「で?」のリアクションは、美術公募コンクールでも起きる?
2017-09-26 Tue 00:55
ネット記事への反応によくある、「で?」という一言。記事に対して、「だから何?」「それがどうしたの?」という不満の投稿です。内訳は「長い記事だが、かんじんの結論がないぞ」「僕らに何をやれと言いたいかが、どこにも書かれていないぞ」。

記事の欠点を僕は見破ったぞと、やや得意そうな「で?」というリアクション。しかしよく考えてみれば、よく考えてみる習慣がない立場からの一言とも言えてしまうのです。

というのは記事の機能は、結論を出したり読者を指導するとも限らないからです。たとえば国家間の戦争は、背景も込み入って不条理や矛盾も多い。事情の複雑さを列記したまとめニュースもあり得ます。「こうあるべき」「あなたはこうしなさい」と結論を出さずに終わる、ト書き型の資料記事も多いでしょう。

「で?」という反発の裏に、「結論だけを僕に伝えよ」「僕がすべきことをはっきりさせよ」という、他力本願が隠れているのです。この心理を美術の分野に無理に当てはめてこじつけると、やはり公募コンクールがその気分に合わせた仕様ではないかと。

美術の大規模展覧会は二つに大別でき、欧米の主流はアートフェアという商談の場です。対して日本の主流は、コンクールという合格発表の場です。欧米では市民が自主判断して買う目的、日本では優秀作を偉い人から教わる目的。教わるだけで買わない前提ですが。

アートフェアを日本にも導入し、作品がト書きのように並べば、観客に「で?」が起きるかも知れません。内訳は「優秀作だけを僕に伝えよ」「僕が見るべき絵をはっきりさせよ」。しかし実際に開催すると、骨董市ふうになったケースがあったそう。欧米のアートフェアは全てが現代美術なので、方式以外にも日欧のギャップがあります。
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