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本書に何度か出る話題に、現代人の意識の高さがあります。ピラミッド建設やアポロ宇宙船など過去の偉業は、今の僕らにも難しいのだから、当時は不可能だったと感じます。人類にできる日は、まだ来ていないのだと歴史認識しやすいのです。偉業の裏にからくりがあるのではと。

そこには、僕らは人類の最高峰だとの思いがあります。一番上に僕らが君臨している自信。この話は現代人の耳に痛いもので、無遠慮にそこを突く本書は嫌な情報源になっているでしょう。

たとえばギーガーという現代のデザイナーは、映画『エイリアン』の怪物異星人を考案し、ウレタンやラテックスラバーなどの材質でつくり、映画を大ヒットさせました。イラスト画では、ロックバンドEL&Pの『恐怖の頭脳改革』(1973)のレコードジャケットの作者でした。『悪の教典#9』が入ったアルバム。

映画『エイリアン』を見ても、私たちはその異星人が実在するとは考えません。実物を見たギーガーが写実的に作ったとは受け取らず、あれは現実には存在しない架空の生き物だと、私たちは心得ています。

ところが私たちは、太古の怪物は実在したとイメージしやすい。一例は縄文式土偶で、古代日本に宇宙人がいた証拠だと信じる声が、昔から多かったのです。「宇宙に知的生命体がいないと言うやつは頭が悪い」と怒り出す信念を、縄文式土偶が下支えしていたりします。

太古にギーガー並みのアイデアマンは、いなかったと思うのが現代感覚です。創造力は僕らが一番上で、古くさかのぼるほど創造力が乏しい時代だったと見込みがちです。現代人は土偶を何となくリアリズム彫刻と受け取り、造形物として鑑賞しにくくなっています。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?