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AT車の暴走事故は続いていて、2018年の新たな原因分析も間違っています。この停滞を指して、反語的思考が苦手な人類の運命と指摘しました。しかし人類が最も苦手なのは、「価値の相対性」です。

相対性といえばアインシュタインの相対性理論を連想しますが、相対の反対語は絶対であり、価値に普遍性があるとする思想がそれです。善は善で悪は悪と、決まっているとするのが絶対主義思想。この思想が移民難民をめぐる摩擦によく表れます。

よくある正義はこれ。「移民や難民を受け入れない人種偏見や差別をなくしていこう」と。この意見は、価値の絶対性が根拠になっています。価値の相対性を重んじる文化人類学や民俗学などは、この手の絶対思考を厳しく戒めます。

移民や難民が増えた地では労働力が競合し、既存労働者の所得減と失業が進みます。地元民がブーブー言うのは、自分が貧困になる恐怖です。名もなく貧しく美しくもない一般市民には、シンガポールやパナマへ引っ越す余裕もない。その苦悩が移民反対の動機です。

「貧乏やだ」「人種差別すな」「貧困が怖い」「ストップ人種偏見」。強要は低所得層への人権侵害で、階級闘争とも言われます。A人種がB人種を優遇し、A人種を切るのもまたレイシズム。ここで大事なのは、「正義」も「自己中」とみる価値の相対性です。この等価な立場の並立は、誰もが苦手な逆転の発想です。

誰しも、他人の都合で考えるのはものすごく苦手で、自分の都合で考えるのはムチャクチャ得意。しかし、芸術の価値は相対的です。ゴッホとポロック、正しい絵はどちらかを決めません。AT車の事故を運転ミスとする絶対思考のせいで、分析が的を射ない状態が今も続きます。
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Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?