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事件ニュースの中に、理解できないものが時々あります。近年は爪切り事件がそうでした。介護の現場で、高齢者の足の爪を深く切った虐待があった事件。どういうことかが最後までみえない事件でした。

介護職員の女性が、爪切りで高齢女性の足の爪をうんと深く切り、痛い思いをさせ感染症も起こさせた容疑です。入所者の家族が告発し、職員は否認し続けましたが、ニュース報道はもどかしいばかり。

最大のカギとなる情報「爪を深く切るトラブルはよくあることか」を、誰も言わなかったからです。深爪は前代未聞の珍事なのか、よくあることなのか。現実に多いのなら、これまで何割が虐待で何割が過失だったのか。基礎データが何もなく、視聴者は何も感じようがありません。

容疑者の弁明も「深く切ったが虐待でない」なのか、「深く切った事実がない」なのか。争点もわからないまま繰り返しニュースが出て、その後無罪判決が伝えられておしまい。地球温暖化や飲酒運転死亡事故などと違い、世論工作者が誰一人いない利害の薄さも特徴的。

美術の教訓にもなるでしょう。ジャーナルで紹介する作品は前代未聞の珍作品か、よくある作品かは、最重要の情報です。創造物なのか違うのかの分岐で、最も有用な情報は独自路線か模倣路線かです。そこに触れずに作品だけ持ち上げても、「あっそ」の空回り報道がオチ。

爪切り事件でわかったことは、事実だけ伝えても足りないことです。よく聞く「ニュースは主観をなくし客観事実だけを伝えよ」の客観に含まれる範囲も広い。作品だけ見ればよいのだ式の美術鑑賞は、何も見えずに終わるかもと気づかされます。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?