展覧会にちょうどよい作品の個数は何点か
2017-06-01 Thu 00:24
展覧会の作品は、何個置くのが理想かという問題です。日本の展覧会は特殊で、公募コンテスト展が主流です。先進国の主流はアートフェア方式で、目的はコンテストとは全く異なり作品販売です。欧米は商戦で、日本は賞選。商戦のアートフェアでの売れ方を考えてみます。

展示作品数が多いほど、よりたくさん売れそうな気がします。が、実はそう簡単ではないのです。今こちらでわかっている結論は、適正規模があることと、それが展覧会ごとに異なっていること。

まず展示数と売れた数は比例しません。絵を20枚展示して4枚売れたとします。6倍の120枚展示すれば、6倍の24枚が売れる計算ですが、やってみると同じ4枚だけ売れたりします。総数を増やしても売れ数はあまり増えない結果は、実はよくあるのです。

しかも時には120枚展示で3枚きり、20枚展示よりも逆転したり。質の条件は同じでなく厳密でありませんが、結果的に「あれれ」となります。なぜそうなるのかは、おそらく作品が多いほど鑑賞者の脳の神経がマヒするからでしょう。頭が疲れて一個ずつに集中できない。あまり多いと、どうでもよくなっちゃう。

音楽でもアルバムを1枚聴くうち、だんだん疲れてきて集中力が薄れる体験がよくあります。レコードよりも時間の長いCDで顕著です。だからある時1曲だけを抜き出して聴くと、これはすごいぞと新発見したりします。疲れていない感度のよい脳内に、作品がきれいに入ってくるからでしょう。ビールの最初の一杯みたいに。

だから、鑑賞に適した理想の作品数は1点です。注目が一点に向かう例は、ルーヴル美術館の『モナリザ』の部屋がそんな感じですね。次善は2点で、次が3点。実は高級アートフェアほど作品が少なく、会場写真も簡素です。しかしお客の体験は濃く、全点が売れることもあります。
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