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表現物は話題性で評価が上下します。前に音楽でこういう事件がありました。自分が誰なのか、過去の記憶を失った男が海岸で保護された。男はピアノがとてもうまくて、謎の経歴とピアノの腕で人気が出た話題。日本にも支持者現る。

後に、ウソが発端の芝居と発覚します。ピアノが大変うまい人は、世界にも日本にもとても多いわけで。事件のポイントは、何かのハンデを持つ訳ありで、ピアノ演奏の伝説化が始まる現象でした。

もし記憶喪失のハンデが本当で、そのせいで多少は弾けるピアノ演奏が高く評価され、大入りコンサートまで開き録音され販売されたら、ちょっとおもしろい展開です。現代のベートーベンではなくて、現代のショパンか。

特別な人物像を演出して作品評価を吊り上げ、非凡に見せかけるビジネスモデルは、アートでは定番の策略として組織運営されています。最もたやすい大衆扇動法は、心身ハンデの宣伝です。かわいそうな境遇への同情心を、芸術的な感動に結びつける心理作戦です。

高騰した評価の鎮静は、分野により差があります。ピアノの盛り上がりはネタばれで早く消えても、美術ならすぐ消えず長めに続いた可能性があります。自殺から助かった事情が発端としても、ピアノではなく絵画ならもっと長引いたかも。

過大評価が早く冷める音楽と違い、美術は特殊化しているので効き目が長持ちするでしょう。よくわからない表現物である美術ジャンルでは、よくわからない事件が起きます。9カ月前の曜変天目茶碗でも、国民は煙に巻かれて終わり。ピアノマンと違い、ネタばれせずに霧の中。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?