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宇佐美圭司の大作絵画が、東京大学の本郷キャンパス中央食堂に長く飾ってあったそうで、最近改築の支障になるとして廃棄処分したニュースがありました。捨てられかけたゴッホと似た事件。見落としやすいポイントは、抽象画の受難だったこと。具象画なら違う展開のはず。

宇佐美圭司のあの作風は地下鉄の路線図を連想させるデザインふうで、1980年代の雑誌記事では、液状の絵具を淡く塗り重ねて乾燥時間がかかるというインタビューでした。油絵具は塗って何日も濡れた状態なので、アクリル絵具より日数がかかります。

宇佐美圭司の絵は数百万円ともあり、独自画風でその程度なのも驚き。古典洋画の暴落を訴える相続者もいて、日本美術全体が低調です。芸能人の絵より割安なのは、国内に美術の一般市場が今もない上に、26年目のデフレ不況の最中だからでしょう。

著名な画家名を周知徹底すれば廃棄を免れた式の反省は、新作を見る目は日本にないと公約しているも同然です。「無名画家なら捨ててもOKという話ではないぞ」と、文化保護寄りの良識も目に入りました。これで名が売れて価格高騰したら、ホント話題頼みの値づけです。

町おこしの現代アート・フェスティバルがテレビで話題でも、現代美術が国民の関心事にはなっていません。現代アートファンが結束し、高い城を築いて盛り上がっても、外界は巻き込んでいない点には注意がいります。離反は続いています。

現代アート推進派は離反を認めず、具象と抽象に壁はないと考えます。それは内輪の話です。世間に壁があるのにないみたいにふるまえば、このようにツケが大きい。美術を普通に目に入れ気にする人が多数いる国に、日本を戻す必要があります。本書もそれが目的です。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?