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Archive2017年06月 1/1

芸術は人類のロストテクノロジーになっていないか

本書は「現代美術がわかる」系に多い「視野を広げなさい」という説教をやりません。理由は文明の大進歩と並行して、文化がやせ衰えていく背景を感じているからです。芸術の衰弱が、ヒトという種に起きている疑いです。誰も免れないし、著者も含まれるであろうから。時間とともに、よりゆるい作品を作る作者と、よりゆるい作品に好感を持つ鑑賞者が、同時に増えている疑いです。というのは、大昔の作品ほどビシッとキレて彫りが深く...

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アーティストを枯らさないために互いの支えも欲しい

おそらく世界で誰もやらない分析は、アーティストが行き詰まる過程です。当初は調子がよかった作品が、作り続けるうちにつまらないものが増え、アイデアが枯れていく変化を分析したことがありました。そのプロセスは音楽でよくわかります。80年代終盤の、あるブラジル人のエレクトリックギター演奏が例。デビューアルバムは、作曲アイデアも演奏もみずみずしいものでした。すき間狙いが多い時代にしては、いかすメロディーの曲が...

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身近にあるアートを見て回れば、アートは身近な存在になる!

ダリほどの超大物でも、盛大な展覧会で大勢があれれっと拍子抜けすることもある美術の不思議。美術館の不思議。企画の不思議。これは美術のよくある現象です。では、世に知られない作品だとどうなるか。そのおもしろさに気づいた人がいました。ある高齢者から、現代美術展示巡りの趣味を聞きました。街中で小さな現代美術展を見かけると、必ず入ってみるという。わからないからおもしろい、どういうつもりで作ったかを考えるのが楽...

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ダリ展がつまらないという声が集まった昔

シュールレアリスムで知られるサルヴァドール・ダリが生きて、大やけどもなく現役の頃、ダリ回顧展が繰り返されました。知人の学生たちも会場に来ていて、感想を聞きました。「意外につまらないと感じた」という声が集まり、皆さん表情がやや曇りぎみ。何室も使って大量の作品を並べた大回顧展なのに、拍子抜けした印象を持ったという。原因はむろん回顧展にありがちな大量ゆえの薄まりと、また代表的な傑作が出ていなかった点も。...

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絵を二度見るとおもしろい物語ができる

昔見た絵を時間をおいてまた見ると、案外おもしろいのです。絵の事情から、自分の事情がつくられるから。自分の物語ができます。過去に見た絵の元へもう一度駆けつけると、きっと何かがわかるはず。映画で経験はありませんか。映画館で観たずっと後でテレビ放映で改めて見て、印象が違うことが。縦横比の違いで画面の左右は切れますが、たとえば色なども。あるシーンで赤い服だった記憶が、後で見ると黄色だったりなど。こんな映画...

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特殊化した現代アートを一般化させる現代美術懐疑論

この本の目的は、日本全体が現代美術に関心を持つことです。目標とする成果は、作品が普段から売れること。「スペシャル」から「カジュアル」へ。欧米がすでにそうなっているように。特殊化から一般化へ。それも全国各地で。方法は、二とおりあります。ひとつは現代美術の素晴らしさを訴えること。しかしそれは日本では限界で、現代アートは普及の壁に当たっています。1960年代や80年代の方が売れたのだから、前進していませ...

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ゴッホに無理解な19世紀の人々は情けないやつらだったのか

ゴッホの絵に感動した人に、よくある声。「これほど美しく素晴らしい絵を、なぜ同時代の人たちが評価しなかったのかが、僕には理解できません」「ゴッホの時代の人たちは情けない」。もっと昔には、「ゴッホと同時代の人を憎みます」と語り出す舞台演劇もありました。しかし、今はそれほど違うのかという視点もあります。百年以上過ぎた現代にも新作展は盛んで、絵画や彫刻や環境作品が並びます。今の新作をリアルタイムに見る現代...

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海外へ逃げていく日本美術の今昔

「日本では現代美術に関心が低い」と言うと、すぐに反論が出るでしょう。「現代アートフェスティバルは大入りだぞ」「テレビや新聞で話題だぞ」と。しかしそれは一般化ではなく特殊化です。交流パーティーや飲み会とバーベキューにプラス、都市の喧噪からの一時脱出。日常的に現代アート作品を買い、家に飾る欧米との差は開いています。一般化したアート市場がないから、美術作品は外国へ脱出しています。実は今は、海外進出志望者...

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血液型の性格占いが当たる理由÷抽象が苦手な理由

意外に思われるでしょうが、著者は血液型占いは日本では当たると説明したことがあります。科学では法則を確かめるために、相関関係と因果関係の両方を証明します。ABO式は性格と相関がないと調べられていて、デマと結論されています。しかし一般人は、当たりだけみて法則を見つけます。科学者は外れ分も統計処理するので、法則を見つけません。たとえば事故犠牲者の霊があの世へ引き込んだ新しいバス事故で、一般人が根拠とする...

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展覧会にちょうどよい作品の個数は何点か

展覧会の作品は、何個置くのが理想かという問題です。日本の展覧会は特殊で、公募コンテスト展が主流です。先進国の主流はアートフェア方式で、目的はコンテストとは全く異なり作品販売です。欧米は商戦で、日本は賞選。商戦のアートフェアでの売れ方を考えてみます。展示作品数が多いほど、よりたくさん売れそうな気がします。が、実はそう簡単ではないのです。今こちらでわかっている結論は、適正規模があることと、それが展覧会...

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