1970年代の日本車にみるカースタイリングと芸術
2017-07-07 Fri 00:08
昔の車を今見ると、時代の変化を強く感じます。たとえば1960年代末からの日本車。ベレG、セリカリフトバック、ハコスカ、ケンメリ、117クーペ、GTO、SSS。過去のカー雑誌では花形扱いで、最近アメリカで人気のジャパニーズ・ヴィンテージ・カーもこの時代です。

実はそれらと似たスタイリングのクーペ車が先にアメリカにあったのですが、コンパクトにまとめられた日本のスタイリングが好評です。双方の目立つ特徴はヘッドライトで、高級型は丸型4個でした。ファニーやキュートという雰囲気がまだ残っていた顔つきの車です。

やがてマイナーチェンジし、ヘッドライトが角形4個に変わりました。丸形4個より角形4個ライトの方が、冷めた顔つきです。固く無表情になったよそよそしい時代の空気に、見た目を一致させたかのように。

次に起きた変化は、角形4個を合体させた角形2個ライトです。一体化したライトは横長になり、車の顔つきはいっそう無表情になりました。その次は高さを縮めた細目で、一段と無機質で機能的。ヒューマニズムがいよいよ消えて、非人間的な雰囲気が強調されました。

次のフロント角を丸めたエルゴノミクスボディの時代には、三角形2個ライトが急増しました。キツネ目の時代の到来です。世界中のあらゆる乗用車がキツネ顔。2010年代には目がもっと細く吊り上がり、無表情どころか不機嫌や憤怒をも感じさせる顔。ヒステリックな新自由主義世界のブラックムードに引っかけたかのように。

デザインは時代を映す鏡です。車では国際的な同調と相互模倣が起き、集団行動的です。一方のアートにも集団化する面はありますが、実際の制作現場は個人のマイブームで動いています。だからデザインでは審査が有意義ですが、アートでは審査員のマイブーム披露になっていて意義が薄れています。
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