アーティストを枯らさないために互いの支えも必要
2017-06-25 Sun 01:23
おそらく世界で誰もやらない分析は、アーティストが行き詰まる過程です。当初は調子がよかった作品が、作り続けるうちにつまらないものが増え、アイデアが枯れていく変化を分析したことがありました。

そのプロセスは音楽でよくわかります。80年代終盤の、あるブラジル人のエレクトリックギター演奏が例。デビューアルバムは、作曲アイデアも演奏もみずみずしいものでした。すき間狙いが多い時代にしては、いかすメロディーの曲が次々と続きます。新しい才能が登場。

音の空間の飛躍にトリッキーなところが多く、和音展開もダイナミックで、楽器はよく歌って気が利く。演奏法も高く飛んだり低空飛行やキリもみしたりと多彩。曲と演奏がよくマッチし、やりたいことがうまく盛り込まれて、引き出しが多い。

ところが、3枚目のアルバムでわずかに衰えのきざしが出たと思えば、4枚目で信じられないほど落ちました。メロディーはメソメソ、歌のない歌謡曲ふう浪花節調に変わり、和音の回し方に飛躍が消え、どの曲もだらだら単調で動きが鈍い。聴きごたえのある仕掛けが出てこない。

かつてキマっていたかっこいいサビが消え、聴かせどころもなく足踏みする曲調。全曲スカばかりで一度も盛り上がらず、何度聴いても取りえがなく、印象に残らず。やはりというか、5枚目が出ない。ネット時代に海外サイトで見ると、4枚目のみ紹介されるかわいそうさ。

演奏力が上がり、創造力が下がるケースも多いのです。そこでグループメンバーやプロデューサーの組み替えでリフレッシュしたり、アルバムリーダーを代えたセッションで支え合います。独りで黙々と続ける限界は才人も同じで、解決策を美術にも応用できます。著者も他の美術家を外国でアシストする珍しい企画の準備中です。
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