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ネットの間違い情報に、ソウルミュージック『フィール・ライク・メイキング・ラブ』(邦題は愛のため息)の作者があります。大ヒットさせた歌手ロバータ・フラックの作曲と書くことが多いような。昔からあるトリビアで、作曲者はユージン・マクダニエルです。

ところがこの曲、作曲した当人が歌うバージョンは実にショボい。絶対ヒットしない保証がつくほど、本人のアレンジはさっぱり。最初の自演は全くだめで、他人が大ヒットさせた典型例です。

類例で思いつくのは、イギリスのモンティー・ノーマンです。ミュージカル用の作曲は話題になるものではなく。それを別の映画に流用し世界的にヒットさせたのが、元ジャズギタリストの映画音楽作曲家ジョン・バリーでした。

その映画は『ドクター・ノー』で、邦題は『007は殺しの番号』。007シリーズ第一作で、サウンドトラックはモンティー・ノーマン担当でした。アウトテイク録音は残っておらず、今聴けるのは中米民族音楽カリプソみたいなのんびり曲群です。たいくつに感じるレコード。

そのレコードの冒頭が『ジェームズ・ボンドのテーマ』。ビッグバンドジャズ編成で、スパイ映画音楽の原点となった豪華版です。ジョン・バリーはアレンジャー止まりで、ノーマンのメロディーは維持され、最近作の007映画も作曲クレジットはモンティー・ノーマンです。

音楽にはこうした共同の協業で花咲く例があり、クラシックでもムソルグスキー作曲、ラベル編曲とか。ベートーベン作曲、ルービンシュタイン編曲とか。芸術には元状態を絶対として守る思想もありますが、一人の力は限られていて現実は柔軟に動いています。
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