棟方志功の版画とすり替わったカラーコピーは実は本物?
2017-05-11 Thu 00:06
棟方志功の版画がカラーコピーにすり替わって、3年以上前の盗難だとされる件。どうでもよいことではなく、業務上横領が広まっている兆候かもと疑う余地があるでしょう。過去にも、博物館入りの郷土出土品が自宅展示されていたケースがあったし。

1972年に初登場したカラーコピー機の最大サイズA3よりも大きいから、いわゆるゼロックスカラーコピーサービスを使った疑いがあります。ならば外注。その機械は棟方志功の生前にはありません。ニュース写真の後壁が白いのにコピーが黄色いのはそのせいかと思わせますが、元から黄色い絵かも知れません。周辺情報が少ないようです。

今のオフィスでカラープリンターを使う人なら、コピー紙であることに早めに気づくでしょう。版画の紙とは違うツヤとテカり。淡い部分や鉛筆の字はまだら状にかすれるなど、転写式コピーは低画質です。

話は横へそれますが、あのカラーコピーはただのゴミではありません。真贋でいえば、れっきとした真物の美術作品になります。こっそり取り替えた不正の意味で偽物だとしても、贋作ではないから本物ですと言うことも実はできるのです。

粗いドットプリンターで出しても、真物の美術品です。呼称は、作者が指示した印刷なら「版画」です。版画の定義は、印刷した作品であり、電気やボタン操作は関係ありません。作者の指示がないと「複製画」となり、あのカラーコピーは真物の複製画と定義できます。

ジクレーでの複写なら、高い再現性で永久にばれなかったかも知れません。6原色以上のジクレープリンターは1997年以降で、この時から水彩画を複製すると目視の判別は困難になりました。外からのドロボウ以外に、対内的な収蔵品セキュリティーの見直しが迫られたのです。
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