どこからどこまでを現代美術と呼ぶかは範囲が二つある
2017-07-10 Mon 01:12
現代美術という語は、範囲が二とおりあります。日本ではモダンアートは近代美術、コンテンポラリーアートは現代美術です。1960年前後のポップアート以降を、現代カテゴリーとするのが日本での一般論。

ところが、英語でモダンアートは現代美術、コンテンポラリーアートは今の美術です。整理すると、モダンは日本で近代、英語では現代。コンテンポラリーは日本では現代、英語で現今。完全一致しないから、日英の翻訳で調整が必要になります。

日英を合計すれば、1900年代のピカソも現代美術に含まれるから、「現代美術はわからない」という国内事情にうまく合います。それと符合するように、難解で理解及ばぬ特性まで含めるのが日本的な「現代」感覚です。わけがわからんから気をつけろという、警戒マーキングまで込めた言葉が「現代」。

この用法とよく似ているのは、クラシック音楽界の「現代音楽」です。「ギギギー」と弦楽器のきしみ音。静まったとたんに、「ガンガラ・ガッチャーン」と打楽器が鳴り響いて、「バーン・バーン・ババーン」とピアノの鍵盤を足で踏む音。唐突で衝動的で観念的で、近寄りがたいのが現代音楽というイメージ。現代美術と似た使い方です。

現代音楽とアナウンスがあれば、急いでラジオのチャンネルを変えたくなる。が、アメリカではオーケストラ公演ポスターに曲名を書かず、演奏が始まって現代曲と知ってもお客は平気だそう。アメリカで現代音楽は、ずいぶん前から一般化済みとされます。ならば現代美術も同様?。

日本ではコンテンポラリーバレエも含めて、理解不能なのが「現代」。そういうレッテル。だから具象画壇や油絵サークルの画家は、奇抜だと思われるのがいやで現代を名乗らないお約束です。そして、アニメ系のイラストふう人物画などジャパンコンテンポラリーは、古典系と現代系のはざまで居場所がゆらぎます。外国ではそのゾーンが売れるのに。
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