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野球のホームランと似ています。バットがボールによく当たりよく飛ぶ時には、バッターは比較的楽に動作しています。逆に詰まって飛ばないとか、凡打でアウトの時は、苦心してバットを振り回していて。苦心と成績が反比例する状態です。

苦心して美術の傑作が生まれないことは、制作を続けると気づきます。だから傑作に作者の言葉はあまり残されず、名作の裏話を知りたくても当時の話題がないことが多い。作品だけがポツンと残り、いきさつなどが意外に記録されていません。

傑作の多くは、神が降りたみたいにトントン拍子に進んでいます。運命が仕組まれていたかのように、事が運んで難なく描けた時、傑作が出現する傾向です。

もう一度似た成果を狙っても、全滅に終わることは音楽でもよくありますね。一回きりだと一発屋と呼ばれますが、なぜ会心の一発が出たかは不思議です。本人も、なぜなんだろうねと。

逆にイマイチな成果の方が、苦心した思い入れで本人の一押し作品になったりします。自薦と他薦の食い違いは創作につきもので、制作者が道を誤る原因にもなっています。簡単にいえば、本人に限って成果を公正に見ることができず、よい面を見過ごしたり自ら捨てて伸び悩む。

音楽で本人が選んだセルフベスト盤は、隠れ名曲が抜けたり低迷作が滑り込んでいたりと、リスナーは首をかしげます。「片寄っているなあ」と。だから作品の順位づけは他人が適任です。適切に選べる人が多い業界は先が明るく、選び損ねが多発する業界は多難でしょう。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?