ジャズ音楽の明るい暗いを絵画に当てはめてみる
2017-05-02 Tue 01:35
「ジャズといえば暗い音楽だと思われやすいのですが、このアルバムは暗さが全くない明るいジャズです」。こういう言い方が、ラジオ番組で聞こえてきました。この区切り方は、わかりにくいと感じています。

音楽の明るい曲は、要するに和音が長調です。逆に暗い曲は短調です。コードがメジャーかマイナーか。滝廉太郎でいえば、「春のうららの」と歌う『春』が長調で、「春こうろうの」と歌う『荒城の月』が短調です。しかし前者は明るく後者は暗いという分け方では、ジャズの曲はうまく切り分けられません。

なぜなら、ジャズの特徴は影差す和音だからです。明るくてしかも暗いのがジャズなので、明るいか暗いかで分けるのは無理です。そこで明るい暗いではなく、楽しげか悲しげかで分けます。長調は楽しげ、短調は悲しげと分けた方がうまくいきます。

番組のアルバムもやはり、ところどころ暗くかげる曲調にちゃんとなっていました。カラリと晴れ渡った、こうこうと明るい童謡みたいなジャズは世に存在しません。短調から長調に転調する意味ではなく、和音に含む音階成分です。しかも実はクラシック音楽も、共通する構造です。明暗の一方だけならイージーリスニング。

音楽のこの構造を美術にも当てはめて、芸術表現の妙を説明する一章を用意しました。明るい絵が好きで、暗い絵が嫌いという、実際に一般に多く行われている割り切り方では、芸術の核心にまでは届かないという話題です。日本で流行ったネアカとネクラの区別は簡略すぎて、芸術とは相性が悪いのです。

「ジャズは大人の音楽」の理由は、長調とも短調ともいえない割り切れない和音です。セブンス・コードに始まり、ナインス・オーグメンテッド・イレブンス・コードなど。美術の絵画で明るい暗いで割り切れない例として、意外な隠れ名画をあげています。
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