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文部科学省が「国語に関する世論調査」2016の結果を2017年9月に発表し、誤用されやすい語に「さわり」もあげました。「さわり」の意味を国民にたずねると、53パーセントの回答が「出だしの部分」「物語などの冒頭」だったという。

正解は「あらすじ」ですと言うと、街の回答者たちは「へえーそうだったのか、知らなかった」と。「小説のさわり」とは、「小説の最初のくだり」ではなく、「小説のあらすじ」だとの正解発表が全国ニュースで伝えられました。これを聞いて著者は驚きました。知らなかったと。

「さわり」は「さび」と同じ意味のはず。見せ場、聞かせどころ。英語のハイライトやクライマックスが、さわりの本来の意味だったはず。アウトラインやダイジェストとは違う。伝統芸能の用語が一般に転じて、「一番よい場面」の意味なはず。「最高の部分」がさわり。

文科省は「さび」の意味も一応あるが、正しくは「あらすじ」だと。それは初耳。そこで日本国語大辞典で「さわり」を調べると、やはり「あらすじ」はありません。義太夫の聞かせどころが転じて、「一般に最も情緒に富み、感動的な部分」とあるだけ。やっぱりサビでハイライトです。日本語の誤用を集めたビジネス本にも、普通にヤマ場とある。

誤用を直す正解が、往年の辞書にない珍説だという。似た例に、関西料理のホルモンがありました。居酒屋や小料理店にあるホルモン焼きやホルモン鍋は、動物のモツだから「捨てる物、放る物」でホルモンになったと、いつかテレビ番組で結論していました。

その正解こそが俗説で、古くは精力増進として男性ホルモンなど当時のハイカラ語を借りた呼称です。今年は「さわり」の解釈が、「出だし部分」「盛り上がり部分」「あらすじ」と三個に増えました。詩や短歌で使っても、もはや鑑賞不能。「さわり」の語は2017年没。
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Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?