Category芸術アラウンドトーク 1/2

手品のイリュージョンと美術のイリュージョン

本書の一話に、手品と美術の関係があります。手品の体験は、演者と観客で大きいギャップがあります。妄想が嵩じ、超常現象や神の世界へ飛躍したケースをあげています。空中浮遊を信じた毒ガステロ支援までは行かない範囲で。ある企業の新年会で、次長が芸を披露しました。ペラペラの紙で木の棒を切断するという、精神集中と気合いの術です。紙製のハシ袋を二つ折りにしてたんねんに角を鋭くし、横に渡した割りバシに振り下ろしたの...

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横綱のビールびんとケネディ大統領のライフル弾

モンゴル出身の横綱が、後輩の力士を叩いた事件。証言者が次々現れ、どんどん混迷しているところです。「事実が全然わからない」「本当は何があったのか」「この男が仕組んだ」「主犯は意外な人物だ」と。これが、1963年のケネディ大統領暗殺を連想させます。狙撃事件ではなく、後の調査のゴタゴタが似ていて。どうやら物語を創作する思考順序のせいらしく。美術鑑賞でもやはり生じる、各自にとっての真実。事実は一個、真実は...

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精神病患者や犯罪受刑者の絵がウケるのはなぜ?

日本に限らず世界でもしばしば話題になる展覧会に、特殊な一群の絵画があります。心療カウンセリングを受けた人の絵、精神科病棟に隔離中の入院患者の絵、非行少年少女の絵、刑務所にいる受刑者の絵。それらの展覧会は大入りで、来場者は特別な感慨でうわさし合います。特集した記事もみられ、関連書籍もあります。彼ら彼女らの絵は普通の人とは違うぞ、尋常でないぞ、ぶっ飛んだ絵だぞと。異常性、狂気性、心の闇を感じる特異性が...

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ふざけた芸術作品なんて普通にあるもの

世界的な傾向だとしても、日本国内の美術鑑賞で目立つのは、心構えの生真面目さです。作品を前に固い気持ちで、緊張するクセとか。実は、作品自体はそれほど固くないことも多いのですが。音楽の話で、たとえばクラシックのマーラー。マーラーの交響曲は時間の長い大作ぞろいで、しかも長いスパンでループする作風です。今からマーラー曲を演奏する指揮者は、やりたいテーマや独自の持ち味なしに棒を振っても、実りある公演にまとま...

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ハロウィン論争にみる商業嫌いな潔癖症

日本で毎年輪が大きくなっていくハロウィン祭ですが、この季節の論争のお決まりが、ハロウィン祭の是非論です。騒ぎやゴミちらかしとは別の、由緒など根底的な問題。北欧ケルト文化なんぞを極東の温帯地域の国に持ってきて、何なのだ?という反対意見が多いのです。これはクリスマスやバレンタインデーなどが摩擦を受けた過去が、再来したといえるものです。よその宗教由来の文化を模倣して、原意と違う趣向に改変し、商業主義に乗...

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芸術は若いほど有利なのか不利なのか

若さの最大の武器が体力なのは、サッカー試合で痛感します。世界的なビッグスター選手が、徐々にレギュラーから外れサブに回り、久々の話題は下位リーグへの移籍。衰えたなあと人は言いますが、歳に勝てないのは万人共通の自然現象。若い頃に戻りたい願いも多いから、医学も若返りを一大テーマとして進歩しています。しかしもし若返ることができても、脳の中味は今のまま変えないのが、多くの第一志望ではないでしょうか。脳まで若...

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ピカソの抽象画がわからないポジショントーク

テレビの討論番組で、視聴者が「この発言には意味がない」と見切る、そのよくあるパターンはポジショントークです。立場に由来する発言。利害関係者の世論工作にすぎず、単なる私見と違い利益誘導だから。ポジショントークが多くて討論の意味が薄い例に、「中東の紛争の根本原因」「旧日本軍の世界史的意義」「少子化はなぜ起きたか」「死刑の是非」「ダーウィンの進化論の正否」などがあるでしょう。最近よく聞く世界のフェイクニ...

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「で?」のリアクションは、美術公募コンクールでも起きる?

ネット記事への反応によくある、「で?」という一言。記事に対して、「だから何?」「それがどうしたの?」という不満の投稿です。内訳は「長い記事だが、かんじんの結論がないぞ」「僕らに何をやれと言いたいかが、どこにも書かれていないぞ」。記事の欠点を僕は見破ったぞと、やや得意そうな「で?」というリアクション。しかしよく考えてみれば、よく考えてみる習慣がない立場からの一言とも言えてしまうのです。というのは記事...

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東日本大震災の現場に出る幽霊が次回のテーマ

暑かった夏休みも終盤となり、怪談話も下火です。その幽霊関係の掲示板で、あるパターンの書き込みを目にします。短く一言「それでも幽霊はいる」「幽霊の存在はもう常識だ」。根拠や事情も何もなしに、ポツンと一行だけの書き込み。いったい誰が書いたのでしょう。業者さんです。除霊や開運の壷ショップなど。海外旅行帰りで体調不良の人向けに、悪霊退治の作業。堕胎後のうつ症は、水子の霊の供養。難病にも対応し超高料金。その...

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地震雲のエンタメ度は美術よりも高いらしい

気象庁の資料では、日本で起きるマグニチュード5以上の地震は年に741回。一日平均2回以上という多さです。あまりに多いから占い師や予言者には天国なのに、現実にはさっぱり当たらず地震予言は非効率な出世法です。むしろ、気象庁職員の方が当てているのが実態。日本で地震雲がささやかれます。進行する地殻変動が電波を発生させ、上空の雲に異変が生じるとする俗説です。ネットにもたくさん写真が出され、多いのは「のろし」...

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UFOの謎を知ると、宇宙の哲学まで変わってしまう?

謎の円盤UFOが飛び回り、僕らの暮らしを監視しているという訴えが世界中にみられます。外国には宇宙人に体を触られた女性がかなり多いという。空飛ぶ円盤の中に連れ込まれて、脳内にチップを埋め込まれて解放された訴えも山のよう。宇宙からリモコン電波であやつられる話。日本でもUFOを見た通報は、気象庁に何度もありました。「UFOが飛んでいました」「確かにUFOをこの目で確認しました」と、市民から電話が次々とか...

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仮想通貨ビットコインと仮想アート作品のネズミ講エフェクト

ビットコインは矛盾した存在です。誰もがどこへでも自由に送金できるなら、密輸組織やテロ国家へも自由に送金できるから。ゲームや放送番組のガード解除プログラムと似た反社会性を持ちます。爆弾テロなどと闘う各国政府は、慎重に制限もかけるでしょう。そのビットコインがユーザーへの信用で決め手を欠くのは、ある焦点が常にぼけるからです。それは理論と実質の差です。たとえば現金に戻す手続きの詳細情報がない。一人が戻すだ...

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公募コンテスト展覧会が主流なのは議論が苦手な国民性?

日本人は議論がへただという指摘は、昔からありました。あげくの果てが、1970年前後の連続企業爆破や、社会革命闘争テロ事件だったのかも。正義は正しいとする当時の世直し行動。最近また容疑者が摘発されたニュースに、昔を思い出した方もいるでしょう。国際社会で期待される行動は、グローバルへの同化ではなく、ローカルの主張です。この「主張」をめぐり、「議論を知らない日本人」という指摘が昔から根強いのです。欧米で...

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1970年代の日本車にみるカースタイリングと芸術

昔の車を今見ると、時代の変化を強く感じます。たとえば1960年代末からの日本車。ベレG、セリカリフトバック、ハコスカ、ケンメリ、117クーペ、GTO、SSS。過去のカー雑誌では花形扱いで、最近アメリカで人気のジャパニーズ・ヴィンテージ・カーもこの時代です。実はそれらと似たスタイリングのクーペ車が先にアメリカにあったのですが、コンパクトにまとめられた日本のスタイリングが好評です。双方の目立つ特徴はヘ...

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血液型の性格占いが当たる理由÷美術が苦手な理由

意外ですが、著者は血液型の占いは日本では当たると説明したことがあります。科学では法則を確かめるために、相関関係と因果関係の両方を証明します。ABO式では相関もなく、デマと結論されています。一般人は当たり分だけに注目し、法則をすぐ見つけます。科学者は外れ分も統計処理して、法則を見つけません。たとえば、かつての交通事故犠牲者の霊があの世へ引き込んだバス事故などで、一般人が根拠とする怨念的印象論と、科学...

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陰謀説がなぜかアートの説明に出てくる理由

大規模陰謀説がネットで目につきます。一例は、1985年にジェット旅客機が群馬県の山中に墜落した事故。524人中520人が亡くなる惨事でしたが、ネットには在日米軍がミサイルで撃ち落としたのが真相だと、繰り返し出てきます。自衛隊犯行説もあります。政府は今も本当のことを語らずに黙っている、と結んであって。何を感じますか。そんな話は荒唐無稽だと国民がスルーしたら、むしろ信者は増えます。現代人の行動は、ネッ...

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時代が進むほど自由が小さくなる?芸術の逆進性

人がなかなか測りにくいものに、時代の自由度があります。昔にくらべ今はすっかり自由になった実感がじゃまします。難解なゴッホやピカソもすでに認められる現代は、古い時代より度量が大きいはずだと。美術作品は年々許される範囲が拡大し、新作品もより自由になっている体感です。今の僕らは最高の物に触れるのも自由、知識もどんどん蓄積し、ほぼ全知全能を達成できている自信が、現代人の正直な文化感覚でしょう。歴史上のほぼ...

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現代アートにみられる合成の誤謬

テレビやラジオの評論家が時々はさむ言葉に、合成の誤謬(ごびゅう)があります。誤謬とは間違っているという意味です。合成の誤謬を簡単に言うなら、「それをみんなが言い出せばどうなる?」「全員が同時にやれば悪い結果をまねく」という意味の慣用句です。合成の誤謬の代表例は「節約」です。一人が節約すれば、その人の暮らしは好転する場合があるでしょう。しかし全員が節約すれば、物が売れなくなって店や企業は倒産し、シャ...

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科学への反感はなぜ生まれやすいのか、夢占いのケース

芸術と反対の分野は科学ですが、こちらも誤解や曲解にさらされます。たとえば夢。「何かが見つからなくて焦っている夢をみるのは、将来不安や自分探しの意味」などの、夢解釈や夢占いがよくありますね。二つとも人類の全員が常時必ず持っている深層心理である点、つまりフリーサイズ言葉なのは今は無視しましょう。実際にこんな夢がありました。夢の中の自分が「鉄の爪」の話を出します。相手は目を丸くして「そんな物があるのです...

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現代アートは自由主義か排他主義か

リベラルが本物なら、リベラルの否定も容認されるべき。哲学書の一節ではなく、今思いついただけです。これが自由主義の矛盾となってきます。リベラルとは寛容を意味し、本来は何でもありのこと。現代アートもリベラル主義の体現者といえるでしょう。2015年にパリでテロ事件が起きた直後に、「表現の自由を守る」のスローガンがフランスとEU国で強く叫ばれました。しかしイスラムをからかう漫画は自由と言う一方で、キリスト...

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