人が迷信の中にこもってしまう傾向はあるでしょう。
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 芸術アラウンドトーク | トラックバック:0 |
この記事のトラックバック
トラックバックURL