-
スメタナ作曲の『わが祖国』の一曲で知られる『モルダウ』は、チェコ(かつてスロヴァキアと一体)のモルダウ川をモチーフとした管弦楽曲です。さだまさしが歌詞をつけて歌ったことがありました。

『モルダウ』は短調の悲しげなメロディーから、途中で何度か長調に変えて、幸福感で締める展開です。マイナー曲をラストにメジャーに転調し、ハッピーエンドで終わらせるクラシック曲は多くあります。

ポピュラーソングやロックにも多く、昭和歌謡でも最後に鳴らす一和音だけ長調で明るくした曲が意外にあります。短調イコール悲劇とも限りませんが、ガクッと長調に変えると突然晴れた気分になります。人生の後年に報われるイメージだとか。

『モルダウ』は短調から長調に変わると、曲全体がやや軽くなり粘着度も下がります。メソメソ感が消えると軽快になる。軽快にならずに重いままの転調といえば、大御所のチャイコフスキーです。

『白鳥の湖』50数曲中3曲目の『ワルツ』は、悲劇的な中間部が一気に希望へ転じます。つなぎの盛り上げと最後のはじけ方は、人類史上最も徹底した曲で、7分間が全150分の縮図になったかたち。

『くるみ割り人形』の『花のワルツ』も、かげらせ十分下げておいて、一転どーんと威勢よくひっくり返します。悲喜の落差を極大化させて、とどめのハッピーをもう一発、楽器を替えて炸裂させる。こうした一連の表現が、一枚の絵で完結できないか考えたりもします。
関連記事
スポンサーサイト
現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?