現代アートの巨大彫刻にキャンプ場の夜を連想した
2017-07-04 Tue 01:07
美術は難しいと国民に言われたり敬遠される境遇に、現代美術家も悩んでいたり、打開しようと頭を使っています。現代アート敬遠対策をがんばってほどこした、ある彫刻群があります。

クワガタムシ、ショウリョウバッタ、エンマコウロギなど、昆虫の姿をした彫刻です。鑑賞者はびっくり。何にびっくりかといえば、大きさ。長さ10メートルなど巨大で、どーんとそびえて目立つ。「芸術だけにスケールが大きいですね」と報道記者たち。子どもも大喜び。

しかし以前から羅列作品と巨大作品は、現代アート批判にさらされてきました。羅列作品は、肥桶も千個並べりゃ美しい式のいにしえの皮肉。巨大作品は、奈良東大寺の大仏のように信心を高める手法。アメリカンサイズのステーキ肉のように、ビッグな規模で感動させる近道。

作る側の言い分があります。造形にこっても反響がなく、オリジナルは虚しい。そこで皆が知る物を巨大化する。思い起こすのは、キャンプの夜にテント内で始まる怪談話です。物語を聞かせても誰も怖がらない。脚本ではもう通用しない。そこでふいに「ギャアッ」と大声で叫んで、「ぞっとするお話でした」と締めくくる持って行き方。

どんなものも、極端に大きくすると刺激が強まります。サイズがデカいは七難隠す。宗教などで、百メートルを超える巨大立像もありますね。ギネスブック。一方で手ごろな作品規模で、こった物語を静かに聞かせる脚本重視の彫刻家もまだ多いのです。造形をわかる人がいるはずだというロマンなのか、少数相手のライフワーク。

作品コンセプトといえば、高遠で深長なものを想像しますが、どの層をターゲットに狙うか、誰にわかって欲しいかもコンセプトの一種です。羅列作品と巨大作品が多く出てくるイベントは、俗な言い方で大衆向けといえるでしょう。
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