Category各テーマの裏話 1/2

111 鏡はなぜ左右だけが逆に映るのか

鏡はなぜ左右逆に映るのかは、それだけで本が何冊も書かれてきたほどです。上下は逆にならないのに、左右だけが逆になる不思議です。鏡の謎は他にも、向かい合わせの鏡に映った像はどこまで続くかや、映った物を写真に写す時のピント位置など、いくつかあります。しかし本を読んだ後も、鏡の左右逆転の謎は再発しやすいのです。ネットにも謎解きは出ていますが、なるほどと思わせるわかりやすい誤解釈で納得し合っているケースもみ...

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104 美術鑑賞の予行練習

最近テレビであったというハプニングです。交差点の種類は、四つ角を十字路と呼び、その四道路のひとつがない三つ角を丁字路と呼びます。「じゅうじろ」と「ていじろ」。道路交通法にも、そう明記してあります。ハプニングは、番組取材中に道をたずねて起きました。地元のおじさんが「ていじろ」と何度も言うと、タレントが皆で笑ったのです。リポビタン・デーでも連想したのか、「ティージロ」の田舎なまりが「テイジロ」だと思っ...

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81 現代美術展はなぜつまらないのか

せっかく来たのに、現代美術展がつまらないと感じる。それは鑑賞者の不勉強が原因ではなく、現代美術の作られ方にある種の集団的偏向がある場合が多いという問題です。偏向が全般的だとすれば、見て納得の人と落胆の人に分かれたままなのもおかしくない理屈です。現代美術は同人化されぎみで、鑑賞者の入口は最初から小さいのです。そして、現代美術を理解する本やガイドがたくさん出され、どれも個別の入口へ鑑賞者を引率していま...

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71 夢路いとし・喜味こいしの漫才と芸術

おもしろい漫才とつまらない漫才に、かなりの開きがあると感じている人は多いことでしょう。笑えないし、おかしくもない漫才もあると。ここでは、あたり漫才よりもはずれ漫才が圧倒的に多いと感じている視点に立って、漫才芸術論を語っています。漫才のおもしろさには、美術作品の感興と似た点があります。おもしろいギャグが含まれている意味ではなくて。しかしおもしろくなりかかった瞬間に、演じる側がつぶしている失敗も多いの...

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54 超能力を楽しみ、美術を楽しむ

スプーン曲げは、1970年代には科学を超越した念力とされました。本物の超能力はあると思うと多くが言い出し、90年代の新興宗教家の空中浮遊術へと続きます。しかし今日では、超能力は芸術と同じエンターテインメントのカテゴリーに変化しました。科学で扱うこともめっきり減って・・・ネット時代に、超能力を信じる声はさらに減りました。人間が持つ隠れた超能力に果てしなき可能性のロマンを感じていたら、こうやりますと手...

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43 生きた線、死んだ線

現代抽象画と近代具象画は、まるで水と油の関係です。が、実は共通した悩みでつながっています。具象画について今昔をくらべるだけでも、昔の方が生きた線の出現が多いのです。日本の近代洋画の古典的な有名どころは、意外に生きた線を引きまくっていた事実があります。具象か抽象か以外に、線の生死でも絵は二分できます。絵画で、ある形式が長期間作られ続けて、当初は線が生きていたのに、全般にだんだんと線が死んでいき、つい...

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18 現代美術の目的は何か

人は何をどうしたくて、アートなるものを作るのか。そして、現代美術は何のために存在するのか。もちろん時代によって場面によって、変わっていることは見当がつきます。時がどんどん流れて、美術はどう変わってきたか、美術が折々に何かを得たり失った流れをたどれば、現代美術の見方も焦点を合わせやすいかも知れません。もっとも、絵が18世紀前半と後半で違うような細かい話は不要で、ざっくり大づかみにとらえることが大事で...

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15 美術のメセナはゴッホを拾えるか

メセナとは、民間の芸術支援です。官が加わるとまた別らしくて。日本に美術メセナがあるのは、優れたアートを発掘する好ましい体制と思われることでしょう。しかしよく考えてみれば、公募コンテストでは優れたアートを発掘できないのか?と突っ込みが可能です。応募作から選抜する公募展は、本来はメセナにもなっている理屈です。新しい若い胎動、あるいは長年見過ごされた隠れ創造を、情実や縁故を排して、白昼堂々と支援するのに...

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112 テレビ番組はなぜつまらないのか

芸能タレントの何人かが、テレビ番組はつまらない、このままではテレビ業界はおしまいだと言い出しました。今のテレビ番組がつまらないという実感は、国民に広く起きている問題のようで、視聴率の低調や全く見ない人の増加にも表れています。これはテレビ以外の娯楽へ客が逃げている問題とは別に、テレビ番組の出来が確実に悪くなっていることを、国民の大勢が感じ始めている問題です。テレビとネットをくらべるのではなく、昔のテ...

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96 写真は芸術か? 1 心霊写真編

写真は芸術ではないという説は、日本に根強くあります。写真をアートとして考える人を一笑に付し、こきおろす意見が以前からありました。ネット時代の今に始まったことでもなく、日本の民意として写真は芸術の仲間外れや二軍扱いなのです。現に売買市場がなきに等しくて。しかしヨーロッパは、日本の写真アートに期待しています。それもそうで、世界中の報道カメラは日本製だからです。自動焦点かつ一眼レフ(ミラーあり)という高...

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84 芸術がわからない人は世に何人いるのか

日本で「自分は現代芸術がわからない」と言えば、国民の多数派に属する常識人宣言になります。現代の芸術作品なんてわからないのが普通とされ、それは日本人が現代アーティストという人種とあまり関わりたくない気分でもあるでしょう。ところが、わかる人には最初から壁がないから、わかるといちいち宣言しないわけです。そこに、わからない派の油断があります。先進国の市民の中で、実は孤立していた。めったにいないだろうとみて...

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65 ダダ運動タイプ、現代美術のちりとてちん

ダダというのは、後発の便器アートに代表されるような、アートの意味を拡張した運動でした。便器アートはレディーメード(既製品)に分類されますが、それが世界的な潮流になったという話題です。ダダ運動タイプが広まると、美術、芸術が苦手な人が世界中に爆発的に増えたのです。美術がわからないのは、気のせいではありません。馬鹿だからではなく、賢いからやられるわけです。アートが社会から浮いていったのは事実です。ところ...

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47 モディリアニとトレードマーク美術

音楽の作曲につきまとうのは、「できることが年々狭まっている」という悩みです。よいメロディーは昔の人たちがやり尽くし、満点の正解曲は先取りされてしまっているからです。後世ほど大傑作が減り、細部をひねった煮え切らないプチ佳作ばかりになっていく理屈です。この悩みは絵画や彫刻にもあって、新世代たちはやり残されている小さなすき間を探し回って、やっとのことで何とかオリジナルといえる作品を成り立たせています。そ...

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42 夢を美術に使えるか 2 幽霊編

幽霊などの怪談話やオカルト系のエピソードが、本書にはいくつか登場します。怪談話と絵画にはアナロジー(類推的要素)があって、親しい関係だからです。多くの人が怪談を誤解しています。怪談話は公式の報告書とは違うのです。怪談に公平公正はなく、逆にあの手この手で読者をだまそう仕組んだ民話であり、物でいえば手品に相当します。起きた順序を逆に書いたり、部分誇張や壮大な尾ひれ追加と、ネタばれ情報の省略や書き換え。...

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20 ヒトラーの絵とポップアート

ナチスの総統アドルフ・ヒトラーは1945年の自決後も、生存やUFOや南極や火星など都市伝説が多くあります。オカルトではなくリアルな話題として、ヒトラーがかいた古い絵が、2007年のオークションで高値で落札されました。国際ニュースが駆けめぐり、しかしどのコメントも一面的で、美術界のスクラムは微動だにしませんでした。「ワルが作ったアートは評価できない」という道理と、「有名人は凡作でも高く売れる」という...

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10 子どもの絵、幼児の絵は芸術か

個性的作品が多いショパンのピアノ曲とて、関心がない人はどれも同じに感じます。それは、ビートルズ曲も、ジェット旅客機や結婚指輪のデザインもそうでしょう。誰でも、関心があれば個々の細かい差を感じ、関心がないなら皆いっしょと感じます。当然ながら、関心は買う時に最も高まり、買わないと低いでしょう。日本の抽象画家は、実はたいてい周囲からこう言われたことがあるのです。「ピカソみたいな絵ですね」。どんな絵でも抽...

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109 名作から出るオーラの正体を追え

名画名作から深いものを受け取り、私たちは心の糧にします。この感銘を指して、本物の芸術作品からは特別なオーラが発信されているという説があります。説というより、大勢に覚えがある強い実体験になっています。大傑作には、五感を超えた何か特殊なパワーがあって、こちらにシグナルが飛んでくるという。「それは美術鑑賞の大きな魅力となって、情報洪水の中で唯一といえるほど信じるに足る本物の真実の体験です。実際に起きてい...

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91 空飛ぶ円盤UFOと、宇宙の芸術 2

ネット時代になって、美術も芸術もエンターテインメントに分類されています。芸術はエンタメだ!。しかしレジャー産業や趣味講座とは次元が違う、何か特別な無償の衝動の存在を信じて、それが芸術の源泉だと考える人は意外にいるのです。芸術は衝動だ!と。「何かを表現したい衝動」は、単に個人レベルの気持ちの問題かという命題です。話を大きくして、地球で人類が発祥したメカニズムは、芸術の衝動と関係があるかも知れないとす...

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76 絵をへたにかく意味はどこにあるのか

絵を故意にへたに描いたと言い出したのは、ピカソでした。このへたに描く意味は、美術界で常に誤解されている大問題です。ものすごく偉い超大物や有名人にも勘違いは起きやすく、教え子や読者を巻き込んでいる疑惑です。へたに描いた絵を児戯と言ったり、奇をてらったアイデアと言ったり、技量不足のカバーと言ったり、余力の見せつけと言ったり。作らない論者たちの、ヤマカンの当てずっぽうがたくさん出回っています。それが言葉...

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62 ゴッホはなぜゴッホになったのか

ゴッホの価値は一般に、絵の描き方以外にも広げて受け取られているようです。人類と芸術の関係を暗示するシンボル的な存在という、もうひとつの面があります。だから本書に、わかりやすい典型例として何度も出てきます。現代人がゴッホの絵に魅せられるひとつの理由は異質性で、今日の人気絵画と雰囲気があまりに違うから目に残るという、「皆さんわかってるじゃん」という部分が確かにあるのです。しかし首をかしげ続けている部分...

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