白人が和服を着た写真が、日本を差別した事件になった理由
2017-09-17 Sun 00:23
前はヴォーグ誌の表紙で、和服のモデル嬢が日本人差別だとして、アメリカ国内で糾弾されました。最近は誕生祝いで、日本の舞子さんに似たコスチュームの子どもが、同様にアメリカで糾弾されて、また日本人差別が理由。日本ではさっぱり理解できない事件でした。

いずれも、差別の文脈だと理解が難しく、著作権の文脈だと簡単です。唯一の超大国アメリカには、少数民族の伝統文化や風俗を模倣して消費するどん欲さがあります。我がもの顔で振る舞うコマーシャリズムとジャーナリズムの国民動員力は世界最大。

たとえばグァテマラなどの意匠を、欧米ファッションに利用する流行は昔からありました。しかし使われたマイナー民族側から、何度か苦情もあったのです。「我々の伝統文化を手軽に使い捨てされては困る」と。意匠権、著作権、専売特許と似た問題です。

アメリカ側は反省し、マイナー文化を白人がパクッて利益にするのはやめようと決めました。マイノリティーの異文化をヒョイと借りる気持ちに、マイナー軽視の差別意識があるのだという理屈で。白人が和服を着て表紙に写れば、日本国を軽視したとみなすアメリカ流の解釈です。

ではなぜ日本側は差別されたと感じないのか。日本で言う差別と意味が違うからでしょう。他文化を愛でると差別だと、その視点は日本になかった。模倣が侵害になるかが、国の強弱で動く発想がなく。

もっとも、和服の起源は古墳時代より新しく、唐時代に伝わった呉服が起源とされるし。アメリカ起源のTシャツ並みにすでにポピュラーで、保護を要するほど和装はマイナーでもないし。伝統保護の意識が国内に強くないし、縮小している国内市場もあるし。つまり日本からすると、和服はもう一般化済みの感覚でしょう。
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