バチスカーフとアポロはなぜ定期便や駐在基地がないか
2016-10-15 Sat 00:35
世の中には、説明が難しいものがあります。人を説得するのに話が長くなったり、報告書を何ページも書いて、方程式の答がバラバラと、最後に一気に解けるような難題さえあるし。

昔それを感じたのは、PTAの誰かが問題提起した、少年向け5段変速機つき26インチ型スポーツ自転車でした。時速20キロの自転車は、一番速い5段目のギアで変速すれば100キロ出そうだ。そんな危険な自転車は、校区で禁止すべきと訴えがあったのです。

車の免許を持つ当時の男性には笑い話ですが、さて、その理解で固まった人に簡単に説明するのは難しいのです。結局、5段変速が安全か危険かを誰もわかりやすく説明できず、各家庭にまかせるウヤムヤに流れて終わりました。

さっと説明しにくい例は、清掃直前の床にゴミをわざと捨てたり、売春が許されない理由も。科学分野ならバチスカーフとアポロはなぜ定期便や駐在基地がないかとか、最近ではコンビニの冷凍庫に人が入っちゃだめな理由もその類かも。正論のあげ足をとって、シンプルな抗弁で立てこもるのがたやすいこともあります。

5倍で100キロと受け取る自由さは、美術も同じです。「芸術とは何か」も含めて、アートは見たいように見て感じたいように感じてよいという時代の要請があります。ネットの美術マスターたちが出すアドバイス「自由に好きに見よ」は、現に広く実行されています。

その結果、難しい、わからない、ちょっと、がすっかり増えています。「好きに自由に」の結果が、市場崩壊と国勢文化力減退となれば。各家庭にまかせるウヤムヤも、ちょっとなあと感じます。
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